事業内容
株式会社北紡(旧・北日本紡績)は1948年創業の繊維メーカーを母体とし、紡績・テキスタイル・ヘルスケア・リサイクル・クリプトマネジメント・モビリティの6事業を展開する多角化グループである。主力の紡績事業ではアラミド繊維等の合繊紡績糸を製造し、帝人㈱(売上高の14.0%)を主要顧客とする。
テキスタイル事業では中東向け民族衣装用生地を輸出し、GEEDEEKAY INTERNATIONAL(同17.7%)が最大顧客。ヘルスケア事業では衛生用品・健康食品・防犯防災システムを手掛け、リサイクル事業では静岡県掛川工場でプラスチック廃材を再生資材として販売する。
2025年7月に商号変更、2026年3月にはモビリティ事業(ハイヤー・タクシー)を新たに連結子会社化し、事業領域を拡大している。
ビジネスモデル
紡績・リサイクルは自社工場での製造販売、テキスタイルは国内仕入・海外販売の商社機能、ヘルスケアは製品販売とシステム販売の複合型、クリプトマネジメントはビットコイン保有による資産運用、モビリティは旅客運送サービスと、各事業で異なる収益構造を持つ。資金調達は新株予約権行使(2025年5月〜2026年3月に259百万円の払込)を主軸とした自己資本調達を基本とし、短期運転資金は当座貸越契約で補完する。
企業の強み
テキスタイル事業は2026年3月期に売上高687百万円、営業利益83百万円、営業利益率12.1%を達成した。最大顧客GEEDEEKAY INTERNATIONALとの取引は前期260百万円から当期280百万円へ拡大しており、中東向け民族衣装用生地という特定市場での顧客基盤が収益の柱となっている。
ヘルスケア事業は2026年3月期に売上高321百万円(前期比47.9%増)、営業利益34百万円(前期比441.7%増)を達成した。防犯・防災セキュリティー管理システムが北陸・新潟地区で順調に拡販され、南九州エリアへの新規展開準備も進行中であり、自社の販売網拡大が成長を牽引している。
リサイクル事業は2026年3月期に売上高252百万円(前期比7.2%増)、営業利益26百万円を計上し、前期の営業損失20百万円から黒字転換を果たした。掛川工場における生産量の安定化によるコストダウンが主因であり、自社製造拠点の運営改善が収益改善に直結した実績として確認できる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は1,506百万円(前期比△7.6%)と5期ぶりの減収となった。主因はクリプトマネジメント事業における暗号資産評価損△79百万円の売上高計上と、テキスタイル事業の中東情勢・競合激化による減収(△12.7%)である。
営業損失は137百万円(前期49百万円)に拡大し、第96期から続く連続営業赤字は6期目に突入した。一方、ヘルスケア事業(+47.9%)・リサイクル事業(+7.2%)は増収かつ黒字化・大幅改善を達成しており、既存製造事業の収益改善傾向は継続している。
2027年3月期は売上高2,862百万円・営業利益46百万円の黒字転換を予想しており、Vリムジン連結効果が主な増収要因となる見込みである。
成長戦略
中期経営計画(2025〜2027年3月期)の下、既存6事業の黒字化とモビリティ新事業の収益化を目指す
徹底した人員再配置・加工費の価格転嫁を実施し、官需用等の高付加価値分野(防護衣料向け)への生産転換を推進。当期は防護衣料用途の大口品番終了により生産量が前期比20.2%減少し営業損失3百万円となったが、高級インナー向けは+15.1%増と堅調。
中東市場の需要動向を見極めつつ販売価格への転嫁を進め、グレード及び加工場の多様化により利益最大化を図る。来期に向けた受注は堅調に推移しており、主要顧客GEEDEEKAY INTERNATIONALとの取引は前期261百万円から当期280百万円に拡大した。
北陸・新潟地区を中心に防犯防災セキュリティー管理システムの販売が順調に推移。南九州エリアへの営業開始準備を進め、一時的な販管費増加を伴いながらも全体として概ね予算を達成。次期は防犯カメラを中心とした製品の拡販により売上・収益の拡大を目指す。
掛川工場の生産量安定化によるコストダウンが奏功し、当期は前期の営業損失20百万円から営業利益26百万円へ黒字転換を達成。廃プラスチックの仕入拡大および国内出荷を中心とした販売強化により、収益基盤の維持・拡大に取り組む。
第2四半期よりビットコインの取得を開始し、長期的な資産形成・トレジャリー運用の一環として中長期保有を基本方針とする。当期はビットコイン価格の第3四半期以降の下落により評価損が発生し、売上高△79百万円・営業損失88百万円を計上。次期は市場環境を踏まえた追加取得を検討する。
2026年3月3日付で株式交付によりVリムジン(ハイヤー・タクシー運送)の株式51%を取得し連結子会社化。期末日みなし取得のため当期損益への影響はなく、のれん208百万円を計上。2027年3月期より損益貢献が開始し、既存事業とのシナジー創出および収益基盤の拡大を図る。
最終更新: 2026年7月19日

