業界構造の変容
百貨店事業を主力とする当社グループは、EC台頭・他業態参入・消費マーケット縮小・固定費増加など業界構造の根本的な変容に直面しており、従来のビジネスモデルの継続のみでは収益の維持・拡大が困難な状況にある。適切に対応できない場合、業績悪化や固定資産の減損など会計・税務上のリスクが生じる恐れがある。対応策として、デベロッパー事業への先行投資、M&Aや事業継承ファンド・CVCを活用した事業ポートフォリオの組み換えを推進している。
人財獲得競争の激化
労働力人口の減少と人財流動性の高まりにより、優秀人財の獲得競争が激化しており、人財の質・量の継続的確保が困難になるリスクがある。人財獲得競争での劣後や優秀人財の流出は、事業戦略の推進やイノベーション創出を阻害し、従業員のモチベーション低下にもつながる。対応策として、グループ共通の「人財マネジメントポリシー」を制定し、専門人財の採用強化(2024年207人)、女性管理職比率向上(2024年26.2%)、グループ内人財交流の活発化に取り組んでいる。
テクノロジー革新への対応
生成AIをはじめとするテクノロジー革新が業務のあり方を変えつつあり、新たなデジタル技術・サービスが生活者のライフスタイルや既存ビジネスモデルに影響を与えている。適切な対応ができない場合、事業変革の遅れやビジネス機会の喪失・業務効率の低下が生じる可能性がある。対応策として、2024年春にオリジナル生成AIチャットを導入し、XR・VRを活用した体験価値創出、「グループシステムフィロソフィー」に基づくシステムアーキテクチャの転換を推進している。
自然災害・疫病リスク
南海トラフ地震・首都圏直下地震などの巨大地震リスクの高まりに加え、異常気象による自然災害の頻度・規模の増大、および新たなパンデミック発生の可能性がある。これらが顕在化した場合、人的被害・事業活動の停止・サプライチェーンの分断・施設改修費用の発生など事業運営に重大な支障が生じる。対応策として、事業継続計画に基づく重要業務・インフラ確保体制の整備、定期的な訓練実施、「新型感染症対応マニュアル」に基づく対応体制を構築している。
環境課題への対応
地球温暖化・海洋汚染・生物多様性の喪失など環境問題の深刻化が長期にわたり事業活動に影響を与えており、対応を怠るとステークホルダーの離反や格付・ブランド力の低下を招くリスクがある。当社は2050年ネットゼロ実現に向け、省エネ徹底・再生可能エネルギー切り替え拡大(2030年目標75%、2040年目標90%)を推進するとともに、コメ兵社との合弁によるリユース事業参入やサーキュラー型ビジネスの拡大に取り組んでいる。
人権尊重リスクの高まり
欧州を中心とした人権デューデリジェンスに関する法整備の進展を背景に、強制労働・ハラスメント・長時間労働等の人権リスクへの対応が企業に求められており、対応を怠るとレピュテーション低下や不買運動による企業価値喪失の恐れがある。本リスクは当初「グループ年度リスク」に分類されていたが、影響度を鑑みて中期経営計画期間中に「グループ重要リスク」へ格上げされた。対応策として、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り人権デューデリジェンスを継続実施し、取引先へのアセスメントや従業員教育を推進している。
情報セキュリティ脅威
リモートワーク定着・クラウド利用拡大に伴いサイバー攻撃・不正アクセスの手法が多様化・高度化しており、多くの顧客情報・個人情報を保有する当社グループにとってサイバーリスクは深刻化している。重要情報の外部流出やサービスの大規模停止が発生した場合、社会的信用の失墜のほか業績・財務状況への影響が生じる可能性がある。対応策として、JFR-CSIRTの設置、多要素認証の拡大、セキュリティ型ネットワーク構築、全従業員向けe-ラーニング・標的型攻撃メール訓練の継続実施などを推進している。
経済動向の不安定さ
グローバルな経済状況・政策を背景に、為替・金利・株価などの不確実性が高まっており、特に金利上昇はデベロッパー事業に、為替変動はインバウンド消費に大きく影響する可能性がある。成長戦略推進に伴う大型投資局面では資金需要の増加により支払利息が増加する可能性があり、想定通りの資金調達ができない場合は事業ポートフォリオ改革の遅れや企業活動の縮小につながる恐れがある。対応策として、固定金利での長期調達比率を高める仕組みを導入し、新規調達局面では調達手段の適切な選択により金融費用の抑制に取り組んでいる。
少子高齢化・所得格差拡大
人口減少による国内消費人口の縮小、消費の主役のMZ世代への交代、世界的な所得格差の二極化進展により、従来ターゲットのボリューム層が減少し国内市場規模が縮小するリスクがある。対応策として、高質高揚消費層(MZ世代・富裕層・インバウンド等)への新たな価値提供を軸に、札幌・東京・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡の7重点エリアでグループシナジーを発揮し、百貨店・SC・デベロッパー・決済金融事業の基盤拡大を図っている。
地政学・地経学リスク
ウクライナ紛争をはじめとする地政学リスクの顕在化により、資源・食料・先端技術の自国囲い込みが進み、物価・サプライチェーン・消費者動向に影響を与えるリスクがある。海外赴任・出張者の安全確保や海外事業の安定運営が脅かされる可能性があり、インバウンド消費の急減など当社グループの収益にも影響が及ぶ恐れがある。対応策として、「海外安全対策マニュアル」に基づく海外危機管理体制の構築・強化、大丸松坂屋・大丸興業・パルコ等の海外拠点における事業継続計画の見直しを実施している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月23日

