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帝人株式会社

3401東証プライム繊維製品

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帝人株式会社3401

事業内容

帝人グループは1918年創業の総合素材・ヘルスケア企業で、子会社105社・関連会社等21社を擁する。事業はアラミド繊維・炭素繊維・ポリカーボネート樹脂・複合成形材料を手掛けるマテリアル事業、ポリエステル繊維を中心とした衣料・産業資材の繊維・製品事業、在宅医療機器レンタルと医薬品を軸とするヘルスケア事業の3セグメントで構成される。

グローバルに日米欧中アジアへ展開し、防衛・航空・自動車・医療など多様な最終市場に素材・製品・サービスを提供している。2026年4月には顧客起点型ビジネスへの転換を図るべく、セグメントを「アパレル&インダストリーズ」「ヘルスケア&ライフソリューションズ」「エレクトロニクス&エナジー」「スペシャリティマテリアルズ」の4区分に再編した。

ビジネスモデル

マテリアル事業では自社製造の高機能素材を産業顧客へ販売する製品販売モデルが中心。繊維・製品事業では素材開発から製品販売まで垂直統合したサプライチェーンで衣料・産業資材を提供する。

ヘルスケア事業では在宅医療機器(CPAP・酸素濃縮装置)のレンタル収益という安定的なストック型収益と、医薬品の製造販売・ライセンス対価収入を組み合わせる。2026年度以降は「顧客起点型ビジネス」として自社素材に拘らず外部素材・加工・サービスも組み合わせる「クミアワセ」モデルへの転換を推進している。

企業の強み

ヘルスケア事業の売上収益138,558百万円に対し事業利益13,427百万円(利益率9.7%)を確保。CPAP・HOT機器のレンタル台数が継続増加しており、2025年度事業利益は前期比136.0%増の13,400百万円超を達成。

レンタルモデルは解約率が低く、検査数増加に連動した新規処方件数拡大が継続的な台数積み上げを支えている。

繊維・製品事業は売上収益350,068百万円、事業利益17,095百万円(ROIC8%)を計上し、グループ最大の利益貢献セグメント。素材開発から製品販売まで垂直統合したサプライチェーンを保有し、北米・中国向け衣料品や水処理フィルター向けポリエステル短繊維など多様な最終用途に対応。

マクロ環境の変動下でも売上収益の前期比減少率は0.5%にとどまり、収益安定性が高い。

パラアラミド繊維「トワロン」「テクノーラ」は防弾防護・海底ケーブル・洋上風力ロープ等の高付加価値用途に採用実績を持つ。炭素繊維「テナックス」は次世代航空機向け中間材料開発を推進し、ISCC PLUS認証に基づく環境配慮型ブランド「Tenax Next」も展開。

Tire Technology Expo 2026でのInnovation Award受賞など技術力の外部評価も取得している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の減損損失は88,940百万円(前期95,215百万円)と2期連続で大規模な資産毀損が発生。親会社帰属当期損失は88,003百万円に拡大し、ROEは△22.1%、1株当たり純資産は2,238.40円から1,889.22円へ低下した。

利益剰余金も231,726百万円から138,509百万円へ急減しており、財務体質の悪化は明確。一方、減損処理の完了により将来の償却費負担が軽減される点は、事業利益ベースの回復を下支えする要因となりうる。

2026年3月期の事業利益は25,781百万円(前期27,594百万円)と小幅減益にとどまり、営業損失(△70,714百万円)との乖離は減損・特別退職金等の非経常項目が主因。2027年3月期の会社予想は売上収益850,000百万円(前期比△2.7%)、事業利益30,000百万円(同+16.4%)、親会社帰属当期利益45,000百万円と大幅黒字転換を見込む。

後発事象として2027年3月期第1四半期にデュポン帝人アドバンスドペーパー株式の売却益約45,500百万円の計上が予定されており、当期利益予想の達成可能性を高める要因となっている。

帝人ナカシマメディカル・TAT北米事業の売却完了、2026年4月の4セグメント体制への移行、中期経営計画2026-2028の策定と、事業ポートフォリオ再編は着実に進捗している。しかしアラミド事業では欧州自動車市場の回復遅れ・光ファイバー向け価格競争の激化、炭素繊維事業では航空機サプライチェーン制約・産業用途の需給軟化が継続しており、外部環境の改善なしにはスペシャリティマテリアルズセグメントの収益回復は限定的となるリスクがある。

ROICは2026年3月期実績2.6%に対し2027年3月期目標3%と依然低水準であり、資本コストとの乖離解消には時間を要する見通し。

成長戦略

構造改革効果の発現と顧客起点型ビジネスへの転換で2027年3月期黒字回帰を目指す

トワロン事業では大型定修影響の解消と減損処理完了による償却費減少効果を活用しつつ、コスト削減を推進。炭素繊維事業では米国製造拠点の一時休止を含むグローバル生産体制の見直しにより固定費を削減し、収益安定化を図る。

スペシャリティマテリアルズセグメントの2027年3月期事業利益目標は30百万円(暫定値)。

中期経営計画2026-2028に基づき、ヘルスケアセグメントを希少疾患・難病領域に絞り込む方針を推進。2型糖尿病治療剤の販売権減損処理完了により償却費負担が軽減。2025年11月上市の「ヨビパス」(副甲状腺機能低下症治療剤)の販売拡大と在宅医療機器レンタル台数の継続増加で収益基盤を強化する。

2026年4月1日付の組織再編により、従来の3セグメントからアパレル&インダストリーズ・ヘルスケア&ライフソリューションズ・エレクトロニクス&エナジー・スペシャリティマテリアルズの4セグメントへ移行。顧客起点型ビジネスの深化と素材型ビジネスの顧客・用途起点への変革を推進し、ROIC経営の徹底を通じて資本効率の改善を図る。

2026年4月1日付でDuPontとの共同支配企業(デュポン帝人アドバンスドペーパー株式会社・DuPont Teijin Advanced Papers (Asia) Limited)の全株式をDuPontに譲渡完了。2027年3月期第1四半期に関係会社株式売却益として約45,500百万円を計上予定であり、2027年3月期の親会社帰属当期利益45,000百万円予想の達成を支える。

持続的な成長と企業価値最大化を目的として、帝人フロンティア(株)と旭化成アドバンス(株)との経営統合の準備を進めている。統合により規模拡大・シナジー創出を図り、アパレル&インダストリーズセグメントの競争力強化を目指す。2027年3月期の同セグメント事業利益目標は190百万円(暫定値)。

最終更新: 2026年7月19日