事業内容
さくらインターネット株式会社は1999年設立の国産クラウド・インターネットインフラ企業。自社運営のデータセンター(石狩等)を基盤に、パブリッククラウド「さくらのクラウド」、生成AI向けGPUインフラ「高火力PHY/さくらONE」、共有ホスティング「さくらのレンタルサーバ」、ハウジング・専用サーバ等の物理基盤サービス、さらにシステムインテグレーションを含むその他サービスを一気通貫で提供する。
顧客層は個人・中小企業から法人・文教・公共分野まで幅広く、ガバメントクラウドへの正式採択により官公庁・エンタープライズ領域への展開も加速している。2026年3月期の売上高は35,301百万円(前期比12.4%増)で過去最高を更新した。
ビジネスモデル
自社保有・運営のデータセンター設備(サーバ・GPU・ネットワーク・電源等)を複数顧客に提供するサービス型モデルが基本収益源。クラウドサービス(15,324百万円)・GPUインフラストラクチャーサービス(8,144百万円)・物理基盤サービス(3,056百万円)の継続課金収入に加え、官公庁向け受託・SIを含むその他サービス(8,776百万円)が売上の約25%を占める。
設備投資を先行させ稼働率向上で収益を拡大する資本集約型モデルであり、補助金(クラウドプログラム)も投資原資として活用している。
企業の強み
「さくらのクラウド」はデジタル庁のガバメントクラウドに正式採択されており、公共領域が求める高い信頼性・セキュリティ基準を満たすことが第三者機関により認定された形となっている。これを契機に国立健康危機管理研究機構向け売上が4,575百万円(売上比13.0%)に拡大するなど、大口公共案件の獲得実績が積み上がっている。
経済産業省のクラウドプログラム供給確保計画への認定を受け、補助金(圧縮記帳額14,311百万円)を活用した大規模設備投資を実施。2026年3月期の設備投資総額は22,553百万円に達し、NVIDIA H200・Blackwell B200を含む最新GPUインフラを国産事業者として先行整備した実績を持つ。
1999年創業以来、石狩データセンター(2011年運用開始)を含む自社データセンターを長期運営し、個人から法人・文教・公共まで幅広い顧客基盤を構築してきた。クラウドサービス・GPUインフラ・物理基盤・SIをグループ内でワンストップ提供できる垂直統合体制は、短期間での模倣が困難な競争優位となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期20,019百万円から2026年3月期35,301百万円へ5期連続増収。ただし利益面は2025年3月期の過去最高(営業利益4,145百万円・当期純利益2,937百万円)から2026年3月期に急反落し、営業損失403百万円・当期純利益216百万円となった。
主因はGPU関連設備投資に伴う減価償却費の急増(前期比約2,970百万円増)と人材投資強化。外部要因として生成AI需要拡大が売上成長を後押しする一方、GPU機材・データセンターコストの高騰が原価を押し上げた。
2027年3月期は売上高45,000百万円・営業利益1,500百万円への回復を会社は予想している。
成長戦略
GPU基盤への大規模投資とガバメントクラウド認定で生成AIインフラのデファクトを目指す
ベアメタル型GPU「高火力 PHY」においてH200プランおよびNVIDIA Blackwell B200のサービス提供を開始。2026年3月期GPUインフラストラクチャーサービス売上高は8,144百万円(前期比20.3%増)に拡大。
2027年3月期は既存GPU資源の安定稼働を最優先とし、市場動向を踏まえて追加投資を検討する方針。
ガバメントクラウドへの正式採択を受け、パートナーとの協業・戦略的アライアンスを通じて公共・エンタープライズ領域の販売チャネルを拡大。官公庁向け大口案件等によりその他サービス売上高は2026年3月期8,776百万円(前期比19.6%増)と高成長を達成。
さくらのクラウド・さくらのレンタルサーバの機能開発・販売促進強化のための人材投資を推進。給料及び手当は2026年3月期2,936百万円(前期比34.5%増)に増加。開発と販売が連動する組織へ再編し、AI活用を通じた顧客ニーズへの即応体制を構築中。
経済産業省クラウドプログラム供給確保計画への認定を起点に国庫補助金を活用。2026年3月期の国庫補助金等収入は14,311百万円(特別利益計上・同額固定資産圧縮損処理)。有形固定資産取得支出は36,336百万円に達し、コンテナ型データセンター等の基盤整備が進捗。
最終更新: 2026年7月19日

