事業内容
ハウス食品グループ本社は持株会社体制のもと、連結子会社50社・関連会社4社を擁する総合食品グループ。主力の香辛・調味加工食品事業(売上高の約41.7%)ではカレールウ・スパイス製品を国内外に展開し、㈱壱番屋を核とする外食事業、ハウスウェルネスフーズによる健康食品事業、米国・中国・東南アジアを主軸とする海外食品事業を加えた5セグメントで構成される。
2026年3月期の連結売上高は316,977百万円。カレー・スパイスという独自の食文化を軸に、家庭用・業務用・外食・健康食品の多角的な事業ポートフォリオを持つ。
ビジネスモデル
グループ各社が製造・販売・外食・物流を分担する垂直統合型モデル。家庭用カレールウ等の製造販売で安定的なブランド収益を得る一方、㈱壱番屋のフランチャイズ展開で外食収益を積み上げる。
健康食品事業ではビタミン系飲料・乳酸菌製品を展開し、海外では中国・東南アジアへの直接投資で現地生産・販売を行う。スパイス系・機能性素材系・大豆系の3つのバリューチェーン構築を中期戦略の軸に据え、グローバルな収益多様化を図る。
企業の強み
「バーモントカレー」等の長年にわたるブランド資産を背景に、香辛・調味加工食品事業の売上高営業利益率は9.7%(2026年3月期)を維持。国内スパイス市場規模は2025年度1,028億円・前年比+4.7%と拡大するなか、ハウスギャバン㈱のスパイス事業は通期前年比102.8%と堅調に推移している。
㈱壱番屋を連結子会社として擁し、外食事業の2026年3月期売上高は65,507百万円・前期比7.4%増を達成。2025年8月の価格改定後も客単価は前年比104.2%と上昇し、国内外のカレーレストランFC網が安定的な収益基盤を形成している。
㈱GAKUの子会社化により外食ポートフォリオの多様化も進行中。
2026年3月期末の自己資本比率は67.0%、現金及び現金同等物残高は94,803百万円と財務健全性は高い。第八次中期計画2年間で自己株式取得160億円・政策保有株式縮減92億円を実施し、2027年3月期からはDOE3%以上を目安とする累進配当方針に変更するなど、資本効率向上への取組を強化している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期253,386百万円から2026年3月期316,977百万円へ5期連続増収を達成(2026年3月期前期比0.5%増)。一方、営業利益は原材料高・人件費増加により18,246百万円(前期比8.8%減)に低下し、売上高営業利益率は5.8%まで低下した。
親会社株主帰属当期純利益は7,360百万円(前期比41.1%減)と2期連続の大幅減益で、米国事業関連の減損損失8,322百万円が主因。外部要因として国内インフレ・消費者の節約志向・原材料コスト上昇が継続的に収益を圧迫している。
2027年3月期は政策保有株式売却益(約7,200百万円見込み)を織り込み純利益17,000百万円(前期比131.0%増)を予想するが、営業利益ベースの回復は限定的(18,500百万円、前期比1.4%増)。
成長戦略
スパイス系・大豆系・機能性素材系の3VCグローバル構築と資本効率改善で企業価値向上
スパイス系・大豆系・機能性素材系の3VCに経営資源を集中し、グローバルなVC体制を構築。中国カレー事業は増収増益(売上高12,852百万円、前期比11.6%増)、東南アジア事業も堅調。
ハウスフーズインドネシア社を新規連結に追加し事業基盤を拡大。2027年3月期は海外食品事業売上高66,000百万円(前期比4.1%増)を目指す。
節約志向の高まりや競争激化・生産トラブルにより2026年3月期は営業損失1,056百万円に拡大。2027年3月期は損失400百万円への縮小を目標とするが、抜本的な収益改善策の実行が急務。販売チャネルの最適化とコスト管理強化により損失縮小を図る。
第八次中計2年間で累計160億円の自己株式取得を完了。2026年5月に上限260億円・1,200万株の追加取得枠を決議し、取得後全株消却予定。2027年3月期は政策保有株式売却益約7,200百万円を見込み、ROICは4.1%から4.3%への改善を目標とする。
2027年3月期よりDOE(純資産配当率)3%以上を目安とした累進配当を実施。2027年3月期の年間配当は1株当たり100円(前期70円から43%増配)を予定。安定的・継続的な株主還元の実現により長期投資家の支持獲得を目指す。
2026年1月にデリカシェフ株式・関連資産を武蔵野へ9,000百万円で譲渡し、固定資産売却益1,982百万円・関係会社株式売却益633百万円を計上。コンビニ向け総菜製造事業を切り離し、スパイス系・大豆系・機能性素材系の3VCへの集中投資体制を確立した。
最終更新: 2026年7月19日

