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株式会社弘電社

1948東証スタンダード建設業

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株式会社弘電社1948

事業内容

株式会社弘電社は1910年創業、1917年設立の三菱電機株式会社の子会社であり、東証スタンダード市場上場の電気設備工事専業グループである。主力の電気設備工事事業では屋内線工事・送電線工事・発変電工事・通信工事・空調工事の設計・施工・請負を行い、三菱電機グループ向けを含む大手ゼネコン・民間企業・官公庁を主要顧客とする。

商品販売事業では三菱電機製の汎用電気機器・産業用電子機器・冷熱住設機器等を代理店として仕入・販売する。連結子会社として施工を担う弘電工事株式会社、設計積算業務を担う弘電社機電工程(北京)有限公司を有し、2026年3月期の連結売上高は44,234百万円に達する。

ビジネスモデル

収益の約80%を占める電気設備工事事業は、受注から施工・完成までの工事請負モデルで、特命受注比率が高く(屋内線工事56.3%、その他工事75.2%)、安定的な受注基盤を持つ。三菱電機からの受注は完成工事高の38.5%を占める。

商品販売事業は三菱電機との代理店契約に基づく仕入・販売モデルで、工事事業との総合提案により付加価値を高める。次期繰越工事高49,409百万円が将来売上の可視性を担保する。

企業の強み

2026年3月末時点の次期繰越工事高は49,409百万円(前期末45,239百万円から9.2%増)に達し、新宿駅西口地区開発計画(2030年3月完成予定)やMUFG本館計画(2030年10月完成予定)等の大型長期案件を含む。これにより翌期以降の売上高の相当部分が既に確保されており、業績の予見可能性が高い。

三菱電機株式会社は1951年に資本参加した親会社であり、工事・商品販売の両面で緊密な取引関係を持つ。2026年3月期の三菱電機向け売上高は13,427百万円(総売上の30.3%)と前期の7,848百万円(19.9%)から大幅に拡大。

代理店契約は1984年以来継続しており、安定的な受注・仕入基盤を形成している。

2026年3月期の受注方法別比率は屋内線工事で特命56.3%(前期52.1%)、その他工事で特命75.2%(前期71.0%)と、いずれも特命比率が上昇している。特命受注は顧客からの指名に基づくものであり、技術力・施工品質・信頼関係の蓄積を示す自社固有の競争優位として機能している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高44,234百万円(前期比+12.7%)、営業利益3,893百万円(同+26.4%)、当期純利益2,832百万円(同+3.5%)と5期連続の増収・最高益更新を達成。営業利益率は8.8%と前期7.8%から更に改善しており、単なる市況恩恵ではなく構造的な収益力向上が確認できる点は評価に値する。

一方、当期純利益の伸びが営業利益の伸びに比べ限定的(+3.5%)である点は、税負担・特別損益等の動向として注視が必要。

三菱電機グループへの依存度が高い事業構造は、グループの設備投資動向に業績が連動するリスクを内包する。外部要因として、民間企業の設備投資が高水準を維持している現局面では追い風となるが、グループ方針の変更や景気後退局面では受注減少が集中的に発生するリスクがある。

特命比率の動向は競争環境変化の先行指標として継続的なモニタリングが必要。

2026年5月21日付の決算短信訂正により、電気設備工事セグメントの収益分解が修正された。訂正後、一定期間にわたり移転される財・サービス(工事進行基準等)が29,216百万円(訂正前21,144百万円)、一時点で移転される財・サービスが6,258百万円(訂正前14,330百万円)に変更された。

売上高合計・利益・資産等の主要財務数値に変更はなく業績への影響はないが、実態として工事進行基準適用比率が高いことが改めて確認された。

成長戦略

中期経営計画フェーズ1で営業利益30億円超・成長投資・株主還元を同時推進

中期経営計画フェーズ1(2024〜2026年度)の中核目標。2026年3月期に営業利益3,893百万円を達成し、目標を上回る水準で推移。価格適正化・原価低減・受注拡大の三位一体で収益力を強化。

2024年12月に東新電気工業㈱の全株式を取得し、施工力・技術力を強化。人材確保・採用競争への対応として外注工賃上昇リスクを内製化で緩和する方向性。中期計画の重点施策として継続推進中。

中期経営計画フェーズ1において、収益拡大で得たキャッシュを成長投資(M&A・設備投資)と株主還元に配分する方針。全社資産17,882百万円(主に余資運用資金・投資有価証券)を活用した財務戦略を推進。

最終更新: 2026年7月19日