事業内容
株式会社ケー・エフ・シーは1965年に日本初のあと施工アンカー専門企業として設立され、2025年3月に創業60周年を迎えた。ファスナー事業(あと施工アンカー販売・耐震工事)、土木資材事業(トンネル掘削資材販売)、建設事業(トンネル内装・リニューアル工事・コンクリート構造物補修補強工事)の3セグメントで構成される。
主要顧客は高速道路会社(NEXCO各社)・地方自治体・鉄道事業者等の公共機関に加え、民間施設オーナーにも広がる。連結子会社アールシーアイ株式会社が耐震補強工事を担い、中国現地法人がトンネル支保材を製造する。
売上高25,548百万円(2026年3月期)のうち完成工事高が約61%を占め、商品販売と施工の両輪で収益を得る。
ビジネスモデル
独自工法(せん断補強RMA工法等)や特殊ロックボルト・防水シートなど高付加価値製品を技術提案型営業で販売する商品売上と、トンネル補修・耐震補強等の元請工事受注による完成工事高の二本柱で収益を構成する。開発から製造・施工まで一貫して手掛けるナレッジを蓄積し、競合が模倣困難な専門技術を武器に公共インフラ維持管理市場での受注を継続的に獲得する。
企業の強み
1965年創業以来、あと施工アンカー・NATMロックボルト・トンネル補修工法を継続開発し、せん断補強RMA工法の建設技術審査証明取得・更新や、STマイクロパイル工法の累計施工延長9万m超など、競合が短期間で模倣困難な施工実績と知的財産を蓄積している。
NEXCO東日本・中日本・西日本、JR東日本、大阪市高速電気軌道等の大手インフラ事業者から複数年にわたる大型工事を継続受注しており、2026年3月期末の手持工事高は8,004百万円(完成予定2028年以降の案件を含む)。官公庁向け完成工事高が全体の約69%を占め、安定した受注基盤を形成している。
技術部・開発営業部を中心に研究開発費119,690千円(2026年3月期)を投じ、ファスナー・土木資材・建設の3事業横断で新製品・新工法を開発。製品販売と施工の両面でソリューションを提供できる体制が、技術提案型営業の差別化要因となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期22,627百万円を底に2025年3月期26,073百万円まで回復したが、2026年3月期は25,548百万円と再び減少。営業利益は2022年3月期2,489百万円をピークに低下が続き、2026年3月期は1,080百万円と5期で最低水準。
外部要因として建設資材価格・エネルギーコストの高止まりと労務費上昇がコスト構造を圧迫している。商品売上高が前期比7.8%減の9,959百万円と落ち込む一方、完成工事高は前期比2.1%増の15,589百万円と施工部門が下支え。
営業CFは592百万円の黒字に転換し、現金及び現金同等物期末残高は4,951百万円に増加した。
成長戦略
DX・人的資本経営・成長投資の三本柱で中期計画最終年度の業績V字回復を目指す
「ケー・エフ・シーグループ中期経営計画〈2025年3月期-2027年3月期〉」の最終年度として、2027年3月期に連結売上高27,000百万円・営業利益1,500百万円・経常利益1,600百万円の達成を目指す。2026年3月期実績は計画に対して遅れが生じており、最終年度での大幅回復が必要。
建設業界のデジタルトランスフォーメーション進展を背景に、社内業務のDX化を推進し生産性向上と組織力強化を図る。ソフトウェア投資(2026年3月期残高209百万円)を継続しつつ、現場施工管理・受注管理の効率化を通じてコスト構造の改善を目指す。
賃金上昇・労働力不足という外部環境の変化に対応するため、人的資本経営を強化し優秀な技術者・技能労働者の確保・育成を推進。同時に設備投資・研究開発・新規事業への成長投資を拡大し、資本効率の向上と中長期的な企業価値向上を図る。
最終更新: 2026年7月19日

