事業内容
はごろもフーズは1931年創業、静岡市に本社を置く食品メーカーで、「シーチキン」ブランドで知られるツナ缶詰を主力に、パスタ・レトルト食品・包装米飯・削りぶし・のり・ふりかけ・ペットフードなど幅広い加工食品を製造販売する。国内外約70か所の協力工場への製造委託を活用した多品種生産体制を持ち、主に卸売業者を経由して量販店等に販売する。
子会社セントラルサービスが物流業務を担い、インドネシアの関連会社PT.アネカ・ツナ・インドネシアがツナ製品の製造委託先となっている。家庭用食品が売上高の約81%を占め、一般消費者が主要顧客層である。
東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
自社工場(焼津・富士山パスタ等)と国内外約70か所の協力工場を組み合わせた製造委託モデルにより、多品種の加工食品を安定供給する。販売は伊藤忠商事(売上比32.0%)・三菱商事(16.3%)・三井物産(14.9%)の大手商社3社経由が売上の約63%を占める卸売中心の流通構造。
シーチキンブランドのテレビCM・動画配信を通じた需要喚起と価格改定の定着により売上総利益率を改善し、受取配当金等の営業外収益も経常利益に貢献する収益構造を持つ。
企業の強み
1958年に商標登録した「シーチキン」は油漬缶詰カテゴリーの代名詞的ブランドであり、主力の「シーチキンLフレーク」「シーチキンマイルド」が継続して好調な販売を維持。中期経営計画では缶詰・レトルトパウチ分野でシェアNo.1獲得を目標に掲げており、ブランド資産が競合参入障壁として機能している。
国内外約70か所の協力工場への製造委託を活用することで、有形固定資産比率を他の食品製造業者より低水準に抑えつつ多品種生産を実現。自己資本比率61.8%、有利子負債残高5,137百万円と財務健全性も高く、設備投資3,651百万円を計画的に実行できる資本効率の高い事業構造を持つ。
個食化・簡便性ニーズに対応したパウチタイプ製品(シーチキンSmile、シャキッと!コーンパウチ、Home Cookingシリーズ等)が全カテゴリーで伸長。「天下無添ふりかけ」「のり弁慶ふりかけ」等の高付加価値製品も販売増加し、家庭用食品売上高は前期比2.1%増の60,817百万円となり、売上原価率の0.1ポイント低下に寄与した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期68,447百万円→2026年3月期75,078百万円と4期で9.7%増加。営業利益は2023年3月期に△1,134百万円の赤字に転落したが、価格改定の定着と販売奨励金削減(2026年3月期232百万円減)により2026年3月期は3,146百万円まで回復。
売上原価率は78.5%(前期78.6%)に改善し、売上高営業利益率は4.2%(前期3.8%)に向上。外部要因として物価上昇による消費二極化が続く中、家庭用食品(売上高60,817百万円、前期比2.1%増)が業務用食品(同6.5%減)の落ち込みを補った。
包括利益は8,890百万円(前期2,644百万円)と大幅増加したが、その他有価証券評価差額金5,661百万円の増加が主因であり、実力ベースの収益改善とは区別して評価する必要がある。
成長戦略
創業100周年(2031年)に向けブランド強化・パウチ化推進・設備投資・新事業育成の4軸で成長
「シーチキンで今日をおいしく」をテーマにテレビCM・動画配信と連動した販売促進を展開。サラダ・サンドイッチ・ディップ等の新たなメニュー提案でユーザー層拡大を図る。2026年3月期のツナ等カテゴリーは前期比3.6%増と成果が出ている。
「シーチキンSmile」「食塩不使用シーチキン」「シャキッと!コーンパウチ」「Home Cookingパウチ」等、個食化・簡便性・健康志向ニーズに対応した製品を複数カテゴリーで展開。売上総利益率の改善(21.5%)に貢献しており、SKU削減と新製品投入を並行推進。
2026年3月期の設備投資額は3,651百万円(前期974百万円から大幅増)。建設仮勘定が2,113百万円に積み上がっており、安全・安心な製品の安定供給体制構築を推進中。2027年3月期は減価償却費増加による営業利益減少を甘受しつつ将来の生産基盤を整備する。
スティックタイプ愛猫用おやつ「無一物舌福」をはじめとするペットフードが好調で、2026年3月期のペットフード・バイオ他カテゴリーは前期比1.9%増。既存事業の強みを活かした新事業の構築を中期経営計画の基本方針に掲げ、100周年以降の新たな収益柱の育成を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

