事業内容
日本毛織株式会社(ニッケグループ)は1896年創業の老舗繊維メーカーを母体とし、現在は連結子会社57社・持分法適用関連会社3社を擁する多角化企業グループ。事業は「衣料繊維」「産業機材」「人とみらい開発」「生活流通」の4セグメントに加え、メディカル分野を育成中。
衣料繊維では毛糸・毛織物・ユニフォーム素材を製造販売し、産業機材では不織布・ラケットスポーツ用品・FA設備を展開。人とみらい開発ではショッピングセンター運営・不動産賃貸・介護保育を手掛け、生活流通では毛布・家電・EC販売を行う。
主要顧客は学校・官公庁・自動車メーカー・小売業者・一般消費者と幅広い。
ビジネスモデル
衣料繊維事業では素材製造から販売まで垂直統合し、産業機材事業ではM&Aで不織布・FA設備分野を拡充して規模拡大を図る。人とみらい開発事業は自社保有不動産の賃貸・商業施設運営で安定的な高利益率収益(営業利益率25.4%)を確保。
生活流通事業はSPAモデルとECチャネルを組み合わせ消費者向け収益を獲得。4事業の相互補完により、特定事業の不調を他事業でカバーする構造が5期連続増収増益を支えている。
企業の強み
2025年度の売上高は119,377百万円(前期比3.4%増)、営業利益11,913百万円(前期比2.3%増)、経常利益12,967百万円・当期純利益9,090百万円はいずれも過去最高値を更新。2021年度から5期連続で増収増益を達成しており、グループ全体の収益力の強靭さを示している。
人とみらい開発事業は売上高26,679百万円に対し営業利益6,772百万円と営業利益率25.4%を誇る高収益セグメント。自社保有の商業施設(ニッケコルトンプラザ・ニッケパークタウン等)や賃貸不動産が安定収益を生み出し、2025年1月竣工の八重洲通フィルテラス(ZEB Ready・ZEH認証取得)が次期以降の収益貢献を見込む。
呉羽テック㈱(2024年8月グループ化)・㈱カンキョーテクノ(2024年4月グループ化)の通期連結寄与により、産業機材事業の売上高は前期比14.1%増の35,177百万円、営業利益は前期比45.8%増の2,875百万円に拡大。さらに㈱カコテクノス(2025年10月グループ化)でFA・機材分野を強化した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年11月期中間期(2025年12月〜2026年5月)は売上高59,710百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益5,590百万円(同13.6%増)、経常利益6,158百万円(同12.8%増)、親会社株主帰属中間純利益4,512百万円(同27.4%増)。売上高の伸びは緩やかながら、利益率は大幅に改善。
産業機材事業のカコテクノス連結化と人とみらい開発事業の不動産新規物件寄与が利益成長を牽引した。衣料繊維事業はスクールユニフォーム流通在庫過多という業界固有の外部要因で低調。
包括利益は9,535百万円(前年同期比127.1%増)と大幅増加し、投資有価証券評価差額金の増加4,830百万円が寄与。通期予想(売上高130,000百万円・営業利益13,000百万円)は2026年1月公表値から変更なし。
過去5期の年間業績は2021期売上高106,619百万円・営業利益9,900百万円から2025期119,377百万円・11,913百万円へ一貫して拡大しており、2026期通期予想130,000百万円・13,000百万円が実現すれば6期連続増収増益となる。
成長戦略
M&A・不動産再開発・EC強化・海外拡販を4事業横断で推進し、RN130ビジョン最終年度の過去最高益更新を目指す
㈱カコテクノス・サンテック㈱を第1四半期より連結化し、FA設備・機材分野の売上・利益に貢献。中間期の産業機材事業売上高は前年同期比11.6%増の19,623百万円を達成。下期は通期連結寄与が本格化し、さらなる規模拡大が期待される。
2025年竣工の「八重洲通フィルテラス(東京都中央区)」「SEAVE夙川(兵庫県西宮市)」が中間期より賃貸収益に本格寄与。竣工に伴う開業経費が当期は発生せず、増収増益に貢献。高い入居率を維持し安定収益を確保している。
中長期ビジョン「RN130ビジョン」最終フェーズの最終年度として、過去最高の売上高・各利益の更新を目標に掲げる。通期予想は売上高130,000百万円(前期比8.9%増)・営業利益13,000百万円(同9.1%増)・当期純利益9,500百万円(同4.5%増)で据え置き。
中間期進捗率は売上高45.9%・営業利益43.0%。
前期から続くスクールユニフォーム流通在庫過多の影響により中間期の衣料繊維事業営業利益は前年同期比36.8%減の280百万円と低調。欧米向けテキスタイルや官公庁制服用素材の好調を活かしつつ、流通在庫の正常化による下期回復を目指す。
2026年11月期中間期に自己株式取得3,956百万円を実施(前年同期比大幅増)。中間配当は18円(前年同期17円)に増配し、通期配当予想は50円(前期47円)。1株当たり純資産は2,078.78円と着実に増加しており、資本効率改善への取り組みを継続している。
最終更新: 2026年7月17日

