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株式会社Synspective

290A東証グロース情報通信業

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株式会社Synspective290A

事業内容

株式会社Synspectiveは、政府主導のImPACTプログラムの技術成果を応用した独自の小型SAR衛星「StriX」を開発・製造・運用し、取得データの販売およびデータ解析ソリューションの提供を行う衛星データ事業の単一セグメント企業。SAR衛星は天候・昼夜を問わず観測可能な特性を持ち、防衛・安全保障・防災・インフラ管理等の官需を主要顧客とする。

2024年12月に東京証券取引所グロース市場に上場。2025年12月期時点で軌道上4機を商用運用中、Rocket Lab社(20機)・SpaceX社(5機)との打上げ契約計25機分を確保し、2028年以降の30機以上コンステレーション形成を目指す。

ビジネスモデル

衛星データ販売では、官公庁(内閣府・防衛省が売上高の85%超を占める)向けに撮像データをWebプラットフォーム経由で提供し、複数箇所の定点観測契約によるリカーリング収益を積み上げる。ソリューション提供では、地盤変動モニタリング・洪水被害分析・物体検知等の自動解析結果を解析単価ベースで提供し、民間企業への展開も図る。

衛星機数増加に伴う余剰データのソリューション活用により、高付加価値化と利益率向上を目指す構造。補助金収入(宇宙戦略基金等)も総収入の重要な柱となっている。

企業の強み

2024年7月、自社小型SAR衛星「StriX」シリーズにより日本最高分解能25cmのSAR画像取得に成功。ステアリングスポットライトモードで0.25m分解能と、ストリップマップモードで1,400平方キロメートルの広域撮像を同一衛星で切り替え可能とし、分解能と広域性を両立する技術的優位性を有する。

防衛省「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」(予算2,832百万円規模)を落札し、2026年2月にトライサット・コンステレーション及び三菱電機との業務委託契約を締結。宇宙戦略基金「商業衛星コンステレーション構築加速化」では支援予定上限額23,790百万円のうち16,464百万円が交付決定済。

受注残高は24,960百万円に達する。

神奈川県大和市に面積8,594.52㎡の量産工場「ヤマトテクノロジーセンター」を2024年9月より本格稼働。セーレン株式会社・東京計器株式会社との量産パートナーシップのもと、2026年12月期に年産最大12機の製造体制構築を見込む。設備投資総額は2025年12月期だけで11,620百万円に達する。

エンヴァリスの着眼点

2026年12月期第1四半期の売上高は697百万円(前年同期比38.7%減)、総収入は746百万円(同35.4%減)と大幅に落ち込んだ。前年同期に計上した防衛省「安全保障用途に適したSAR衛星の宇宙実証」が当期に寄与しないことが主因。

通期売上高予想6,353百万円(前期比167.3%増)の達成には、2026年4月開始の防衛省「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」が第2四半期以降に本格的に売上計上されることが不可欠であり、その進捗が最大の注目点となる。

2026年12月期第1四半期の営業損失は1,613百万円(前年同期は907百万円の損失)と大幅に悪化。売上原価は1,142百万円(前年同期比6.5%増)、販売費及び一般管理費は1,168百万円(同20.1%増)と、株式報酬費用・人件費・業務委託費の増加によりコスト構造が重くなっている。

売上高が大幅減少する中でコストが増加する構造は、量産体制構築フェーズにある先行投資の性格を持つが、通期黒字化(経常利益3,010百万円予想)に向けた後半の収益急回復シナリオの実現可能性を投資家は慎重に見極める必要がある。

2026年3月末時点の現金及び預金は19,989百万円(前期末比4,553百万円減少)。衛星部品購入・打上げ費用の前払いにより1四半期で大幅に減少した。

一方、借入未実行残高7,170百万円(当座貸越・コミットメントライン2,400百万円+タームローン未実行分)を確保しており、会社は少なくとも1年間の資金繰りに重要な懸念はないと判断している。ただし、年間最大12機の量産製造開始に伴い先行支出は今後さらに加速する見込みであり、間接金融の積極活用による資金調達基盤の整備が継続的な課題となる。

成長戦略

日本政府需要を起点に衛星機数を拡大し、量産体制確立・海外展開・民間ソリューションへ段階的に成長

トライサット(三菱電機・スカパーJSAT・三井物産設立)を通じた防衛省との業務委託契約(契約額96,073百万円)が2026年4月1日から画像データ取得業務を提供開始。第2四半期以降の売上急拡大の主要ドライバーとして機能する見込み。

従来の年間1〜2機製造から、年間最大12機程度の同時生産体制へ移行するための準備を推進中。人員採用・教育、製造体制整備、パートナー企業との連携を進め、段階的に量産規模を拡大する計画。

2026年3月に8機目を打上げ(機能検証中)、完了後は運用機数5機に拡大予定。Rocket Lab社19機・SpaceX社7機の打上げ契約計26機分を確保しており、2028年以降の30機超運用に向けて段階的に打上げを実施する。

宇宙戦略基金第1期「商業衛星コンステレーション構築加速化」(支援予定上限額23,790百万円)および第2期「次世代地球観測衛星に向けた観測機能高度化技術」(支援上限額3,768百万円)を活用し、技術開発と衛星製造を加速する。

国内官公庁向けデータ販売を基盤としつつ、各国政府とのチャネル構築・サンプルデータ提供を通じた海外展開、公共事業・ODA案件のパートナー企業との共同推進、民間向けソリューション拡充を並行して進める。

最終更新: 2026年7月17日