事業内容
株式会社クエストは1965年創業の独立系情報サービス企業。コンサルティングから業務システムの開発・保守、ITインフラの構築・運用管理に至る一貫したサービスを提供する。
事業はインダストリー事業グループ(半導体・製造・金融・情報通信・公共等の業種別システム開発)とソリューションサービス事業グループ(中堅・大企業向けITコンサルティング・クラウド・セキュリティ等)の2カテゴリーで構成される。主要顧客にはキオクシア株式会社(売上高の約20.7%)をはじめとする大手企業が名を連ね、東京証券取引所スタンダード市場に上場している。
ビジネスモデル
顧客の現場に常駐し、業務システム開発・保守・ITインフラ運用を継続的に受託するモデルが収益基盤。プロジェクト完了ベースの検収売上計上方式を採用し、安定した受注残高(5,416百万円)が収益の可視性を高める。
加えて、AI・セキュリティ・クラウド等の高付加価値ソリューションサービスを拡充し、単価向上と新規顧客獲得を図る構造へ移行中。M&Aによるエンジニアリソース補強も活用している。
企業の強み
キオクシア株式会社との取引は売上高の20.7%(3,682百万円)を占め、前期(20.8%)から安定した取引関係を維持。1965年創業以来、損害保険ジャパン・東芝・三井住友信託銀行等の大手企業との長期取引を積み重ねており、顧客基盤の継続性が高い。
2022年に株式会社エヌ・ケイを完全子会社化、2025年4月には約80名のエンジニアを擁する株式会社セプトを完全子会社化。M&Aによるリソース増強が2026年3月期の売上高19.2%増(17,807百万円)に直接貢献しており、有機成長と無機成長を組み合わせた拡大戦略を実績として持つ。
銀行借入に依存しない経営方針を継続し、2026年3月期末の流動比率は301.8%、現金及び現金同等物は3,057百万円(資産合計の29.5%)を確保。自己株式取得(379百万円)・配当支払(309百万円)を実施しながらも財務安全性を維持しており、株主還元と財務健全性を両立している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023期14,202百万円→2024期14,225百万円→2025期14,936百万円→2026期17,807百万円と推移し、2026期はセプト子会社化(みなし取得日2025年4月1日、通期寄与)と半導体・金融分野の新規案件拡大により前期比19.2%増と加速した。営業利益は2023期976百万円→2024期998百万円→2025期1,056百万円→2026期1,091百万円と緩やかな増益基調を維持。
ただし営業利益率は7.1%→6.1%と低下し、EBITDAマージンも8.5%→7.5%に縮小した。外部要因として、顧客企業のIT投資意欲は生成AI・DX推進を背景に引き続き堅調であり、市場環境として情報サービス業界全体のIT人材不足が人件費・採用費の上昇圧力となっている。
2027年3月期は売上高18,300百万円(+2.8%)、営業利益1,260百万円(+15.4%)を予想し、利益率の回復を見込む。
成長戦略
Quest Vision2030第2期中計を推進しつつ、AI・セキュリティ領域と第3期計画策定で次の成長軌道を構築
顧客を重点強化(半導体・製造)・安定成長(金融・情報通信・エンタテインメント)・社会課題解決(公共・移動・ヘルスケア)の3領域に区分し、計画的なリソースシフトを推進。2026期は半導体・金融分野での新規案件受注拡大により売上高19.2%増を達成した。
約80名のエンジニアを擁するセプトを370,000千円の現金対価で完全子会社化(2025年4月15日)。情報通信・金融業界向け業務系アプリケーション開発・運用保守領域を補完し、コアサービスの拡大に貢献。のれん372,761千円を10年均等償却で計上。
2026年3月に事業ブランド「Unite」を立ち上げ、AI・セキュリティ領域のソリューションサービスを強化。2026年5月にはUnite発のAIソリューション「AI Studio」の提供を開始。
生成AI・AIエージェント・フィジカルAI等の先進技術需要を取り込み、高付加価値サービスへの移行を推進する。
Quest Vision2030実現に向けた最終ステップとなる第3期中期経営計画(2027-30年度)の準備・策定に着手。「高収益体質への変革」「成長に向けた未来投資の実行」を軸に、より高度な顧客課題の解決と安定したサービス供給体制の構築を目指す。
2027年3月期は売上高18,300百万円、営業利益1,260百万円を予想。
最終更新: 2026年7月19日

