事業内容
不二製油株式会社は、植物性油脂、業務用チョコレート、乳化・発酵素材、大豆加工素材の4事業を展開するBtoB特化型食品素材メーカーである。パーム、カカオ、大豆を主原料とし、製菓・製パン・食品加工メーカー等を主要顧客とする。
連結子会社39社・持分法適用会社5社を擁し、売上高772,288百万円(2026年3月期)のうち約7割を海外拠点が担うグローバル企業。伊藤忠商事を親会社に持ち、東京証券取引所プライム市場に上場。
食のバリューチェーンの川中に位置し、顧客の課題解決型ソリューション提供を事業の核とする。
ビジネスモデル
原料(パーム油・カカオ・大豆等)を調達し、独自の油脂加工・乳化・発酵・大豆たん白技術で高付加価値素材に転換して食品メーカーへ販売する。原材料価格の変動は販売価格に転嫁する仕組みを持ち、技術力・アプリケーション提案力・サステナブル調達体制が差別化の源泉。
研究開発費7,077百万円・設備投資29,225百万円を継続投下し、技術優位性を維持する。
企業の強み
チョコレート用油脂(CBE)はカカオ豆価格高騰局面でも代替需要が拡大し、植物性油脂事業の事業利益率12.3%・事業利益33,394百万円を牽引した。油脂・チョコレート関連分野の重要特許シェア率で国内外競合上位水準を維持しており、技術的参入障壁が高い。
連結子会社39社を東南アジア・欧州・米州・中国等に展開し、従業員5,891名の約7割が海外勤務。伊藤忠商事との業務提携により原材料の安定調達・コスト低減を図る。PROVENCE HUILES S.A.S等の新規連結も加え、グローバル供給体制を継続強化している。
パーム油のトレーサビリティ(TTP)比率95%以上を中期目標に掲げ、農園・農家との協働による持続可能な原料調達体制を早期から構築。環境・人権配慮の調達体制は顧客・投資家からの信頼獲得につながり、グローバル市場での競争優位性の重要な要素と位置づけられている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は772,288百万円(前期比+15.1%)、事業利益は36,048百万円(同+171.8%)と大幅改善。外部要因としてパーム油価格の上昇とカカオ豆価格の高値継続が販売価格転嫁による増収に寄与し、植物性油脂セグメントのCBE堅調販売とBlommerのカカオ豆関連費用減少が事業利益を押し上げた。
一方、Blommerに係るのれん減損損失5,516百万円と繰延税金資産取崩しにより法人所得税費用が急増し、親会社帰属当期利益は11,142百万円にとどまった。過去5期の営業利益は2022期15,008百万円→2023期10,940百万円→2024期18,213百万円→2025期9,895百万円→2026期29,822百万円と変動が大きく、Blommerの業績が全社収益の振れ幅を拡大させている。
2027年3月期は売上高754,000百万円(前期比△2.4%)、事業利益37,500百万円(同+4.0%)、親会社帰属利益19,500百万円(同+75.0%)を予想。
成長戦略
CBE・コンパウンド拡販とBlommer構造改革による収益回復、中計「United for Growth 2027」推進
チョコレート用油脂(CBE)を中心とした成長領域で競争優位性を発揮し、収益力向上を継続。PROVENCE HUILES S.A.S等の新規連結を活用したグローバル供給体制の強化と、サステナブル調達を軸とした原材料の付加価値化・機能性高度化により、価格競争に左右されない収益構造を構築する。
Blommerの基礎収益力回復に向け、ガバナンス体制強化によるリスク低減と、当社グループの強みであるコンパウンドチョコレートの製造技術・アプリケーション提案力を活かした販売強化を推進。コンパウンドの供給体制構築を進め、需要低迷・固定費増加という構造課題の解消を目指す。
東南アジアや中国など成長が見込まれる地域への展開を加速するとともに、各地域の市場特性に応じた製品ラインアップの最適化に取り組む。2026年3月期はアジアでの販売数量減少により事業利益が減益となっており、需要回復と地域戦略の実行が課題。
中国産との競争激化など厳しい事業環境が続く中、更なる生産性改善を含むコスト競争力を強化し、収益性の改善を推進。2026年3月期は機能剤の販売数量減少等により事業損失874百万円を計上しており、抜本的な競争力強化が急務。
事業軸と機能軸の強化による管理体制の強化、経営資源の一元管理と最適化を推進。Blommerのガバナンス体制強化を含め、グループ全体のリスクマネジメントを高度化することで、厳しい事業環境下でも中計の成長軌道を確実なものとする。
最終更新: 2026年7月19日

