事業内容
雪印メグミルク株式会社は1925年創業の国内最大級の乳業グループであり、チーズ・バター・粉乳等の乳製品、牛乳・ヨーグルト・デザート等の飲料・デザート類、牛用飼料・種苗、共同配送センター・不動産賃貸等の4セグメントを展開する。連結売上高615,761百万円(2026年3月期)を誇り、子会社31社・関連会社15社で構成される。
セブン-イレブン・ジャパン(売上高比24.7%)、日本アクセス(同20.3%)を主要販売先とし、国内酪農基盤の維持から消費者向け最終製品まで垂直的な価値連鎖を持つ。2025年に創業100周年を迎え、「健土健民」を存在意義として掲げる。
ビジネスモデル
生乳を酪農家から調達し、自社工場で乳製品・飲料・デザートを製造して量販店・コンビニ・業務用チャネルへ販売する製造販売型モデルを基本とする。機能性表示食品(MBPドリンク、恵megumiガセリ菌SP株ヨーグルト等)や「さけるチーズ」等の高付加価値ブランドで利益率を確保しつつ、コスト上昇局面では価格改定を断行して収益を防衛する。
飼料・種苗セグメントが国内酪農基盤を支え、共同配送センター事業がグループ物流を効率化する補完構造を持つ。
企業の強み
「さけるチーズ」は2026年3月期に過去最高の売上高を記録。「恵megumiガセリ菌SP株ヨーグルト」は機能性表示食品として継続的に需要を拡大。「6Pチーズ」「北海道バター」等の長寿ブランドが量販・コンビニ双方で高い棚占有率を維持しており、競合が短期間で模倣困難なブランド資産を形成している。
2026年3月期の研究開発費は5,334百万円。ミルクサイエンス研究所を中心に乳酸菌(Lactobacillus paragasseri SBT2055等)の機能性研究を継続し、国際学術誌への論文掲載実績を持つ。
機能性表示食品の商品化や賞味期限延長(15日→18日)等、研究成果を商品競争力に直結させる体制を構築している。
主要販売先のセブン-イレブン・ジャパンへの販売高は152,386百万円(売上高比24.7%)、日本アクセスは125,294百万円(同20.3%)と、上位2社で売上高の約45%を占める。大手流通・卸との長期的な取引関係が安定的な販売量を確保し、新商品の棚獲得においても優位性を発揮している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期558,403百万円→2026期615,761百万円と拡大基調が続いてきたが、2026期は前期比0.0%減とほぼ横ばいで成長が一服。乳製品セグメントが1.9%増収となった一方、飲料・デザート類が1.5%減収と牽引役が交代した。
営業利益は18,266百万円(前期比4.5%減)と2期ぶりの減益。外部要因として原材料・輸送コスト上昇が継続する中、価格改定先行カテゴリーでの物量減少が想定を超えた。
一方、政策保有株式売却(売却益29,992百万円)により当期純利益は32,897百万円と大幅増益。2027期は売上高645,000百万円(4.7%増)、営業利益21,000百万円(15.0%増)を予想するが、当期純利益は24,500百万円(25.5%減)と一過性利益の剥落を見込む。
成長戦略
Next Design 2030で「アセットの大変革」を推進。生産体制集約・ブランド強化・資本効率向上を三位一体で実行。
川越工場の発酵乳・チルドデザート生産機能を海老名工場・野田工場・ルナ物産㈱に集約。投資額約109億円。省人化・生産性向上により飲料・デザート類セグメントの収益構造改善を目指す。2027年3月期業績への影響は軽微と説明。
政策保有株式を計画的に売却し、投資有価証券残高を56,370百万円(2025年3月期末)から35,297百万円(2026年3月期末)へ圧縮。売却益29,992百万円を計上し、ROEを5.8%から13.6%へ大幅改善。資本剰余金を活用した自己株式取得・消却(当期200億円)も実施。
2026年5月取締役会で上限4,000,000株・100億円の自己株式取得枠を決議(取得期間2026年5月15日〜2027年3月12日)。配当下限100円設定と組み合わせ、資産売却益を除く連結配当性向40%以上の方針を維持。2027年3月期予想配当性向は24.1%。
新CIの浸透活動(Brand-NEW"BRAND")を通じたブランド力強化と、機能性表示食品(MBPドリンク・恵megumiガセリ菌SP株ヨーグルト等)・「さけるチーズ」等の主力商品プロモーション強化。2027年3月期は価格改定効果浸透とマーケティング強化で収益性の高い商品の販売拡大を目指す。
2025年11月に北海道紋別郡興部工場の生産終了を決定。減損損失2,154百万円を2026年3月期に計上済み。乳製品セグメントの生産拠点集約により固定費削減と資産効率向上を図る。Next Design 2030における「乳の産業価値を高める構造の変革」の一環。
最終更新: 2026年7月19日

