株式会社ETSグループ logo

株式会社ETSグループ

253A東証スタンダード建設業

株式会社ETSグループ logo
株式会社ETSグループ253A

事業内容

株式会社ETSグループは、2024年10月に持株会社体制へ移行した東証スタンダード上場の総合インフラ工事グループ。1935年創業の山加電業を源流とし、90年の歴史を持つ。

主力の電気工事業(売上高の約85%)では、架空・地中送電線工事、変電所工事、特別高圧変電設備工事を手掛け、東北電力ネットワーク・東京電力パワーグリッドを主要顧客とする。不動産関連事業(同約15%)では、マンション管理・ビル清掃・建物設備メンテナンスを展開。

連結子会社7社で構成され、電力インフラの整備・維持を通じて社会基盤を支える。

ビジネスモデル

電気工事業は受注生産型で、電力会社・民間事業者から工事を受注し、完工時に売上を計上する。2025年9月期の受注高は14,934百万円、手持工事高は15,263百万円と売上高を上回る水準を維持し、収益の可視性が高い。

不動産関連事業はマンション・ビルの管理受託による安定的なストック収益に加え、修繕・内装工事を取り込む複合収益モデルを採用する。

企業の強み

2025年9月期の売上高営業利益率は6.4%となり、グループが目標として掲げる5.0%を1.4ポイント上回った。電気工事業のセグメント利益率は5.4%、不動産関連事業は9.1%と、両セグメントが収益に貢献。大型工事の順調な進捗が利益率向上を牽引した。

2025年9月30日時点の手持工事高は15,263百万円(電力事業10,230百万円、設備事業5,032百万円)と、当期売上高11,261百万円を大幅に上回る。データセンター向け変電所(2027年6月完成予定)や風力発電所工事(2027年3月完成予定)など複数年にわたる大型案件を確保しており、中期的な売上の可視性が高い。

1950年に日本初の27.5万ボルト送電線工事を受注し、1965年に日本初の50万ボルト、1988年に日本初の100万ボルト送電線工事を受注するなど、国内最高電圧クラスの工事実績を持つ。海外工事(1961年南ベトナム)の実績も有し、技術的優位性が主要電力会社との長期取引関係を支えている。

エンヴァリスの着眼点

2026年9月期中間期の営業利益722百万円は通期予想777百万円の92.9%に達しており、上半期偏重の工事進捗が確認された。電気工事業の工事採算改善(完成工事総利益率22.1%)が主因であり、下半期も同水準の採算が維持されれば通期予想を上回る可能性がある。

一方、連結受注高が前年同期比70.5%減の2,395百万円と大幅に落ち込んでおり、前期受注案件の消化優先によるものとはいえ、来期以降の売上高水準を占う上で今後の受注動向の回復が重要な確認ポイントとなる。

電気工事業は大手電力会社からの受注に依存する構造であり、特定顧客への売上集中リスクが存在する。外部要因として、電力インフラ投資の旺盛な需要環境は追い風だが、発注者側の予算変動や工期調整が業績に直接影響する。

東京電力管内・中国・四国エリアへの施工エリア拡大が進めば集中リスクの低減につながるが、現時点での進捗は短信から確認できない。資材価格・労務費の高騰が続く建設業界環境下で、工事採算の維持・改善が継続できるかが利益率の持続性を左右する。

中間期の営業活動によるキャッシュ・フローは997百万円(前年同期△663百万円)と大幅に改善し、現金及び現金同等物の中間期末残高は2,104百万円に増加した。ただし、2026年6月予定の不動産管理事業譲受(400百万円)による現金支出が下半期に発生する見込みであり、財務活動CFは中間期で△422百万円と資金流出が続いている。

連結受注高の急減(前年同期8,116百万円→当中間期2,395百万円)が来期以降の売上・利益水準に与える影響を慎重に見極める必要がある。

成長戦略

電力インフラ需要の構造的拡大を取り込みつつ、エリア拡大・不動産M&Aで多角的成長を追求

東北地区以外(東京電力管内・中国・四国エリア)への施工エリア拡大により特定顧客依存を低減しつつ、工事採算管理の強化で利益率向上を図る。中間期の完成工事総利益率は22.1%(前年同期17.4%)と大幅改善しており、採算改善の取り組みは成果を上げている。

アムス・インターナショナル株式会社からの広島地区不動産管理事業の吸収分割による譲受(取得対価400百万円)を通じ、管理受託物件数を積み上げ安定収益基盤を強化する。電気工事業の収益変動を補完する収益ポートフォリオの安定化が目的。

京都市東山区でのホテル用宿泊施設(建設費1,200百万円)の建設により、不動産関連事業の収益多様化を図る。観光需要を取り込む新たな収益源の確立を目指す。

2026年9月期を中期経営計画の最終年度と位置づけ、連結売上高11,850百万円・営業利益777百万円の達成を目指す。中間期時点で営業利益の進捗率は92.9%に達しており、目標達成の蓋然性は高い。通期業績予想に修正はなし。

最終更新: 2026年7月17日