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宝ホールディングス株式会社

2531・東証プライム・食料品

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宝ホールディングス株式会社2531

宝酒造

国内酒類・調味料の製造販売を担う宝HDの中核事業会社

期間今期前期増減率
売上高(通期)119,122百万円119,663百万円↓
営業利益(通期)5,729百万円5,037百万円↑
売上高営業利益率(通期)4.8%4.2%↑
売上総利益(通期)30,174百万円29,919百万円↑
販売費及び一般管理費(通期)24,445百万円24,881百万円↓
減価償却費(通期)3,029百万円2,773百万円↑
設備投資額(通期)4,198百万円4,135百万円↑

事業詳細

宝酒造株式会社が国内において焼酎・清酒・ソフトアルコール飲料などの酒類全般、本みりんをはじめとする酒類調味料・食品調味料、および原料用アルコールの製造・販売を行う。重点ブランドの売上構成比引き上げによる利益率向上と、拡大する中食市場向け食品調味料(だし)の強化に注力。全社一体のコストダウンと販管費効率化により、売上微減の中でも営業増益を実現した。

直近の概況

売上微減も販管費削減により営業利益は13.7%増と大幅改善

2026年3月期は売上高119,122百万円(前期比0.5%減)と微減ながら、広告宣伝費・販売促進費などの削減により販売費及び一般管理費が24,445百万円(同1.8%減)に圧縮。売上総利益も30,174百万円(同0.9%増)と改善し、営業利益は5,729百万円(同13.7%増)と大幅増益を達成。重点ブランドの売上構成比引き上げによる利益率向上戦略が奏功した。2027年3月期は容器包装品・原料米等のコストアップがあるものの、コストダウン施策と売上構成の変化等により増益を見込む(営業利益予想5,829百万円)。

主要プロダクト

product
焼酎

甲類焼酎の大容量商品などが減少し、2026年3月期は29,626百万円(前期比6.8%減)と減収。国内焼酎市場の構造的縮小が続く中、重点ブランドへの集中が課題。

product
ソフトアルコール飲料

「タカラ焼酎ハイボール」が引き続き増加し、2026年3月期は43,990百万円(前期比4.7%増)と増収。ノンアルコール市場向け「タカラ辛口ゼロボール」のリニューアルや新フレーバー発売も実施。セグメント内最大カテゴリー。

product
清酒

「松竹梅『天』」「松竹梅『昴』」などが増加し、2026年3月期は10,862百万円(前期比3.4%増)と増収。プレミアム清酒ラインの育成が奏功。

product
本みりん・調味料

本みりんが9,923百万円(前期比1.3%増)、その他調味料が9,472百万円(前期比2.6%増)と増収。拡大する中食市場向けに利益率の高い食品調味料(だし)の強化に注力。

product
原料用アルコール等

2026年3月期は10,758百万円(前期比4.2%減)と減収。市場環境の変化を受け縮小傾向が続く。

成長ドライバー

  • 「タカラ焼酎ハイボール」等RTD重点ブランドの継続的な育成・拡大
  • 本みりん・食品調味料(だし)カテゴリーの中食市場向け強化
  • 重点ブランドの売上構成比引き上げによる利益率向上
  • 広告宣伝費・販売促進費の効率化による収益改善
  • 全社一体のコストダウン活動による売上原価率の改善
  • ノンアルコール市場向け商品(「タカラ辛口ゼロボール」等)の育成

リスク

  • 国内高齢化・人口減少および若年層の飲酒離れによる酒類市場の長期的縮小
  • 容器包装品・原料米等のコストアップによる製造コスト上昇
  • 物流費等のコストアップ継続
  • 国内酒類メーカー間の競争激化
  • 環境問題・過剰飲酒問題への対応コスト増加(サステナビリティ経営の観点)

宝酒造インターナショナルグループ

海外酒類製造販売と日本食材卸を両輪とするグローバル事業セグメント

期間今期前期増減率
売上高(通期・2026年3月期)221,888百万円185,803百万円↑
営業利益(通期・2026年3月期)14,201百万円11,655百万円↑
売上総利益(通期・2026年3月期)72,812百万円59,694百万円↑
販売費及び一般管理費(通期・2026年3月期)58,610百万円48,038百万円↑
セグメント資産(2026年3月期末)219,327百万円200,324百万円↑
のれん償却額(通期・2026年3月期)2,112百万円1,036百万円↑
設備投資額(通期・2026年3月期)4,869百万円4,451百万円↑
売上高営業利益率(2026年3月期)6.4%6.3%↑

事業詳細

宝酒造インターナショナルグループは、日本からの酒類輸出・海外現地製造販売を行う海外酒類事業(スコッチウイスキー、バーボン、清酒等)と、米国・欧州・豪州を拠点に日本食レストランや小売店へ日本食材を卸売する海外日本食材卸事業の2本柱で構成される。宝ホールディングス連結売上高の約56%を占める最大セグメントであり、海外売上高比率は99.7%に達する。

直近の概況

海外酒類・日本食材卸ともに大幅増収、営業利益は前期比21.8%増

2026年3月期は売上高221,888百万円(前期比19.4%増)、営業利益14,201百万円(同21.8%増)と増収増益を達成。海外酒類事業はBlanton'sが引き続き好調で売上高28,502百万円(同21.1%増)。海外日本食材卸事業は米国・欧州での拠点整備・拡大と新規グループ企業の業績寄与により売上高195,944百万円(同18.9%増)。販管費も人件費・運送費増加で58,610百万円(同22.0%増)と拡大したが、売上総利益の伸びが上回り増益を確保。2027年3月期は売上高242,600百万円、営業利益15,000百万円(同5.6%増)を予想。

主要プロダクト

product
海外酒類事業

プレミアムバーボン「Blanton's」を擁するAge International(米国)、スコッチウイスキーのTomatin(英国)等を中核に、和酒の海外専用商品育成や現地ニーズを捉えた新商品開発を推進。2026年3月期売上高は28,502百万円(前期比21.1%増)と好調を維持。

service
海外日本食材卸事業

Mutual Trading(米国)、Foodex(欧州)、Kagerer(欧州)、Tazaki Foods(英国)、Nippon Food Supplies(豪州)等を通じ、和酒・水産品等の高付加価値商品のラインアップ拡充と倉庫・物流機能の整備・拡大を推進。2026年3月期売上高は195,944百万円(前期比18.9%増)と大幅増収。

成長ドライバー

  • プレミアムバーボン「Blanton's」を中心とするウイスキーカテゴリーの継続的な好調推移
  • 海外日本食材卸事業における既存ルートの深耕とチャネル多角化による規模拡大
  • 米国・欧州・豪州での倉庫・物流機能の整備・拡大による事業基盤強化
  • 和酒・水産品等の高付加価値商品ラインアップ拡充と世界的な日本食需要の拡大トレンド
  • M&Aによる新規グループ企業の業績寄与と販管費率低減に向けた施策推進

リスク

  • M&A拡大に伴うのれん・販管費の増加による利益率低下圧力(のれん償却額が前期比約2倍の2,112百万円に拡大)
  • 為替変動リスク(米ドル・ポンド・ユーロ・豪ドル等多通貨エクスポージャー、2026年3月期の為替影響は売上高ベースで569百万円のプラス)
  • 海外日本食材卸事業における競合激化と倉庫料・運送費等コストの継続的上昇
  • 人件費の継続的な上昇による販管費率の悪化(販管費率26.4%と前期比0.6ポイント上昇)
  • 地政学リスクおよびグローバルサプライチェーンへの影響(米国通商政策の動向等)

タカラバイオグループ

試薬・機器とCDMO・遺伝子医療を軸とするライフサイエンス事業セグメント

期間今期前期増減率
売上高(通期)40,318百万円45,039百万円↓
営業損益(通期)△4,688百万円(営業損失)2,263百万円(営業利益)↓
売上総利益(通期)20,261百万円26,067百万円↓
売上高原価率49.7%42.1%↓
販売費及び一般管理費24,949百万円23,804百万円↓
セグメント資産133,658百万円125,334百万円↑
設備投資額(有形・無形)12,500百万円10,106百万円↑
のれん償却額1,017百万円690百万円↑
減価償却費(有形・無形)4,136百万円3,611百万円↑

事業詳細

タカラバイオ株式会社を中核に、試薬・機器の開発・製造・販売と、再生・細胞医療・遺伝子治療分野のCDMO受託サービスを世界中のバイオ研究者・製薬企業・検査センター等に提供する。日本・米国・欧州・中国・韓国・インドに展開。遺伝子医療事業では独自のバイオ創薬基盤技術の価値最大化に取り組む。2025年1月にCurio Bioscience, Inc.を買収し、空間トランスクリプトーム解析用研究試薬事業を取り込んだ。

直近の概況

全カテゴリー減収・営業損失転落、構造改革を断行し赤字縮小へ

2026年3月期は試薬・機器・受託・遺伝子医療の全カテゴリーで減収となり、売上高は40,318百万円(前期比10.5%減)。売上構成変化による原価率上昇(42.1%→49.7%)とCurio Bioscience買収関連費用・のれん償却費の増加により販管費が24,949百万円(同4.8%増)に膨らみ、営業損失4,688百万円(前期は営業利益2,263百万円)に転落。未稼働受託製造設備等の減損損失4,008百万円も計上。2027年3月期は遺伝子治療自社臨床開発プロジェクトの中止・GMP細胞加工受託からの撤退・人件費等固定費削減の構造改革により、営業損失2,700百万円への縮小を見込む。また、宝ホールディングスは2026年2月~4月にタカラバイオ株式会社に対する公開買付けを実施し、議決権比率87.27%を取得(買付価格総額36,493百万円)、完全子会社化に向けたスクイーズアウト手続きを予定している。

主要プロダクト

product
試薬

次世代シーケンシング(NGS)関連試薬を中心に、アカデミア・企業のバイオテクノロジー研究者向けに提供。2026年3月期売上高は29,197百万円(前期比8.7%減)。

product
機器

研究開発活動を支援する機器を開発・製造・販売。2026年3月期売上高は896百万円(前期比23.5%減)と大幅減収。

service
CDMO受託サービス

医薬品の製法開発から製造までの工程を受託するCDMO事業。特に遺伝子治療薬等の分野に注力。2026年3月期売上高は7,291百万円(前期比10.1%減)。2027年3月期よりGMP細胞加工受託からの撤退を決定。

service
遺伝子医療

遺伝子治療関連製造補助剤の製造・販売、新規モダリティの創出、臨床開発プロジェクトを推進。2026年3月期売上高は2,932百万円(前期比22.0%減)。2027年3月期より自社臨床開発プロジェクトの中止を決定。

product
空間解析用研究試薬(Curio Bioscience)

2025年1月に買収したCurio Bioscience, Inc.が提供する先進的な空間解析用試薬。独自技術により高密度・高解像度な空間解析を可能とする。取得原価107.4百万米ドル(うち条件付対価66.4百万米ドル)、発生のれん6,928百万円(償却期間18年)、技術資産11,755百万円(償却期間18年)を計上。

成長ドライバー

  • Curio Bioscience, Inc.買収による空間トランスクリプトーム解析用研究試薬事業の取り込みと、タカラバイオの遺伝子工学・遺伝子解析技術との組み合わせによるシナジー創出
  • NGS市場のシングルセル解析・空間解析へのシフトを捉えた製品ラインアップ拡充
  • 試薬事業における米国を中心とした売上規模の拡大(NGS関連試薬の製品開発・販売活動への注力)
  • 宝ホールディングスによる完全子会社化を通じた収益構造改革の速やかな実行・新規事業開発強化・上場維持コスト削減によるシナジー効果
  • 中長期的なライフサイエンス市場(再生・細胞医療・遺伝子治療)の拡大期待

リスク

  • ライフサイエンス研究市場の回復遅延(米欧・中国における研究補助金削減・景気低迷による研究開発投資抑制)
  • 売上構成変化による売上原価率の上昇(2026年3月期に49.7%まで悪化)と収益性の低下
  • Curio Bioscience買収に伴うのれん(6,928百万円)・技術資産(11,755百万円)・条件付対価(上限150百万米ドル)の将来的な減損リスクおよびマイルストーン達成に係る不確実性
  • 構造改革(遺伝子治療自社臨床開発中止・GMP細胞加工受託撤退)に伴う追加損失計上リスクおよび事業縮小による売上減少
  • 遺伝子治療・CDMO分野における欧米バイオベンチャー・製薬企業との競争激化および技術革新への対応コスト増加

その他

グループ内物流・ワイン輸入・不動産賃貸を担う補完的セグメント

期間今期前期増減率
売上高(通期)32,200百万円30,867百万円↑
営業利益(通期)3,358百万円2,708百万円↑
売上総利益(通期)5,383百万円4,723百万円↑
売上高営業利益率(通期)10.4%8.8%↑
減価償却費(通期)188百万円200百万円↓
設備投資額(通期)190百万円878百万円↓

事業詳細

「その他」セグメントは、貨物運送事業(主に宝酒造の酒類・調味料製品の国内輸送)、ブルゴーニュ高品質ワイン等の輸入販売事業、および宝ホールディングス株式会社が営む不動産賃貸事業などで構成される。グループの主要3セグメントを補完する役割を担い、2026年3月期はワイン輸入販売などの増加により増収増益を達成した。

直近の概況

ワイン輸入販売が牽引し、売上高・営業利益ともに前期比増加を達成

2026年3月期は売上高32,200百万円(前期比4.3%増)、営業利益3,358百万円(前期比24.0%増)と増収増益。ワイン輸入販売事業が売上高7,401百万円(前期比13.7%増)・営業利益1,925百万円(前期比33.8%増)と大幅に伸長し、セグメント全体を牽引した。貨物運送事業も営業利益が前期比15.2%増と改善。販売費及び一般管理費は2,025百万円(前期比0.5%増)と小幅な増加にとどまり、利益率が改善した。

主要プロダクト

service
貨物運送事業

グループ内の酒類・調味料製品の国内輸送を主体とする事業。2026年3月期売上高は12,649百万円(前期比0.7%増)、営業利益は676百万円(前期比15.2%増)と増収増益。グループ内物流需要を安定的に取り込む収益基盤を有する。

product
ワイン輸入販売事業

欧州産高品質ワインの輸入・販売を行う事業。2026年3月期売上高は7,401百万円(前期比13.7%増)、営業利益は1,925百万円(前期比33.8%増)と大幅な増収増益を達成。高い営業利益率(約26.0%)を維持しており、セグメント利益の主要な牽引役となっている。

service
不動産賃貸事業

宝ホールディングス株式会社が保有する不動産の賃貸事業。2026年3月期売上高は522百万円(前期比0.4%増)、営業利益は352百万円(前期比17.2%減)。安定的な収益を生み出す一方、営業利益は前期比で減少した。

成長ドライバー

  • ワイン輸入販売事業の継続的な売上・利益拡大(2026年3月期:売上高前期比13.7%増、営業利益前期比33.8%増)
  • ワイン輸入販売の高い営業利益率(2026年3月期:約26.0%)による収益貢献
  • グループ内物流需要を安定的に取り込む貨物運送事業の収益基盤(2026年3月期:営業利益前期比15.2%増)
  • 2027年3月期予想においてもセグメント全体で売上高32,351百万円・営業利益3,325百万円と安定的な水準を維持する見通し

リスク

  • 貨物運送事業は宝酒造の国内酒類販売量に依存しており、国内酒類市場の縮小が収益に影響する可能性
  • ワイン輸入販売は為替レート(特に欧州ユーロ)の変動による仕入コスト上昇リスクを有する(2026年3月期のユーロ円レートは前期比5.15円高の169.19円)
  • セグメント全体の規模が小さく(売上高はグループ連結の約8.2%)、グループ業績への影響は限定的
  • 不動産賃貸事業の営業利益が前期比17.2%減と減少しており、収益性の低下傾向に注意が必要

最終更新: 2026年7月17日