事業内容
テルマー湯ホールディングス株式会社(旧エコナックホールディングス)は、東京都新宿区歌舞伎町の「テルマー湯 新宿店」と東京都港区西麻布の「テルマー湯 西麻布店」の2施設を中核とする温浴事業を展開する。温浴・飲食・マッサージ・宿泊サービスを一体提供し、インバウンド需要を含む幅広い顧客層を対象とする。
補完事業として西麻布所有ビルの不動産賃貸も行う。1926年創業の繊維メーカーを前身とし、2015年に温浴事業へ本格転換した異色の経歴を持つ。
ビジネスモデル
主力の温浴事業では、入館料を基本収益としつつ、飲食・マッサージ・宿泊(西麻布店)の付帯サービスで客単価を引き上げる複合収益構造を採る。2024年8月の新宿店入館料値上げに代表されるように、価格改定による客単価改善も収益拡大の手段として活用している。
不動産事業では西麻布所有ビルの住居部分賃貸により安定的なストック収益を確保する。
企業の強み
2021期に売上高599百万円・営業損失178百万円だった業績が、2025期には売上高1,981百万円・営業利益341百万円へと急拡大。長期累積損失を解消し、1969年3月期以来56年ぶりとなる期末配当を実施した。財務体質の健全化が数値で裏付けられている。
2025期の温浴セグメント売上高1,931百万円に対し営業利益473百万円、営業利益率24.5%を達成。西麻布店の開業初期費用消滅と新宿店の入館料値上げが利益率を押し上げた。サービス業として高い収益性が確認できる。
新宿歌舞伎町・西麻布という外国人観光客の集積する東京都心2拠点に展開。2025期は西麻布店の入館者数が前年同期比9.4%増加するなど、インバウンド需要の恩恵を直接享受している。周辺宿泊施設の価格上昇も西麻布店の宿泊需要を後押しした。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は2,694百万円(前期1,981百万円比+36.0%)と食品セグメント新規連結により大幅増収。一方、営業利益は307百万円と前期341百万円から34百万円減少(▲10.0%)。
当期純利益も160百万円(前期192百万円比▲16.7%)と減益。食品セグメントの赤字(△18百万円)とのれん償却費用が利益を圧迫した。
温浴セグメント単体は利益493百万円と堅調を維持。2022期の赤字(▲115百万円)から5期で急速に収益改善してきたが、2026期は増収減益となり利益成長は踊り場を迎えた。
外部要因としてインバウンド需要の継続が温浴事業を下支えしている。
成長戦略
温浴事業の深化・客単価向上とM&A・多角化による新収益源開拓の二軸戦略
入館料値上げ(2024年8月実施済み)に加え、リラックス&コワーキングラウンジ新設や季節フェア・イベント開催により新規顧客獲得と客単価向上を図る。インバウンド需要を取り込む施設体験の高付加価値化を継続推進。
2026年3月期に新規連結した食品セグメントは初年度セグメント損失△18百万円。のれん償却(20,522千円)を含む投資回収に向け、販売拡大とコスト効率化による早期黒字転換が課題。
温浴単一事業への依存リスク低減を目的に、M&Aを活用した新規事業領域への参入を推進。食品セグメント取得はその第一弾として実行済み。今後の追加M&Aや新規事業開発の動向が成長の鍵を握る。
最終更新: 2026年7月17日

