事業内容
株式会社テンポスホールディングスは、1997年に厨房機器専門リサイクル販売会社として創業し、2017年に持株会社体制へ移行。現在は連結子会社12社を擁し、①飲食店向け新品・中古厨房機器販売(物販事業)、②不動産仲介・ファイナンス・人材・DXソリューション等の飲食店経営支援(情報・サービス事業)、③ステーキ・寿司・宅配寿司等の直営飲食店運営(飲食事業)の3セグメントで構成される。
主要顧客は中小零細飲食店の開業者・経営者であり、「飲食店の5年後の生存率を9割にする」を経営方針に掲げ、「Dr.テンポス」として外食産業の総合支援企業への進化を目指している。2025年4月期の連結売上高は47,055百万円。
ビジネスモデル
物販事業では全国75店舗(FC含む)のテンポスバスターズが中古厨房機器の買取・再生・販売を行い、高粗利の中古品と新品を組み合わせて販売する。新規開業客への3D図面活用・コンサル営業で客単価337,000円(前期比18.6%増)を実現。
情報・サービス事業では不動産仲介・ファイナンス・人材紹介等の周辺サービスで追加収益を獲得。飲食事業ではM&Aで取得した店舗ブランドを直営運営し、グループ全体でのシナジーを追求する構造。
企業の強み
全国75店舗(FC含む)のテンポスバスターズ網と12か所のテンポス再生センターを保有。買取台数は前期比120%増と拡大中。中古品の買取・修理・再生・販売を一貫して行う仕組みが競合他社との差別化要因となっており、高粗利の中古品販売が収益基盤を支えている。
人口10万人規模の地方小都市(鳥取県米子市・滋賀県近江八幡市等)への出店を試みた結果、いずれの店舗もオープン翌月に単月黒字化を達成。この実績を踏まえ「人口10万人に対し1店舗」の出店基準を設定し、300店舗体制への拡大戦略の実現可能性を裏付けている。
2011年のあさくま子会社化を皮切りに、キッチンテクノ(2014年)、ヤマトサカナ(2023年)、サンライズサービス(2025年7月完了)と継続的にM&Aを実行。マルシェ株式会社への21%出資(2025年6月完了)も含め、外食産業における事業領域を段階的に拡大してきた実績を持つ。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年4月期29,008百万円から2026年4月期53,408百万円へ5期連続増収(2026年4月期前期比13.5%増)。営業利益は2025年4月期に一時減益となったが2026年4月期は2,890百万円(同8.3%増)と回復。
ただし親会社株主帰属純利益は1,894百万円(同8.3%減)と、法人税等調整額の反転(前期△502百万円→当期145百万円)による実効税率上昇が響いた。飲食事業(サンライズサービス新規連結含む)が全体を牽引した一方、情報・サービス事業は先行投資と補助金環境悪化で赤字転落。
外部要因として円安・原材料高・人件費上昇が飲食店顧客の経営環境を圧迫しており、グループの需要環境に対する影響は二面的である。
成長戦略
物販300店舗・飲食多店舗展開・製造内製化・積極M&Aで売上高2,000億円企業を目指す
2026年4月期は4新規出店・2移転の計6店舗出店(目標12店舗に対し未達)。3D図面提案強化により新規オープン客単価は前期552,000円から595,000円へ上昇。目標100万円に向け提案スキル・AI活用トレーニングを継続。海外出店も視野に入れる。
あさくまは38か月連続既存店前年超えを背景に年間10店舗以上の出店を計画し、3年後売上高200億円を目指す。ヤマトサカナは現41店舗から5年後100店舗体制を目標に出店ペースを5倍以上に加速。サンライズサービスは宅配・ケータリング・外食の三本柱への転換を推進。
2026年5月20日を効力発生日として株式交換(取得原価208百万円)により厨房機器・金属製品メーカーの明和製作所を完全子会社化。PB商品拡充・製販一体による製品開発加速・クロスセル実現を通じた収益力強化を狙う。のれん金額は現時点未確定。
持分法適用関連会社(議決権21.02%保有)のマルシェ(居酒屋チェーン)に対し第三者割当増資(追加取得対価996百万円)を引き受け、議決権比率50.59%取得・連結子会社化を予定(2026年6月29日予定)。バイイングパワー増強・グループシナジー(越後つけ麺・ヤマトサカナノウハウ活用)を見込む。
ディースパークは海外人材紹介事業をミャンマー・モンゴルへ拡大し第二収益柱化を目指すが、2026年4月期は先行投資で営業損失33百万円。テンポス情報館はIT補助金依存からの脱却を図りDX潜在需要の取り込みを推進。セグメント全体の黒字化が次の重要マイルストーン。
2025年5月設立の法人専用サイトは期末会員数9,103社・月間約200件の新規会員獲得ペース。搬入設置等サービス獲得率も9.0%から16.9%へ上昇。給食・介護・官公庁等施設系市場および海外ECへの展開を本格化し、コスト削減主導から売上主導の利益創出フェーズへの移行を目指す。
最終更新: 2026年7月17日

