事業内容
株式会社オークファンは「RE-INFRA COMPANY」をコーポレートアイデンティティに掲げ、創業以来蓄積した約700億件超の商品売買データとAI技術を活用して流通の可視化・効率化を推進する。主要顧客層は個人事業主・副業者・インフルエンサー等の「Appreciator」と呼ばれるSmallB層。
ソリューション事業(aucfan.com等)、プラットフォーム事業(NETSEA等BtoBマーケットプレイス)、インキュベーション事業(事業投資・コンサルティング)の3セグメントを展開。現在はBtoB流通DXからD2Xコマース(AP LAB・NETSEA MallLive)への事業転換期にある。
ビジネスモデル
ソリューション事業では月額1,100円〜11,000円の有料会員課金(31,328人)とネット広告収入が主収益源。プラットフォーム事業ではNETSEAの流通手数料(流通金額の8.5〜10.5%)・月会費、OSRの出店料・決済手数料、AP LABの商品販売収益を組み合わせる。
インキュベーション事業は営業投資有価証券の売却益・配当とコンサルティング収益が柱。2025年9月期はソリューション事業が売上高2,893百万円・営業利益率21.4%と高収益を維持する一方、新規D2Xコマースへの先行投資が全体収益を圧迫している。
企業の強み
aucfan.comはサービス開始以来2025年9月末時点で約700億件を超える商品売買の実売価格データを蓄積。この規模のデータ資産は競合が短期間で模倣困難な参入障壁を形成しており、AI活用による価格可視化・最適化サービスの差別化基盤となっている。
2025年9月期のソリューション事業は売上高2,893百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益619百万円(同8.8%増)、営業利益率21.4%を達成。2024年7月の価格改定により有料会員1人あたり平均月額課金額が1,508円(2023年9月期末)から2,216円(2025年9月期末)へ上昇し、収益構造が改善している。
2025年9月期末の自己資本比率は57.8%と高水準を維持。現金及び現金同等物は3,790百万円と十分な流動性を確保しており、有利子負債残高は1,302百万円に留まる。事業転換期における先行投資余力を財務面から裏付けている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期8,385百万円をピークに5年連続減少が続いていたが、2026年9月期中間期は2,643百万円(前年同期比+9.6%)と増収に転じた。プラットフォーム事業がD2Xコマース(AP LAB・KACHIKA・NETSEA MallLive)の拡大により同+46.1%増と牽引。
一方、収益性は悪化が続いており、中間期営業損失4百万円(前年同期は営業利益95百万円)、親会社株主帰属中間純損失21百万円を計上。法人税等が53百万円(税引前利益32百万円に対し実効税率超過)となった点も純損益を圧迫。
通期予想(売上高5,600百万円・営業利益50百万円)は据え置かれており、下半期での大幅な収益改善が前提となっている。
成長戦略
D2Xコマース確立・既存事業収益改善・事業ポートフォリオ再構築の三本柱
中国生産ネットワークを活用した自社ブランド「AP LAB」「KACHIKA」の商品企画・製造・国内販売(個人向け・法人向け卸)と、ライブコマース「NETSEA MallLive」を成長ドライバーと位置づけ先行投資を継続。AP LABは売上成長継続、KACHIKAはファッションカテゴリで売上拡大中。
ただし初期コスト増加により中間期プラットフォーム事業は営業損失120百万円に拡大。
aucfan marketingの広告運用サービス売上が好調に推移し、中間期売上高1,474百万円・営業利益333百万円を確保。aucfan.comは2024年9月期の価格改定後の反動減が課金売上に影響しているが、広告運用サービスがこれを補完。
EC市場の継続的拡大を外部環境として、Appreciator層向けサービスの需要増加が見込まれる。
義烏を起点とした越境流通・展示会施策等は市場開拓面で一定の成果を得たものの収益化に時間を要しているとして、より収益性の高い領域への経営資源集中に方針転換。中国子会社2社をインキュベーション事業からプラットフォーム事業に組み替え、D2Xコマースの商品供給機能として位置づけを明確化。
最終更新: 2026年7月17日

