事業内容
日東製網株式会社は1910年創立の老舗漁網メーカーで、当社と子会社14社で構成されるグループ企業。漁業関連事業(売上高17,447百万円)では漁網製造・販売から水産物仕入販売・定置網漁業まで垂直統合型の事業を展開し、チリ・タイ・ペルーに海外現地法人を持つ。
陸上関連事業(売上高4,150百万円)では獣害防止ネット・スポーツ施設向けネット・農業用資材を手掛ける。主要顧客は国内外の漁業者・養殖業者・スポーツ施設・農業関係者で、東京・名古屋証券取引所に上場する業界リーダー的存在。
2024年2月には福山新工場が完成し、生産体制を強化している。
ビジネスモデル
漁業関連事業では自社製造した漁網・漁業資材を漁業者に販売するとともに、定置網漁業子会社による水産物の水揚・販売収益も取り込む垂直統合モデルを採用。陸上関連事業では株式会社泰東を通じてオリジナル製品の拡販と施工工事を組み合わせた高付加価値サービスを提供。
原材料費上昇局面では継続的な価格転嫁と適正在庫確保による短納期化で競争力を維持し、収益を確保する構造を持つ。
企業の強み
1910年創立から100年超にわたり漁網製造に特化し、無結節網・綟網・ロープ等の製造技術を継続的に深化。産官学連携による新素材漁網開発や漁網リサイクル研究を推進し、当連結会計年度の研究開発費は186百万円を投じている。業界基軸としての技術的優位性が参入障壁を形成している。
漁網製造・販売にとどまらず、定置網漁業子会社(株式会社温泉津定置・有限会社吉田漁業部・株式会社庄司政吉商店)を傘下に持ち、水揚高好調が利益に直結する構造を持つ。2025年4月期の漁業関連セグメント利益は384百万円(前期比16.5%増)と、垂直統合効果が業績に表れている。
チリ・タイに製造現地法人、ペルーに販売子会社を持ち、アジア向け旋網輸出も順調に推移。国内では陸上関連事業(売上高4,150百万円)が獣害防止ネット需要の構造的拡大を背景に前期比7.1%増収・セグメント利益前期比187.2%増と急成長し、漁業依存リスクを分散している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期18,373百万円→2026期22,104百万円と5期連続増収。ただし営業利益は2025期680百万円をピークに2026期554百万円へ18.5%減少。
原材料費・人件費の上昇と生産平準化の失敗が主因。経常利益・純利益は為替差益や外国税還付金等の営業外収益に支えられ増益となったが、本業の収益力は低下している。
2027年4月期は売上高22,500百万円(前期比1.8%増)、営業利益500百万円(同9.8%減)、経常利益450百万円(同53.3%減)、純利益300百万円(同55.9%減)と大幅減益を予想。外部要因として金利上昇・原材料価格高騰・米国通商政策の不確実性が引き続き業績の逆風となる見通し。
成長戦略
海外売上高30億円目標・高付加価値製品拡販・陸上関連強化の三本柱
旋網部門のアジア向け輸出が2026年4月期も順調に推移。チリ・タイ・ペルー等の既存拠点を活用しつつ、海外売上高30億円目標に向けた新規案件の具現化を推進。2026年4月期には連結範囲の変更を伴う子会社株式取得(収入63百万円)も実施。
獣害防止ネット・アスレチックネット等の施工工事受注が好調で、2026年4月期陸上関連売上高は4,315百万円(前期比4.0%増)。グループオリジナル製品の拡販による差別化と収益性向上を継続推進。人件費・材料費上昇によりセグメント利益は前期比18.4%減と課題も残る。
原材料費・人件費の上昇に対し継続的な価格改定を推進しているが、2026年4月期は生産の平準化を図れず営業利益が前期比18.5%減と目標未達。2027年4月期も仕入価格高騰・金利上昇によるコスト増加が見込まれており、生産効率改善が急務。
最終更新: 2026年7月17日

