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株式会社ワコールホールディングス

3591東証プライム繊維製品

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株式会社ワコールホールディングス3591

事業内容

ワコールホールディングスは、持株会社1社・子会社46社・関連会社7社で構成されるインナーウェア専業グループ。主力の「ワコール事業(国内)」が連結売上収益の約51%を占め、「ワコール事業(海外)」が約40%、「ピーチ・ジョン事業」が約6%を担う。

国内では百貨店・量販店・直営店・ECを通じてファンデーション・ランジェリー・スポーツウェア等を販売。海外は北中米・欧州・アジア・オセアニアに製造・販売拠点を持ち、グローバルに事業展開する。

主要顧客は女性消費者であり、高品質・高感性を訴求する中高価格帯ブランドを軸に、EC・デジタルサービスへのシフトを加速している。

ビジネスモデル

㈱ワコールが企画・デザイン・原材料調達を担い、国内外の縫製工場で製品化後、百貨店・量販店・直営店・ECを通じて最終消費者へ供給する垂直統合型モデル。近年は卸主体(B2B)から直販(D2C)へのチャネル転換を推進し、自社EC・他社ECの拡大により粗利率の改善を図る。

海外ではM&Aを活用して欧米市場でのシェア拡大を進め、アジア拠点の製造能力をグループ内サプライチェーンに活用している。

企業の強み

1964年以降継続する日本人女性体型調査、3D計測サービス「SCANBE」の開発・運用、「わたしに合うブラ診断」の累計利用者50万人突破(2026年3月末)など、人間科学研究開発センターを中心とした独自のボディデータ・フィット技術は競合が短期間で模倣困難な自社固有の競争優位である。

国内では「WACOAL」「CW-X」「Wing」「Salute」「GOCOCi」等の多ブランドを百貨店・量販店・直営店・自社EC・他社ECで展開。海外は北中米・欧州・アジアに計38社の子会社・関連会社を持ち、2024年9月のBravissimo Group買収・2026年3月のGlamorise社買収により欧米でのチャネル・ブランドポートフォリオを拡充している。

2026年3月期末の親会社所有者帰属持分比率は71.7%(前期比1.3ポイント増)、現金及び現金同等物は441億70百万円(前期比207億51百万円増)。借入枠521億円に対し残高119億22百万円と財務余力が大きく、成長投資・株主還元・構造改革を同時に推進できる財務基盤を有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は19,877百万円と前期3,328百万円から大幅増益となったが、キャッシュ・フロー計算書上の固定資産除売却損益(△は益)が△19,291百万円と突出しており、売却益が利益を大きく押し上げた構造。営業活動によるキャッシュ・フローは8,487百万円にとどまり、本業ベースのキャッシュ創出力は限定的。

売却益剥落後の収益水準が持続的成長の試金石となる。

国内ワコール事業では自社EC・他社ECの継続成長、リブランディング効果、不採算店舗撤退・品番集約によるコスト改革が収益改善に寄与。一方、海外では中国での不採算店舗撤退・構造改革費用が収益の重石となっており、米国自社ECのUI・UX改善も道半ば。

外部要因として円安・原材料費高騰による調達コスト上昇圧力も継続しており、価格改定の浸透度合いが収益性を左右する。

2026年6月25日付の決算短信訂正では、リース負債の返済による支出が△5,593百万円から△5,734百万円へ、その他の負債の増減額が△425百万円から△475百万円へ、その他が4,386百万円から4,577百万円へ修正された。営業活動CFは8,346→8,487百万円、財務活動CFは△26,145→△26,286百万円に変更。

現金及び現金同等物の期末残高44,170百万円に変動はなく、財務実態への影響は軽微だが、有報作成過程での誤り発覚は内部管理体制の観点から留意が必要。

成長戦略

VISION2030に向け、国内改革・海外拡大・資本効率改善を三位一体で推進

不採算店舗の撤退と品番集約によるコスト構造改革を進めつつ、自社EC・他社ECの継続成長と「WACOAL」リブランディング施策を推進。3D計測「SCANBE」等パーソナライズ体験の拡充で顧客ロイヤルティ向上を図る。

2024年9月の英国Bravissimo Group買収によりワコールヨーロッパが前年同期比26.9%増と拡大。米国自社ECのUI・UX改善によるプラットフォーム刷新、中国での不採算店舗撤退・収益体質改善を並行推進。

有形固定資産等の売却を積極推進し、2026年3月期に売却収入27,421百万円を計上。現金及び現金同等物の期末残高は44,170百万円と大幅増加。調達資金を成長投資・株主還元(自己株式取得12,469百万円・配当5,073百万円)に活用。

「CW-X」のプロモーション強化・展開店舗拡大、リカバリーウェア「&RECOVERY」新カテゴリー参入、ピーチ・ジョン事業での新規顧客獲得強化を推進。タレント起用商品や大型セールの高水準推移が売上を下支え。

最終更新: 2026年7月19日