事業内容
株式会社三ツ知は1963年創業、冷間鍛造技術をコアとした自動車用カスタムファスナー(特注留め金具)の製造・販売を主事業とする。シート用部品・ウインドウレギュレーター用部品・ロック用部品・エンジン用部品など車体機能部品を幅広く手掛け、主要顧客は自動車部品一次メーカー。
国内3子会社(三ツ知製作所・三ツ知部品工業・創世エンジニアリング)に加え、タイ・米国・中国・インドに海外拠点を展開するグローバル体制を構築。東証スタンダード・名証メイン上場。
2025年6月期連結売上高は12,412百万円。
ビジネスモデル
得意先(自動車部品一次メーカー)の仕様に基づくカスタムファスナーを受注生産し、冷間鍛造の高速生産性・省材料・高強度という特性を活かして原価競争力を確保する。国内主力工場(三ツ知製作所・三ツ知部品工業)が生産の中核を担い、タイ・米国・中国・インドの海外拠点が現地調達ニーズに対応。
売上高の約67%を日本セグメントが占め、タイセグメント(売上高2,567百万円、営業利益率12.9%)がグループ収益を下支えする構造。
企業の強み
1974年に冷間鍛造加工を開始して以来50年超の技術蓄積を持ち、ISO9001・IATF16949等の品質認証を国内外拠点で取得。高速生産・省資源・高強度という冷間鍛造の特性を活かし、難加工品への技術挑戦を継続。
研究開発費は当連結会計年度23,416千円を計上し、水素配管コネクター等の新領域にも展開。
Thai Mitchi Corporation Ltd.は2025年6月期に売上高2,567百万円・営業利益332百万円・営業利益率12.9%を達成し、グループ唯一の安定黒字海外拠点。受注残高は前期比24.0%増の201,250千円と積み上がっており、大型設備投資による新規受注品の立ち上げも進行中。
2025年6月期末の自己資本比率は60.8%(前期60.7%)と高水準を維持。総資産15,858百万円に対し純資産9,647百万円。現金及び現金同等物は3,988百万円と潤沢な手元流動性を確保しており、中期経営計画に基づく設備投資・海外展開の財務的裏付けとなっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年6月期第3四半期累計(9ヶ月)の売上高は9,264百万円(前年同期比0.4%減)と横ばい推移が継続。過去5期の売上高は12,000〜13,800百万円のレンジで推移しており、成長軌道には乗れていない。
営業利益は48百万円(前年同期比59.1%減)と急減。売上原価率が83.3%(前年同期83.3%)と横ばいの一方、売上総利益の絶対額が減少し固定費を吸収しきれていない。
外部環境として、日本・東南アジアでの自動車生産台数の前年割れ、中国での日系メーカーシェア低下、関税措置・原材料価格上昇が収益を圧迫。一方、米国の底堅い生産台数と円安による為替換算効果がプラス寄与。
包括利益は819百万円(前年同期比93.8%増)と大幅増加しているが、これは為替換算調整勘定528百万円の増加によるものであり、事業実態の改善を示すものではない。
成長戦略
「ビジョン24」で2027年6月期売上高14,000百万円・営業利益率5.0%を目指す4軸戦略
タイ拠点での大型設備投資による新規受注品立ち上げ、米国での新規基軸商権獲得、2025年6月設立のインド子会社の本格稼働準備を推進。タイは前年同期比10.2%増収・20.3%増益と成果が出ているが、米国は増収にもかかわらず営業損失が拡大しており改善が急務。
消耗工具費低減・人時生産性向上等の原価低減活動と製造経費合理化を推進。販売費及び一般管理費は前年同期の1,437百万円から1,403百万円へ削減されているが、売上総利益の減少幅(105百万円減)を補うには至らず、営業利益は大幅減少。
自社開発特殊ファスナー「クイックシリーズ」の用途拡大と非自動車用部品の新規顧客獲得を推進。ただし当第3四半期累計の非自動車用部品売上高は1,387百万円(前年同期比13.3%減)と減少しており、自動車用部品(同2.3%増)との対比で苦戦が続いている。
新基幹システム稼働によるDX推進と間接業務合理化を推進中。販管費の削減(前年同期比34百万円減)に一定の効果が見られるが、事業規模に対する効果の定量的な把握は現時点では困難。
最終更新: 2026年7月17日

