株式会社巴コーポレーション logo

株式会社巴コーポレーション

1921東証スタンダード建設業

株式会社巴コーポレーション logo
株式会社巴コーポレーション1921

事業内容

株式会社巴コーポレーションは1917年(大正6年)創業の老舗鉄構建設会社で、立体構造物・橋梁・鉄骨・鉄塔の設計・製作・施工を祖業とする。現在は当社・連結子会社5社・関連会社1社で構成され、鉄構建設事業と不動産事業の二事業を展開する。

鉄構建設事業では官公庁・民間向けに高付加価値工事を提供し、不動産事業では賃貸・管理・売買を通じてグループ収益を安定化させる。東京証券取引所スタンダード市場上場。

売上高は34,951百万円(2026期)。

ビジネスモデル

鉄構建設事業では工事受注から設計・製作・施工まで一貫して手掛け、進捗度に基づく収益認識で売上を計上する。受注残高(30,113百万円)が次期売上を下支えする構造。

不動産事業では賃貸収入による安定キャッシュフローに加え、不動産販売収益(当期3,132百万円)を組み合わせ、建設事業の変動リスクを補完する。内部資金と金融機関借入を組み合わせた資金調達体制を維持している。

企業の強み

1917年創業以来、立体構造物・橋梁・鉄塔・電波暗室等の高難度工事を手掛け、「技術の巴」として顧客の信頼を積み上げてきた。耐震ダンパー・座屈拘束ブレース等の自社保有製品や、CAD/CAM統合システム・AR検査技術の導入など、技術開発を企業戦略の重要な柱と位置付けており、競合が短期間で模倣困難な技術資産を保有する。

2026年3月末時点の連結受注残高は30,113百万円(前期比4%増)。次期繰越工事には大手町常盤橋再開発・TDK新キャンパス・防衛局倉庫・宇都宮橋梁工事等の大型案件が含まれ、令和12年2月完成予定工事まで工程が確保されている。この受注残高の積み上がりが次期以降の売上を構造的に下支えする。

不動産事業のセグメント資産は40,112百万円に達し、当期営業利益は2,854百万円(前期1,225百万円から倍増超)。不動産販売収益3,132百万円(前期ゼロ)と賃貸収入2,407百万円を組み合わせ、建設事業の工事進捗変動を補完する安定収益源として機能している。

令和6年に連結子会社化した巴技研・泉興産・令和建設の資産も収益貢献を本格化させている。

エンヴァリスの着眼点

会社予想では2027年3月期の営業利益は2,800百万円(前期比41.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,600百万円(同58.2%減)と大幅な減益が見込まれる。不動産販売収益の剥落や鉄構建設事業の採算悪化が主因とみられ、2026年3月期の好業績が一過性要因(投資有価証券売却益3,151百万円等)を含む点と合わせ、実力ベースの収益力を慎重に見極める必要がある。

鉄構建設事業の営業利益は2026年3月期に1,905百万円(前期2,707百万円から30%減)と大幅に落ち込んだ。外部要因として資材価格の高止まりと労働力不足が続いており、建設プロジェクトの延期・中止の動きも報告されている。

受注残高30,113百万円は積み上がっているものの、採算性の維持が課題であり、利益率の動向を注視する必要がある。

2026年3月期は自己株式取得6,699百万円・消却10,779百万円を実施し、発行済株式数を40,763千株から33,800千株へ大幅削減した。期末配当は普通配当24円+特別配当12円の計36円(前期24円)と増配した。

一方、2027年3月期の配当予想は24円(普通配当のみ)と減配予定であり、配当性向は31.0%と上昇するものの、絶対額の減少は株主還元の後退として受け止められる可能性がある。

成長戦略

第3期中計「TOMOE BUILD up5」のもと、グループ保有力活用・事業基盤強化・周辺領域拡大を推進

受注残高30,113百万円(前期比4%増)を積み上げ次期売上の視認性を確保しつつ、人材獲得強化と生産効率化により利益率の向上を目指す。ただし2027年3月期の営業利益予想は2,800百万円と大幅減益見通しであり、利益率改善の実現は課題として残る。

不動産販売収益(3,390百万円)と賃貸収入(3,623百万円)の二本立てにより、2026年3月期の不動産事業売上高は7,013百万円・セグメント利益2,855百万円へと急拡大した。グループ保有不動産資産の活用を通じた安定収益基盤の確立が進んでいる。

2026年3月期に自己株式6,699百万円取得・10,779百万円消却を実施し、発行済株式数を約17%削減した。期末配当は36円(普通24円+特別12円)と増配し、配当性向21.2%・1株当たり純資産2,160円48銭へ改善した。ただし2027年3月期は24円への減配を予定している。

連結の範囲を変更しない子会社株式の追加取得(4,460百万円支出)により、グループ内の経営統合を深化させた。非支配株主持分は10,590百万円から1,670百万円へ大幅減少し、グループ一体経営の実効性が高まっている。事業開発部門を通じた周辺領域への拡大も継続している。

最終更新: 2026年7月19日