ビットコイン価格変動リスク
ビットコイン価格は需給・マクロ経済・規制動向等により大きく変動し、中長期的な下落局面では保有ビットコインの評価額が減少する。日本GAAPでは暗号資産を時価評価し評価差額を当期損益に計上するため、事業が順調でも期末価格次第で多額の評価損益が発生し経営成績が大きく変動する。当社グループはボラティリティを前提とした資金調達・ビットコイン・インカム事業を展開しているが、価格下落が長期化した場合は成長戦略・資金調達計画の遂行に支障が生じる可能性がある。
mNAVプレミアム消失リスク
当社グループの戦略は時価総額がビットコイン時価総額を上回る「mNAVプレミアム」を維持し、そのプレミアムを活用した株式等による資金調達でBTC Yieldを向上させることを前提とする。暗号資産・株式市場の変動や市場評価の低下によりmNAVが1倍を下回った場合、資金調達やビットコイン取得の最適タイミング・手法の再検討が必要となり、保有量拡大計画に遅延が生じるおそれがある。資金調達手段の多様化(優先株式・借入等)や情報開示の充実で対応しているが、プレミアムの安定的維持を保証するものではない。
株式希薄化・調達環境悪化リスク
当社グループはビットコイン取得資金調達のためMSワラント(行使価額修正条項付新株予約権)や普通株式の発行を機動的に行う方針であり、株価下落局面でも権利行使が進行し既存株主の持分比率・1株当たり価値が希薄化するリスクがある。また、株式市場環境の悪化や投資家のリスク許容度低下によりMSワラントの行使が想定どおり進まない場合、ビットコイン取得の実行時期・規模に制約が生じ成長戦略の遂行に影響する。1株当たりビットコイン保有量の向上により希薄化を上回る効果を志向しているが、その実現は市場環境に左右される。
BTC担保借入の強制清算リスク
当社グループはビットコインを担保としたクレジット・ファシリティ契約を活用しており、担保価値に対して一定余力を確保したLTVを維持することでリスク管理を行っている。しかし、想定を超える急激な価格下落により担保価値が契約水準を下回った場合、追加担保(マージンコール)の要求または担保資産の強制売却が発生し、意図しないタイミングでビットコイン保有量が減少する可能性がある。これは長期保有を前提としたトレジャリー戦略および財務状態に直接的な影響を及ぼすおそれがある。
カストディ・セキュリティリスク
保有ビットコインの大部分は機関投資家向けカストディアンのコールドウォレット等で管理しているが、カストディアンが経営破綻した場合は預託資産が破産財団に組み入れられ回収不能となるリスクがある。また、ハッキング・不正アクセス・内部不正等による盗難・滅失が発生した場合、保険補償は限定的であり全額補填されない可能性がある。当社グループは複数カストディアンによる分散保管・マルチシグネチャ・外部専門家によるセキュリティ評価等の対策を講じているが、リスクの完全排除は困難である。
オプション取引の損失リスク
当社グループはビットコイン・インカム事業としてプットオプション・コールオプションの売り戦略を活用しプレミアム収入を獲得しているが、価格急落時には市場価格を上回る水準でのビットコイン取得義務が発生し、価格急騰時には現物保有で得られたはずの利益の機会損失が生じる。また、取引期間中は現金またはビットコインが担保として拘束されるため、市場急変時の資金運用柔軟性が低下する。運用規模をビットコインNAVの概ね5%程度に限定する内部方針を設けているが、大幅な価格変動時には想定収益の未達または損失が発生する可能性がある。
暗号資産税制・法人税リスク
2024年度税制改正により、一定の譲渡制限要件(技術的な移転防止措置等)を満たす法人保有の暗号資産は期末時価評価課税の対象外とされ、当社グループは現在当該要件を満たすよう運用している。しかし、将来の税制改正・解釈変更または税務当局の判断により要件を満たさないと判断された場合、保有ビットコインの含み益に対して多額の法人税等の納付義務が発生しキャッシュ・フローや財政状態に重大な影響を及ぼす可能性がある。また、個人投資家向け暗号資産所得の20%分離課税導入により、株式経由でのビットコインエクスポージャー取得の優位性が低下し、当社株式のバリュエーションや資金調達条件に影響が生じるおそれもある。
米国・日本の規制環境変化リスク
米国においてビットコインが証券として再分類された場合、または当社グループが米国投資会社法上の投資会社に該当すると判断された場合、登録義務の発生や事業活動への各種制約が課される可能性がある。日本国内でも資金決済法から金融商品取引法への規制体系見直しが議論されており、カストディ業務やデリバティブ取引への規制強化が実現した場合は新たな許認可取得・業務変更・内部管理体制整備が必要となりコンプライアンスコストが増加する。これらの規制変化は事業活動・財政状態・経営成績に広範な影響を及ぼすおそれがある。
特定経営陣への依存リスク
ビットコイン戦略およびデリバティブ取引の運用は、代表取締役社長サイモン・ゲロヴィッチおよびビットコイン戦略責任者ディラン・ルクレールをはじめとする特定の経営陣・主要人材の専門知識・経験・判断に大きく依存している。これらのキーパーソンが病気・退職等により不在となった場合、機動的な意思決定や戦略遂行に支障が生じる可能性がある。知見の組織内共有・人材育成・体制強化に取り組んでいるが、これらの施策が十分に機能する保証はない。
金利上昇・円高による影響リスク
日本銀行は2024年以降マイナス金利政策を解除し政策金利を引き上げており、2025年12月時点で政策金利は0.75%となっている。さらなる利上げが行われた場合、円建て資金調達コストが上昇し収益性に影響するとともに、円高進行によりビットコインの円建て評価額が減少し財政状態・資本政策・市場評価に影響を及ぼす可能性がある。また、ビットコインを財務戦略の中核に据える企業が増加する中、より潤沢な資本力を持つ競合の参入により追加取得競争が激化し、当社グループが想定するペース・条件でのビットコイン調達に制約が生じるおそれもある。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月24日

