事業内容
太平電業株式会社は1947年創業の東証プライム上場の専門工事会社。火力・原子力・環境保全設備等の大型プラント建設工事(建設工事部門)と、各種プラント設備の定期点検・保守・修繕(補修工事部門)の2部門を中核事業とする。
主要顧客は三菱重工業をはじめとする重電・重工メーカーおよび電力会社で、三菱重工業向け売上高は141,657百万円の売上高のうち27,194百万円(19.2%)を占める。連結子会社9社・関連会社1社で構成され、フィリピン・インドネシアへの海外展開も行う。
近年はバイオマス発電所の自社運営や廃炉技術開発にも取り組み、事業領域を拡大している。
ビジネスモデル
補修工事部門は特命受注比率86.1%と高く、電力会社・製鉄会社等との長期継続的な顧客関係を基盤に安定受注を確保する。建設工事部門は競争入札が主体だが、原子力・LNG火力等の大型案件を受注し、受注残高を積み上げることで将来売上の可視性を高める。
両部門合計の受注残高は181,113百万円(2026年3月末)に達し、売上高の約1.3年分に相当する。
企業の強み
補修工事部門の特命受注比率は86.1%(2026年3月期)と極めて高く、電力会社・製鉄会社等との長期継続的な取引関係が安定収益を支える。2026年3月期の補修工事部門売上高は97,125百万円、セグメント利益は16,113百万円(利益率16.6%)と高収益を維持している。
2026年3月期末の連結受注残高は181,113百万円(前期末比43.9%増)。建設工事部門が111,081百万円(前期末比69.0%増)、補修工事部門が70,032百万円(同16.7%増)と両部門で積み上がっており、手持工事高には2030年以降完成予定の大型案件も含まれ、中期的な売上の可視性が高い。
原子力発電所の建設・補修・安全対策工事において長年の施工実績を有し、東京電力HD向け特定重大事故等対処施設設置工事(2030年12月完成予定)等の大型案件を受注。廃炉分野では福井工業大学との産学連携によるジェルブラスト除染工法の共同研究を2017年度から継続し、技術的優位性の確立を目指している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高推移は126,908→125,774→129,363→125,670→141,657百万円で、2026年3月期に初めて140,000百万円を突破。営業利益は10,457→14,345→10,049→13,037→14,839百万円と変動があったが、2026年3月期は過去最高を更新。
営業利益率は10.5%と前期(10.4%)から微改善。外部要因として、原子力発電所の再稼働推進・LNG火力新設需要・製鉄関連設備工事の増加が業績を押し上げた。
受注高196,992百万円(前期比28.1%増)は将来の売上拡大を強く示唆しており、2027年3月期予想(売上高160,000百万円、営業利益17,400百万円)も高成長継続を見込む。
成長戦略
原子力再稼働・LNG火力・M&A・海外の4軸で2028年度売上高1,800億円以上を目指す
原子力発電設備工事の受注・売上が建設・補修両部門で増加。建設工事部門の受注高は原子力・環境保全設備工事の増加により89,865百万円(前期比65.7%増)に急拡大。第7次エネルギー基本計画による原子力最大活用方針が中長期的な需要を支える。
事業用火力発電設備工事の受注増加が補修工事部門の受注高拡大に寄与(107,127百万円、前期比7.6%増)。脱炭素化に向けた水素・アンモニア混焼対応工事等の新規需要も取り込む方針。
東栄技工株式会社を2026年4月17日付で完全子会社化(取得原価1,250百万円)し、溶接補修メンテナンス分野の専門人材・技術を獲得。六ヶ所プラントエンジニアリング株式会社の設立(2026年7月予定、出資比率80%)により原子力バックエンド分野にも展開。
新中期計画ではM&A等の積極的な事業投資を継続方針。
2026年3月期の海外工事売上高は6,925百万円(前期比15.9%増)と拡大継続。新中期経営計画においても海外事業の拡大を成長軸の一つに位置づけ、国内で培った技術・実績を海外プラント市場に展開する。
DX・GXの進展を背景に、データセンターや半導体関連施設の電気・計装・保温・塗装工事等の新規分野への参入を推進。新中期経営計画では原子力・脱CO2・半導体・データセンター等の事業領域拡大を明示。
最終更新: 2026年7月19日

