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株式会社クエスト

2332東証スタンダード情報通信業

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株式会社クエスト2332

事業内容

株式会社クエストは1965年創業の独立系情報サービス企業。コンサルティングから業務システムの開発・保守、ITインフラの構築・運用管理に至る一貫したサービスを提供する。

事業はインダストリー事業グループ(半導体・製造・金融・情報通信・公共等の業種別システム開発)とソリューションサービス事業グループ(中堅・大企業向けITコンサルティング・クラウド・セキュリティ等)の2カテゴリーで構成される。主要顧客にはキオクシア株式会社(売上高の約20.7%)をはじめとする大手企業が名を連ね、東京証券取引所スタンダード市場に上場している。

ビジネスモデル

顧客の現場に常駐し、業務システム開発・保守・ITインフラ運用を継続的に受託するモデルが収益基盤。プロジェクト完了ベースの検収売上計上方式を採用し、安定した受注残高(5,416百万円)が収益の可視性を高める。

加えて、AI・セキュリティ・クラウド等の高付加価値ソリューションサービスを拡充し、単価向上と新規顧客獲得を図る構造へ移行中。M&Aによるエンジニアリソース補強も活用している。

企業の強み

キオクシア株式会社との取引は売上高の20.7%(3,682百万円)を占め、前期(20.8%)から安定した取引関係を維持。1965年創業以来、損害保険ジャパン・東芝・三井住友信託銀行等の大手企業との長期取引を積み重ねており、顧客基盤の継続性が高い。

2022年に株式会社エヌ・ケイを完全子会社化、2025年4月には約80名のエンジニアを擁する株式会社セプトを完全子会社化。M&Aによるリソース増強が2026年3月期の売上高19.2%増(17,807百万円)に直接貢献しており、有機成長と無機成長を組み合わせた拡大戦略を実績として持つ。

銀行借入に依存しない経営方針を継続し、2026年3月期末の流動比率は301.8%、現金及び現金同等物は3,057百万円(資産合計の29.5%)を確保。自己株式取得(379百万円)・配当支払(309百万円)を実施しながらも財務安全性を維持しており、株主還元と財務健全性を両立している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高19.2%増を達成した一方、営業利益率は6.1%(前期7.1%)、EBITDAマージンは7.5%(前期8.5%)とそれぞれ1.0ポイント低下した。人的資本投資の拡充、事業所新設・拡張コスト、セプト取得関連費用(デューデリジェンス費用等34,211千円)、のれん償却費増加(前期76,479千円→当期113,755千円)が利益率を圧迫した。

2027年3月期予想では営業利益率6.9%(予想営業利益1,260百万円÷売上高18,300百万円)への改善を見込むが、人件費・採用費の継続的増加が上振れリスクを抑制する可能性がある。

売上高の相当部分を半導体分野(メモリ顧客)に依存する構造は変わらず、当該顧客の設備投資サイクルや市況変動が業績に直結するリスクが残る。外部要因として、米国の関税政策や中東情勢による世界的な景気後退懸念も半導体投資に影響しうる。

一方、金融・情報通信分野の安定成長領域拡大、セプト子会社化による顧客基盤の多様化、AI・セキュリティ領域(Unite/AI Studio)への展開が顧客集中リスクの緩和につながるかが中期的な評価の分岐点となる。

2026年3月期は自己株式取得379,476千円(前期177千円から大幅増)を実施し、期末自己株式数は360,741株(前期133,102株)に増加。配当は1株当たり58円(配当性向38.1%)を維持し、2027年3月期は61円(配当性向予想36.7%)への増配を予定する。

一方、営業キャッシュフローは510百万円(前期590百万円)と減少しており、財務活動による支出915百万円(自己株式取得・配当・借入返済)が現金残高を473百万円圧縮した。今後の株主還元水準と投資・M&A資金の両立が財務管理上の注目点となる。

成長戦略

Quest Vision2030第2期中計を推進しつつ、AI・セキュリティ領域と第3期計画策定で次の成長軌道を構築

顧客を重点強化(半導体・製造)・安定成長(金融・情報通信・エンタテインメント)・社会課題解決(公共・移動・ヘルスケア)の3領域に区分し、計画的なリソースシフトを推進。2026期は半導体・金融分野での新規案件受注拡大により売上高19.2%増を達成した。

約80名のエンジニアを擁するセプトを370,000千円の現金対価で完全子会社化(2025年4月15日)。情報通信・金融業界向け業務系アプリケーション開発・運用保守領域を補完し、コアサービスの拡大に貢献。のれん372,761千円を10年均等償却で計上。

2026年3月に事業ブランド「Unite」を立ち上げ、AI・セキュリティ領域のソリューションサービスを強化。2026年5月にはUnite発のAIソリューション「AI Studio」の提供を開始。

生成AI・AIエージェント・フィジカルAI等の先進技術需要を取り込み、高付加価値サービスへの移行を推進する。

Quest Vision2030実現に向けた最終ステップとなる第3期中期経営計画(2027-30年度)の準備・策定に着手。「高収益体質への変革」「成長に向けた未来投資の実行」を軸に、より高度な顧客課題の解決と安定したサービス供給体制の構築を目指す。

2027年3月期は売上高18,300百万円、営業利益1,260百万円を予想。

最終更新: 2026年7月19日