事業内容
株式会社農業総合研究所は、「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」をビジョンに掲げ、2007年に和歌山市で創業。農家の直売所事業では、全国78拠点の集荷場を通じて登録生産者10,419名から農産物を集荷し、2,246店舗のスーパー等産直コーナーで翌日販売する独自の流通プラットフォームを運営する。
産直事業では生産者から直接買い取りブランディング卸を展開。生産者・スーパー・生活者の三方良しを実現する農産物流通インフラとして機能しており、2025年8月期の売上高は8,359百万円に達する。
ビジネスモデル
農家の直売所事業では、生産者から出荷手数料・バーコード発券手数料・販売額連動手数料・登録料・年会費を徴収する高利益率の委託販売システムが主軸。当社・スーパーとも在庫リスクを負わない構造が特徴。
産直事業は生産者から直接買い取りブランディング卸を行う仕入販売モデルも展開。2025年8月期の農家の直売所事業セグメント利益率は14.6%と高水準を維持する一方、産直事業は売上高2,696百万円に対しセグメント利益30百万円と薄利構造にある。
企業の強み
2025年8月期末時点で導入店舗数2,246店舗(前期末比140店舗増)、登録生産者数10,419名(前期末比107名増)を擁する。5年間で店舗数は1,774店舗から2,246店舗へ拡大しており、参入障壁の高い全国規模の農産物流通インフラを構築している。
2025年8月期の農家の直売所事業のセグメント利益は824百万円、利益率14.6%。委託販売システムは当社・スーパーとも在庫リスクを負わず手数料収入を得る構造のため、仕入販売モデルと比較して利益率が高く、事業の収益基盤として機能している。
2024年9月に株式会社NTTアグリテクノロジーと資本業務提携契約を締結。日本の食の安定供給や安全性の高い国産野菜の流通・拡大を目的とした連携であり、大手通信系アグリテック企業との協業により事業基盤の強化が図られている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期4,738百万円から2025期8,359百万円へ5期連続増収。営業利益は2023期に黒字転換後、2024期94百万円、2025期182百万円と改善基調にあったが、2026年8月期中間期(上半期)は売上高4,644百万円(前年同期比12.4%増)に対し営業損失17百万円と赤字転落。
販売費及び一般管理費が前年同期比295百万円増加したことが主因で、人材投資・AI需要予測システム開発等の先行費用が重荷となっている。外部要因として、少雨等の天候不順により青果価格はやや高めで推移したが、スーパーにおける青果物販売動向は食品全体を下回り、流通総額の伸びは3.7%増にとどまった。
通期予想は売上高8,500〜9,500百万円、営業利益300〜350百万円と据え置かれており、後半期での収益回復が前提となっている。
成長戦略
産直委託モデルの全国展開とAI需給調整プラットフォームの構築で流通総額最大化
農家の直売所事業の委託販売システムとブランディング卸を融合した産直委託モデルを展開。2026年8月期中間期には市場と協業したトライアルを推進。産直事業売上高は前年同期比20.4%増と高成長を実現しているが、利益率は1%未満に低下しており収益化が課題。
中期経営計画2025-2027に基づきAI需要予測システムの開発を推進中。需給コントロール精度の向上により廃棄ロス削減・収益性改善を目指す。2026年8月期中間期において開発投資が先行しており、無形固定資産が前事業年度末比2,552千円増加している。
2026年2月末時点で導入店舗数2,358店舗(前事業年度末比112店舗増)、登録生産者10,587名(同168名増)を達成。集荷場・加工物流センターの機能拡充により供給力強化を継続。前事業年度開設店舗の通年寄与が2026年8月期通期業績を押し上げる見込み。
和歌山・東海エリアでの出荷手数料改定、全国的なバーコードラベル代見直し等の利益率向上施策を継続実施。各種値上げ等のコスト増環境下でも利益確保できる収益構造の構築を目指す。農家の直売所事業のセグメント利益率は13.1%を維持。
最終更新: 2026年7月17日

