事業内容
株式会社CRI・ミドルウェアは、「音と映像で社会を豊かに」を企業理念に掲げ、音声・映像・画像関連のミドルウェアをゲーム業界および非ゲーム業界に提供する。主力ブランド「CRIWARE」および「OPTPiX」を通じ、ゲーム開発の効率化・品質向上を支援するゲーム事業と、車載(モビリティ)・カラオケ・家電IoT・クラウド動画等の組込み・エンタープライズ領域に展開するエンタープライズ事業の2セグメントで構成される。
連結子会社として音響制作の株式会社ツーファイブ、中国販売の上海希艾維信息科技有限公司、米国法人CRI Middleware, Inc.を擁し、国内外に事業基盤を持つ。2014年東証マザーズ上場、2022年グロース市場移行。
ビジネスモデル
収益の主体はソフトウェア製品の使用許諾(ライセンス)販売であり、一括ライセンス契約や年間許諾契約による安定的な許諾売上が基盤となる。これに加え、受託開発・音響制作(ボイス収録等)が補完的収益を形成する。
ゲーム事業で蓄積した技術・ノウハウをエンタープライズ事業へ転用することで、追加的な研究開発コストを抑えながら新市場を開拓する技術横展開モデルを採用している。
企業の強み
2023期から2025期にかけて売上高は2,991百万円から3,449百万円、営業利益は345百万円から554百万円へ3期連続増収増益を達成。2025期の営業活動によるキャッシュ・フローは849百万円(前期328百万円)と大幅に拡大し、無借金・自己資金経営を維持している。
ゲーム事業では国内一括ライセンス契約の新規獲得や中国第3のOSローンチ効果・欧米展開進捗により売上高1,807百万円(前期比7.8%増)。エンタープライズ事業では新製品CRI Glasscoが期初予想を大幅に上回る採用数を記録し、売上高1,642百万円(前期比10.1%増)を達成した。
設立以来ゲーム向けに培った音声・映像技術を、車載サウンドCRI ADX Automotive・車載メーターグラフィックCRI Glassco・組込みアンプCRI D-Amp Driver・オンラインコミュニケーションCRI TeleXus等に展開。エンタープライズ事業のセグメント利益率は22.4%とゲーム事業(10.3%)を大幅に上回る高収益性を示している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期2,893百万円→2025期3,449百万円と4期連続増収を達成し、営業利益も2025期554百万円と2022期の低迷から大きく回復した。しかし2026年9月期中間期(上期)は売上高1,849百万円(前年同期比0.4%減)、営業利益301百万円(同22.3%減)と増収増益トレンドが途絶えた。
売上総利益率は63.9%と改善したものの、海外展開強化に伴う販管費の増加(前年同期比17.3%増)が利益を圧迫。ゲーム事業では欧米での採用タイトル獲得遅延、エンタープライズ事業ではカラオケ特需剥落とクラウドソリューションのR&Dフェーズシフトが重なった。
外部環境として米国の関税政策や中東情勢が製造業顧客に影響を与えている点も留意が必要。通期予想は変更なく、下期での業績回復が前提となっている。
成長戦略
ゲーム技術を起点にモビリティ・オンラインコミュニケーションをコア事業化し、2030年度売上高100億円を目指す
提案営業強化により複数の一括ライセンス契約を獲得する戦略。2026年9月期中間期の第2四半期に複数件の一括契約を獲得し、第1四半期の減収影響を一定程度補った。継続的な顧客深耕が安定収益の基盤となる。
中国市場ではアカウント営業戦略の成果が出始め、2026年9月期中間期に許諾収入が増加。ツーファイブによる中国企業向け大型ボイス収録業務も好調に推移しており、アジア市場での収益基盤が着実に拡大している。
海外展開強化のための先行投資(販管費増加)を実施中だが、2026年9月期中間期は欧米での採用タイトル獲得が計画どおりに進まず売上が減少。海外営業スタッフ増員等の施策を継続しており、成果の顕在化が今後の課題。
車載メーターグラフィックソリューションCRI Glasscoはインド市場向け二輪車を中心に許諾収入が好調に推移し増収。SDV普及を背景とした車載ソリューション需要の高まりを取り込み、エンタープライズ事業の主要成長ドライバーとして機能している。
前期第3四半期よりR&Dフェーズへシフトしており、2026年9月期中間期は売上が減少。研究開発完了後の市場投入が2026年9月期下期以降に予定されており、通期業績予想達成の重要な前提条件となっている。
オンラインコミュニケーションミドルウェアCRI TeleXusへの研究開発投資をゲーム事業セグメントで継続中。2025大阪・関西万博でのバーチャル万博活用等、リアルとバーチャルのハイブリッドコミュニケーション需要の拡大を背景に商業化を目指す。
最終更新: 2026年7月17日

