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小松マテーレ株式会社

3580東証プライム繊維製品

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小松マテーレ株式会社3580

事業内容

小松マテーレ株式会社は1943年創業、石川県能美市を本拠とする化学素材メーカーである。合繊ファブリック・薄膜ファブリックの企画・開発・製造・販売を中核事業とし、衣料ファブリック(欧州ラグジュアリーブランド向け、北米ファッション向け、中東民族衣装向け等)、資材ファブリック(生活関連資材・産業資材)、製品部門の3部門で構成される繊維事業が売上高の約98.8%を占める。

国内に複数の製造拠点を持つほか、中国蘇州に現地法人2社を設立し海外展開を推進。子会社8社・関連会社2社からなるグループ体制で、東証プライム市場に上場している。

ビジネスモデル

技術開発本部を核とした研究開発(研究開発費581百万円、特許・実用新案113件保有)により高感性・高機能素材を自社開発し、国内外の衣料・資材メーカーや商社(東レ㈱が売上高の17.3%を占める主要顧客)へ販売する。製造から物流(子会社コマツインターリンク)まで一貫したグループ体制を構築し、付加価値の内製化と収益確保を図る。

企業の強み

欧州ラグジュアリーブランド向けファッション素材、北米向けファッション、中東民族衣装向け素材が売上を牽引し、2026年3月期の繊維事業売上高は41,063百万円(前期比5.3%増)を達成。海外市場での販売実績が収益成長を支えている。

技術開発本部を核に産学連携・クラスター活動を推進し、特許・実用新案113件(出願中20件)を保有。非フッ素耐久撥水加工「ダントツ撥水CZ進化版」、低膨潤高透湿防水素材「QUATTRONI TK」等の独自素材を継続的に市場投入しており、2025年度繊維学会技術賞も受賞している。

2026年3月期末の純資産は39,889百万円、現金及び現金同等物は9,233百万円を保有。有利子負債への依存が低く、設備投資(当期3,206百万円)を自己資金で賄える財務基盤を有する。自己株式取得(1,277百万円)や配当(1,066百万円)も実施しており、株主還元余力も確認できる。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益は1,500百万円(前期比48.9%減)と大幅減益となったが、これは非上場株式の投資有価証券評価損1,232百万円という一過性の特別損失が主因。営業利益2,502百万円(前期比14.7%増)・経常利益3,208百万円(同13.0%増)は着実に拡大しており、本業の収益力は改善基調にある。

投資家は純利益の表面的な落ち込みと本業利益の乖離を適切に識別する必要がある。

2027年3月期の会社予想は売上高42,000百万円(前期比1.1%増)に対し、営業利益1,500百万円(同40.1%減)・経常利益2,300百万円(同28.3%減)と大幅な利益後退を見込む。中東情勢の緊迫化に伴う物流不安定化・商流停滞・原燃料高騰の影響を合理的に見積もることが困難な状況が背景にある。

外部要因として地政学リスクと原材料・エネルギー価格の高止まりが収益を圧迫する構図が続いており、予想の不確実性は高い。

2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは1,759百万円と前期4,793百万円から大幅に減少した。法人税等支払額の増加(826百万円→1,061百万円)、仕入債務の減少(724百万円)、棚卸資産の増加(193百万円)等が要因。

一方、固定資産取得支出は3,447百万円と前期3,206百万円から増加しており、第2物流センター稼働後も工場再編投資が続く見通し。潤沢な保有資産を背景に財務的余力は十分だが、営業CFの回復が2027年3月期の重要な確認ポイントとなる。

成長戦略

海外拡大・サステナブル素材・製品事業・DX・製造環境整備の5課題で企業価値向上を目指す。

欧州ラグジュアリーブランド向け・北米・中東・アジア地域への販売拡大を継続。中国向けに小松美特料(蘇州)咨詢有限公司を新規連結し、海外販売体制・拠点の整備を進める。2026年3月期は海外向け衣料ファブリックが増収を牽引した。

環境配慮型素材群「マテレコ」の売上比率を2030年度に50%へ拡大する目標のもと、「環境負担低減」と「機能性」を両立する素材を拡充。汚泥減容化バイオ製剤「ベリフォーマー」が「第10回ものづくり日本大賞 中部経済産業局長賞」を受賞するなど環境技術の外部評価も高まっている。

連結子会社化により製品部門が増収に貢献。2026年2月に製品染め新ブランド「TINTORIANA」を発表し、自社素材の付加価値を消費者に直接届ける製品事業の収益貢献度向上を図る。

2025年9月に「第2物流センター」の運用を開始。同センターの竣工を皮切りに製造環境整備・生産性向上に向けた工場再編を推進。固定資産取得支出は2026年3月期3,447百万円と前期比増加しており、積極的な設備投資が継続している。

新基幹システムの稼働を契機として構造改革および生産性向上を推進し、付加価値労働生産性の向上を通じた人的資本の価値最大化を図る。中期経営計画「KFW-2026」の最重要課題として収益力の抜本的強化と利益体質への転換を目指す。

最終更新: 2026年7月19日