事業内容
株式会社ANAPホールディングスは、1992年創業のカジュアルアパレルブランド「ANAP」を源流とし、2025年4月に持株会社体制へ移行した東証スタンダード上場企業。現在は①店舗・卸売販売・ライセンス事業(全国27直営店)、②インターネット販売事業(ANAPオンラインショップ)、③エステティック・リラックスサロン事業(ビューティー・リラクゼーション)、④投資関連事業(ビットコイントレジャリー)の4セグメントを展開。
主要顧客層は10代〜20代後半の女性を中心とするが、ビットコイン事業への大規模資本投下により事業ポートフォリオは急速に変容しつつある。2024年7月に事業再生ADRが成立し、財務再建を経て新経営体制のもとで事業転換を推進中。
ビジネスモデル
アパレル事業では直営店舗販売・卸売・ライセンスロイヤリティ・自社ECの4チャネルで収益を得る。エステ・リラックスサロン事業は前受モデルからサブスクモデルへ転換中。
投資関連事業は子会社ANAPライトニングキャピタルがビットコインを取得・保有し、評価益を営業外損益に計上する構造。2025年8月期末時点で1,017BTC(時価評価益1,218百万円)を保有し、資産の大半(流動資産17,952百万円中16,252百万円)を暗号資産が占める。
企業の強み
2024年7月に事業再生ADRが成立し、同年10月に全取引金融機関への残債務弁済を完了。債務免除益1,399百万円を計上し、新株式・新株予約権の払込みにより2025年8月期末の純資産は12,644百万円となり、債務超過を解消した。
1992年創業・1993年ANAP原宿1号店出店以来、ANAP・ANAP KIDS・ANAP GiRL・BASICKSの複数ブランドを展開。2025年8月期末時点で全国27直営店を維持し、原宿旗艦店から郊外大型ショッピングモールまで多様な立地に展開している。
2025年8月期末時点で1,017BTCを保有し、時価評価益1,218百万円を計上。流動資産18,319百万円のうち暗号資産が16,252百万円を占め、ビットコイン相場上昇局面では財務指標に大きく寄与する資産基盤を構築している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年8月期第3四半期累計(2025年9月〜2026年5月)の売上高は1,703百万円(前年同期比67.3%増)と回復基調にあるが、売上原価率が82.4%(前年同期40.1%)に急上昇し売上総利益は300百万円にとどまった。販管費2,013百万円が売上高を上回り営業損失1,713百万円。
さらに外部要因であるビットコイン相場の下落により暗号資産評価損5,586百万円が発生し経常損失7,475百万円、純損失7,765百万円に拡大。過去5期の財務推移(2021期〜2025期)を通じて一貫して営業損失が継続しており、2020年8月期以降6期連続の営業損失・経常損失・純損失となっている。
成長戦略
ビットコインエコシステム構築と既存アパレル・サロン事業のリブランディングによる事業ポートフォリオ転換
ブランド顧客の年齢層・嗜好性に合わせたリブランディングを推進。新ブランド展開の効果で店舗・卸売売上高は前年同期比38.2%増の1,029百万円を達成。商品原価率の見直しと海外直接仕入れ増加による売上総利益改善を図るが、広告宣伝費増加によりセグメント損失は前年同期並みの304百万円にとどまっている。
自社サイト及び収益性の高い他社サイトへの集中施策によりEC売上高は前年同期比92.9%増の272百万円を達成。SNSを活用した広告手法強化とECシステムの全面見直しによる顧客体験向上を推進中。ただし広告宣伝費増加によりセグメント損失は98百万円(前年同期54百万円)に拡大している。
株式会社ARF・AELが運営する美容サロン事業は売上高406百万円(前年同期比210.2%増)と拡大したが、事業継承の不安定化と広告宣伝費負担によりセグメント損失は562百万円に急拡大。不採算店舗閉鎖に伴う減損損失48百万円を事業再編損に計上しており、収益化は実施途上。
株式会社ANAPライトニングキャピタルを通じたビットコイン保有・運用を推進。極度貸付契約の借入限度額を9,000百万円から10,000百万円に拡大し、新たにM&A資金枠3,000百万円の極度貸付契約を締結(2026年6月18日)。
2026年5月末時点の暗号資産残高は16,177百万円。ただし当四半期に評価損5,586百万円を計上しており、相場変動リスクが顕在化している。
2026年7月10日付で第10回新株予約権(17,762個、対象株式1,776,200株、行使価額119円/株)を発行。当社取締役4名・従業員22名、子会社取締役2名・従業員97名の計125名を対象とした税制適格ストック・オプション。
行使期間は2028年7月〜2036年7月。グループ全体の人材定着と業績向上へのインセンティブ付与を目的とする。
最終更新: 2026年7月17日

