食領域の事業環境変化リスク
キリングループの主力事業である食領域において、市場環境や嗜好の変化、販売価格の変動、競合他社の動向等により販売計画を達成できないリスクがある。地政学リスクに起因する原材料・燃料価格の高騰が直接的に収益に影響を与える可能性もグループ重要リスクとして位置づけられている。高付加価値商品の展開拡大の成否が中長期的な事業計画に影響するリスクについても引き続き情勢を注視し適切なリスクコントロール策を講じている。
医領域のグローバル戦略品リスク
協和キリンが展開する医領域では、グローバル戦略品の上市準備遅延や市場浸透の難航により事業エリア拡大が遅れるリスクがある。国内外における医療費抑制圧力による製品価格引き下げや後発医薬品への移行進展も収益性を圧迫する要因となる。対策として市場浸透施策や欧米を中心とした事業地域拡大を進めるとともに、各国の医療政策動向を注視しながら製品価値の多面的評価を戦略的に検討している。
医領域の研究開発・品質リスク
医領域においてパイプラインの拡充が進まない場合、将来の成長性と収益性が低下するリスクがある。また製品の安全性・品質への懸念や急激な需要増による安定供給への支障も重要リスクとして認識されている。グローバル品質保証委員会によるモニタリングや独立した専門監査チームによる品質監査、委託先拡充および自社工場への設備投資、デジタル化推進による需給計画の可視化等で対応している。
ヘルスサイエンス領域の統合リスク
Blackmores Limited・株式会社ファンケルの新規取得に伴い、グループ内シナジー創出が進まず高収益モデルが構築できないリスクがある。また既存展開国の法規制変更や新規展開国での法規制対応遅延、品質トラブル・欠品によるブランド毀損リスクも存在する。主力の食領域とは異なる事業領域での推進にあたり、迅速な意思決定と適時適切なリスクコントロールのため組織能力の拡充とガバナンス強化を図っている。
情報セキュリティ・サイバー攻撃リスク
外部からのサイバー攻撃による事業活動停止や顧客情報・企業秘密等の重要データの漏えい・改ざん・消失リスクがあり、ステークホルダーへの賠償責任発生やブランドイメージ毀損、営業機会の喪失につながる恐れがある。グループ情報セキュリティ規程の制定およびKIRIN-CSIRTによるインシデント対応体制を構築し、「統治・特定・防御・検知・対応・復旧」のセキュリティ基盤強化をグループ全体で推進している。未知のサイバー脅威への備えとして脅威インテリジェンスの活用や外部専門機関との連携強化も継続している。
環境・気候変動リスク
温暖化や渇水・洪水による原材料農産物の収量減に伴う調達コスト増や操業停止といった物理的リスク、および炭素税等によるカーボンプライシングの移行リスクが事業継続と収益性に影響を及ぼす重要リスクとして認識されている。TCFD提言に基づくシナリオ分析により財務影響と戦略のレジリエンスを評価し、リスク低減および機会獲得につながる施策を選択的に実行している。「キリングループ環境ビジョン2050」のもと、生物資源・水資源・容器包装・気候変動を統合的に解決する取り組みを推進している。
サプライチェーン分断リスク
地震・台風等の大規模自然災害、感染症、地政学リスク、サイバー攻撃、委託先の被災等によりサプライチェーンが分断し、事業所閉鎖や事業活動の縮小・停止が生じるリスクがある。国内では労働力不足や物流制度・環境変化による輸送能力への影響、海外ではテロや政治的不安によるサプライチェーン分断が懸念される。オールハザード型BCP(事業継続計画)の策定と物流機能発揮状況を確認する訓練の実施により危機事象への対応力強化とレジリエンス向上に取り組んでいる。
調達コスト・サプライヤーリスク
市況・為替変動により調達コストが計画を上回り事業利益を圧迫するリスク、および地政学・災害発生やサプライヤーの事業撤退・業界再編により原材料の必要量確保や納品に遅れが生じるリスクがある。取適法(改正下請法)等の法令違反リスクやサプライチェーン上の人権・環境リスクの顕在化によるレピュテーション毀損も懸念される。長期契約・為替ヘッジによるコスト安定化、調達先の分散、人権デューデリジェンスの実施、「キリングループ持続可能なサプライヤー規範」の遵守確認等で対応している。
財務・為替・税務リスク
為替レート変動による円換算後の価値変動リスク、金融市場の変化や格付変更による資金調達制約・コスト変動リスク、および各国税制変化や税務当局との見解相違による予想以上の税負担リスクがある。デリバティブを活用したヘッジ、調達手段の多様化、グループキャッシュの一元管理による効率化で資金関連リスクを低減するとともに、税務コンプライアンスを遵守した適正な納税の徹底により税務リスクの低減に努めている。
アルコール規制強化リスク
WHOが世界的規模での酒類販売・マーケティングに関する規制強化に向けた議論を進めており、日本国内でも飲酒と健康に関する関心が高まる中、酒類の消費減少や企業価値低下につながるリスクがある。一方でノンアルコール・低アルコール商品の市場拡大という機会も存在する。法令遵守および責任ある飲酒に関するグローバルマーケティング指針・自主基準の遵守、IARDをはじめとする国内外業界団体との連携、ノンアルコール・低アルコール飲料の拡充により対応している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月22日

