事業内容
中外炉工業は1945年創業の工業炉専業メーカーで、「熱技術」を核として工業炉・産業機械・環境設備・燃焼設備の設計・製作・施工・販売を行う。事業は熱処理事業(自動車・半導体・電池向け熱処理炉)、プラント事業(鉄鋼・非鉄向け加熱炉・プロセスライン)、開発事業(脱炭素・精密塗工・廃棄物処理)の3セグメントに加え、国内外7子会社が技術サービス・販売を担う「その他」で構成される。
主要顧客は国内外の鉄鋼・自動車・電池・半導体メーカーで、台湾・中国・タイ・インドネシア・メキシコに現地法人を持ちグローバルに展開する。2026年3月期の連結売上高は37,332百万円。
ビジネスモデル
顧客の製造プロセス要件に合わせたオーダーメイド型工業炉を受注し、設計・製作・施工・試運転まで一貫して手掛けるEPC型ビジネスモデル。受注残高を積み上げながら工事進捗に応じて売上を計上する。
納入後はメンテナンス・技術サービスで継続収益を確保し、米国・韓国企業への技術供与によるロイヤルティ収入も得る。2026年3月期末の受注残高は37,699百万円と高水準を維持している。
企業の強み
2023年11月に堺事業所内に開設した「熱技術創造センター」は燃焼ゾーン・機能材ゾーン・共創スペースの3ゾーンで構成され、水素・アンモニア燃焼技術や次世代電池向け熱処理技術の開発拠点として機能する。2026年3月期の研究開発費は1,094百万円。
2025年2月にはトヨタ自動車より水素燃焼式アフターバーナ炉で「トヨタ技術開発最優秀賞」を受賞した。
2026年3月期末の連結受注残高は37,699百万円(前期比99.7%)で、うちプラント事業が22,123百万円(前期比113.9%)と特に厚い。受注残高が売上高とほぼ同水準に積み上がっており、翌期以降の売上計上に対する高い視認性を提供している。
受注生産型モデルの特性上、受注残高は将来収益の先行指標として機能する。
米国Surface Combustion社への一体化カテナリ型焼鈍炉技術供与(1990年開始・自動延長継続)、韓国Hanwha Corporationへの工業炉関連技術供与(2018年開始)を通じロイヤルティ収入を得る。海外は台湾・中国(2社)・タイ・インドネシア・メキシコの7子会社体制で、2026年3月期「その他」セグメント売上高は8,025百万円を計上した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期26,317百万円から2026期37,332百万円へ5期連続増収。2025期の前期比23.8%増から2026期は同3.0%増へ伸び率は鈍化した。
営業利益は2026期2,879百万円(前期比5.3%増)と増益を維持したが、2025期の同85.4%増から大幅に鈍化。当期純利益は投資有価証券売却益(3,315百万円)の計上により4,668百万円と前期比55.7%増となった。
キャッシュフロー面では、営業CF6,427百万円(訂正後)と前期の△3,696百万円から大幅改善し、売上債権・契約資産の減少が主因。現金及び現金同等物の期末残高は10,777百万円と前期末4,348百万円から大幅増加した。
外部要因として、EV・脱炭素化関連の設備投資需要が引き続き業績を支えている。
成長戦略
カーボンニュートラル技術と新市場創出を軸に2027年3月期売上高41,500百万円を目指す
EV・HV向け電池(全固体電池含む)・モーター部品製造プロセス用熱処理設備の需要を取り込む。熱処理セグメントの中核成長ドライバーとして位置付けており、「熱技術創造センター」での共同開発を通じた新規受注獲得を推進。
NEDOグリーンイノベーション基金事業(製造分野における熱プロセスの脱炭素化)への参画を通じ、水素・アンモニア燃料技術や電化・省エネ型設備の開発・実用化を推進。開発セグメントの受注高が前年同期比215.1%増(2026年3月期3Q累計)と大幅拡大しており、将来売上の積み上げが進展。
中国向けEV・自動車部品関連(モータコア焼鈍炉等)やタイ・インドネシア等アジア各国の製造業向け工業炉需要を取り込む。海外子会社を通じた高付加価値製品(真空熱処理炉等)の納入拡大と、親会社受注案件に連動した資材調達・技術サービス需要の増加を見込む。
国内鉄鋼メーカーの省エネ型連続焼鈍設備・連続亜鉛メッキライン投資や、海外向け大型ステンレス光輝焼鈍設備等の受注残高(2025年3月期末前年同期比138.8%)を着実に売上に転換し、中計目標達成を支える。
最終更新: 2026年7月19日

