事業内容
株式会社中電工は1944年設立、広島市に本社を置く東証プライム上場の総合設備エンジニアリング企業。屋内電気工事・空調管工事・情報通信工事・配電線工事・送変電地中線工事を中核とする設備工事業が売上高の約90%を占める。
主要顧客は中国電力グループ(売上高の約20%)、官公庁、製造業・不動産等の一般民間企業。国内に加えマレーシア・シンガポール・ベトナムにも子会社を展開し、グループ全体で子会社19社・関連会社9社を擁する。
PFI学校空調事業・太陽光発電・再エネ投資等の補完事業も手掛ける。
ビジネスモデル
設備工事業は顧客から工事を受注し、自社施工力と協力会社ネットワークを組み合わせて施工する請負モデル。次期繰越工事高(受注残)が191,983百万円と高水準を維持することで将来売上の可視性を確保する。
原価管理の徹底・フロントローディング・DX活用による施工効率化で利益率を向上させる構造。資金需要は自己資金で賄い、余剰資金は金融商品で運用する財務規律を維持している。
企業の強み
2026年3月末時点の次期繰越工事高は191,983百万円(前期比+27.2%)。屋内電気工事122,024百万円・空調管工事48,564百万円を中心に積み上がっており、翌期以降の売上高の相当部分が既に確定している。この受注残の厚みは短期間で模倣困難な営業力・施工力の蓄積を反映している。
中国電力グループ向け完成工事高は44,769百万円(全体の24.5%)、次期繰越工事高にも15,178百万円を計上。1944年の設立以来、中国電力グループの電気工事等を継続的に請負施工しており、電力インフラ維持・更新需要を安定的に取り込む固有の顧客基盤を有する。
設備工事業のセグメント利益率は2024期の10.6%から2026期には12.5%へ改善。フロントローディング・外注施工エリアの分散発注・現場情報共有強化など自社主導の施工効率化施策の成果であり、売上高227,850百万円・営業利益26,180百万円はいずれも過去最高値を更新した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期190,690百万円から2026年3月期227,850百万円へ5期連続増収基調。営業利益は2023年3月期8,361百万円を底に急回復し、2026年3月期は26,180百万円と過去最高を更新、営業利益率は11.5%に達した。
外部要因として製造業設備投資・都市部再開発の堅調推移が追い風となる中、原価管理徹底・施工効率化が利益率改善を牽引。一方、当期純利益は18,482百万円(前期19,895百万円)と前期比△7.1%の減益。
前期の持分法適用会社解散に伴う法人税等減少(一時的要因)の反動と、当期の法人税等合計急増(2,496百万円→8,044百万円)が主因であり、実力ベースの収益力は向上している。
成長戦略
「中期経営計画2027」で営業力・施工力強化と人的資本経営を推進し持続成長を目指す。
営業力・施工力の一層の強化、生産性向上などの諸施策を推進。2027年3月期連結業績予想は売上高245,000百万円・営業利益27,000百万円・当期純利益19,700百万円を目標とし、計画初年度(2026年3月期)は売上・営業利益ともに計画を上回る水準で着地した。
2026年3月期の個別受注高は223,775百万円(前期比+20.0%)、次期繰越高は191,983百万円(同+27.2%)と過去最高水準を更新。空調管工事(受注高+60.5%)・屋内電気工事(+12.6%)が牽引しており、半導体・データセンター等成長分野への受注強化が寄与していると見られる。
DOE(連結株主資本配当率)3.0%を目処とする配当方針のもと、2026年3月期年間配当金を135円(前期120円から15円増配)に変更。2027年3月期は140円(さらに5円増配)を予想。自己株式取得も実施(当期取得額6,029百万円)し、総還元額は拡大傾向にある。
「中電工グループ2030ビジョン」に掲げる持続的成長の実現に向け、人的資本経営を強力に推進。労働者不足が続く事業環境の中、人材育成・研究開発強化等への内部資金活用を資本政策の基本方針に明記。施工能力の維持・拡大に向けた人材確保が中期的な最重要課題となっている。
最終更新: 2026年7月19日

