市場の構造変化
百貨店・量販店をはじめとする大規模小売店の減少や売場縮小により、これらチャネルへの依存度が高い当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性がある。対応策として、EC事業拡大(既存・新規プラットフォームへの出店)やOMO型店舗「WACOAL is」の展開を推進するとともに、需要連動型生産体制の整備により欠品による販売機会ロスの低減を図っている。
調達価格の上昇
原材料値上がり、生産地の人件費高騰、輸送コスト上昇等のサプライチェーン構造変化により仕入価格が上昇し、業績に影響を及ぼす可能性がある。ASEANでの調達・生産比重拡大、資材・カラー集約による材料品種削減、省力化機器導入による生産効率化、商品ブランド再編による生産ロット拡大などのコスト低減策を推進している。
情報システム可用性障害
サイバー攻撃(ランサムウェア等)、システム開発ミス・遅延、天災等により基幹システムやWEB販売サイトが停止した場合、事業継続が困難となりステークホルダーからの信頼を失う可能性がある。「情報セキュリティ部会」を設置し、外部公開IT資産の把握・監視、多言語教育ツール展開、サイバーインシデント対応手順の整備など継続的な改善に取り組んでいる。
競争・競合環境の変化
国内外市場での競合激化・低価格品・異業種新規参入により、ブランド想起率・認知率の低下や販売シェア喪失が生じ、長期的な業績低下につながる可能性がある。対応策として、顧客データベースや体型研究・製造技術といったワコールの強みにデジタル技術を組み合わせ、シニア・高補正・高価格帯市場の強化や海外各地域での品番効率向上・EC拡大を進めている。
消費者の価値観変化
ブランド戦略・商品・サービスが消費者の価値観変化に対応できない場合、若年層顧客の獲得失敗や既存顧客の離反によりブランド価値が毀損する可能性がある。3D計測「SCANBE」を活用した顧客体験の深化、自社ECからの「取り置き・取り寄せ」サービス開始、CW-Xの大型プロモーション等により顧客との関係性強化を図っている。
新市場・顧客開拓の遅れ
国内の人口減少・少子高齢化による市場縮小を背景に海外市場開拓や新業態進出に取り組んでいるが、多様化する消費者ニーズに応えられず計画成果が出ない場合、グループ業績に影響を与える可能性がある。国内ではデジタルを活用したパーソナライズ顧客体験の強化、欧州・米国・中国ではEC重視のビジネスモデルへの転換とデジタルマーケティング投資を加速させている。
情報管理の不備
機密情報・個人情報の漏えいや紛失が発生した場合、社会的信用の失墜や事業運営停止といった重大な損失が生じる可能性がある。特にデジタルを活用した顧客戦略やEC事業強化に伴い個人情報の取り扱いが増大しており、「情報セキュリティ部会」を通じた国内外関係会社への管理状況調査・指導・助言を継続的に実施している。
債券相場・金利変動リスク
保有上場株式・債券の市場価値下落や金利上昇により無形資産(のれん・商標権)の減損が発生するほか、年金資産の評価減・積立不足が追加拠出や引当を必要とし業績に影響する可能性がある。政策保有株式については2029年3月期末までに約200億円(2026年3月末時価)縮減し対連結純資産比15%未満とする方針を掲げ、年金委員会を設置して外部運用コンサルティング会社と連携した資産運用管理を行っている。
企業倫理・コンプライアンス
サプライチェーンにおける人権・労働・環境問題の指摘や、コンプライアンス違反・SNS上の不適切発言等により社会的信頼を失い業績に悪影響を及ぼす可能性がある。過去に海外縫製工場での労務・人権問題指摘や国内での外国人技能実習生への超過勤務手当未払いが発覚した経緯があり、現在は「CSR調達部会」による現地監査・是正モニタリングや「コンプライアンス部会」による従業員教育・内部通報制度の拡充を進めている。
知的財産権の侵害・被侵害
他社による知的財産権侵害や当社による侵害に加え、SNSを中心とした当社ブランドを騙る「なりすまし」広告・偽サイトの拡大により、消費者・市場からの信頼失墜や経済的損失が生じる可能性がある。京都府警察と連携した販路追跡・監視・排除措置の実施、同被害を受ける他社との協働によるSNS運営者・政府への働きかけ、外部専門家との連携強化により知的財産保護を推進している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

