事業内容
東海染工株式会社は1941年設立の繊維染色加工専業メーカーを起源とし、現在は当社と子会社6社で構成される。コア事業である染色加工事業(売上高8,906百万円)では国内外の生産拠点で天然・合成繊維の染色加工とテキスタイル販売を行う。
一方、2010年に参入した子育て支援事業(売上高4,245百万円)は企業内保育所の運営受託・認可保育園・放課後児童クラブを展開し、グループ第2の柱に成長。洗濯・倉庫・機械販売・不動産賃貸等の非繊維事業も展開し、「生活関連創造事業」への転換を進めている。
主要顧客はアパレル・ユニフォームメーカー、ホテル、自治体・企業等と多岐にわたる。
ビジネスモデル
染色加工事業では加工料収入(6,984百万円)とテキスタイル販売収入(1,922百万円)の2本立てで収益を得る。子育て支援事業は企業・自治体からの運営受託料を主収入とし、労働集約型ながら公的制度に支えられた安定収益を確保する。
洗濯・倉庫・機械販売・不動産賃貸等の小規模セグメントが補完的なキャッシュを創出。資金調達は自己資金と金融機関借入を基本とし、設備投資(当期234百万円)を通じて生産能力の維持・拡充を図る。
企業の強み
国内では大手紡績の繊維事業撤退や同業他社の廃業・体制変更が続く中、当社は振替受注の引き合い増加を積極的に取り込んでいる。カジュアル分野での受注拡大が実現しており、ポリエステル100%品等の新素材対応設備への投資・改良を通じて受注拡大基盤を整備している。
2010年設立の株式会社トットメイトを中核に、企業内保育所の運営受託・認可保育園・放課後児童クラブを展開。2026年4月には名古屋市13校・瀬戸市1校の放課後クラブ新規開所を予定しており、売上高は前期比9.7%増の4,245百万円と継続的な拡大実績を持つ。
グループ全体の非繊維事業の中核として経営資源が重点配分されている。
国内複数事業所に加え、タイ・インドネシアに海外生産拠点を保有し、グローバルな染色加工体制を構築。研究開発費46百万円・スタッフ15名体制でニットスレン染色技術や合成繊維高付加価値加工技術の開発を推進。
機械販売事業では自動濃度制御装置の技術を異業種(製紙・金属表面処理等)へ転用展開しており、技術の多用途性を実証している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は13,784百万円(前期比3.9%減)と5期ぶりの減収。営業利益は164百万円(前期420百万円)、経常利益は311百万円(前期569百万円)、親会社株主帰属当期純利益は202百万円(前期312百万円)といずれも大幅減益。
染色加工事業がユニフォーム分野の在庫調整・インドネシア受注減により114百万円の営業損失に転落したことが主因。外部要因として国内アパレル在庫過多・エネルギー価格高騰・円安によるコスト増が逆風。
一方、子育て支援事業(売上高4,245百万円、前期比9.7%増)と洗濯事業(売上高187百万円、前期比12.8%増)はインバウンド需要拡大・政策追い風を受け増収増益を確保。特別利益として投資有価証券売却益204百万円を計上し、当期純利益の下支えとなった。
営業CFは557百万円と引き続きプラスを維持。
成長戦略
染色加工の振替受注・新素材対応と子育て支援拠点拡大を両輪で推進
同業他社の廃業・体制変更に伴う振替受注を積極的に獲得するとともに、加工料・取引条件の継続的な改定により収益性改善を図る。ポリエステル100%連続染色など新素材対応技術の確立で受注領域を拡大し、2026年3月期に赤字転落したセグメント利益の黒字回復を目指す。
インドネシア国内向け受注が低調な中、無地染め新商品の投入・新規顧客先開拓・輸出向けオーダー拡大に注力。国内市場の活性化傾向を捉え受注回復を図る。インドネシアでのデモ影響による受注低調が継続しており、回復時期の見極めが課題。
放課後児童健全育成事業の自治体公募参加を継続し、2026年4月に名古屋市13校・瀬戸市1校を新規開所。企業内保育所の運営受託拡大と認可保育園の児童数増加も並行して推進。名古屋市・周辺自治体への展開拡大を継続する方針。
ホテル・レジャー関連のインバウンド需要拡大を背景に、労務費・エネルギー費増加に対応した価格改定を実施。2026年3月期は売上高187百万円(前期比12.8%増)・営業利益25百万円(前期比126.2%増)と大幅増益を達成し、非繊維事業の収益貢献が拡大している。
自動濃度制御装置の技術を転用し繊維業界以外の異業種向け販路開拓を推進。2026年3月期は4台販売・売上高66百万円(前期比20.5%減)と減収となったが、技術転用による新市場開拓の取り組みは継続中。
最終更新: 2026年7月19日

