新薬開発の不確実性
医薬品の研究開発は多額の投資と長期間を要し、臨床試験での有効性不足・重篤な副作用・当局の承認不取得等により開発遅延や中止を余儀なくされる可能性がある。特にrogocekibでは投与との因果関係が否定できない3件の死亡例が発生しており、重篤な副作用が継続する場合は開発中止となる可能性がある。開発遅延や追加試験が必要となった場合には計画外の追加資金確保が必要となり、その調達自体にも不確実性が伴う。
ライセンス収益の集中と不確実性
2025年4月に小野薬品とのMALT1阻害薬CTX-177に関するライセンス契約が終了したため、現状マイルストン収入が期待できるライセンス契約を有していない。当社の事業収益は今後締結するライセンス契約の契約一時金・マイルストン収入・ロイヤリティ収入に依存しており、製薬企業から想定通りの評価が得られない場合や想定タイミングで導出できない場合、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性がある。武田薬品との既存ライセンス契約についても、違反条項等による契約終了リスクが残存する。
競合品による市場競争激化
CLK阻害薬ではBiosplice Therapeutics社・BlossomHills Therapeutics社、MALT1阻害薬ではAbbVie社・Schrodinger社・Novartis社、CDK12阻害薬ではCarrick Therapeutics社等が臨床試験を実施しており、競合環境が激しい。競合品が先行して市販された場合、当社パイプラインの競争力低下・被験者登録の遅延・ライセンス契約の解消リスクが生じる。また競合他社による安全性懸念の発表が当社パイプラインの開発計画に影響を及ぼす可能性もある。
ITセキュリティ・情報漏洩リスク
当社は湘南ヘルスイノベーションパーク内のオープン施設に本社機能を置いており、第三者による意図的な行為やサイバー攻撃により重要情報が漏洩するリスクがある。研究・開発段階の機密情報や個人情報が流出した場合、研究開発活動への悪影響・知的財産権の毀損・社会的信用低下を招く可能性がある。情報セキュリティ管理規程の整備や外部専門家への委託によりリスク低減を図っているが、完全な防止は困難である。
継続企業の前提に関する重要事象
当社は継続的な営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在する。2025年8月期末時点の現金及び預金残高は2,548百万円、営業キャッシュ・フローは△1,836百万円であり、翌期以降もマイナスが継続する見込み。2025年9月に第三者割当による第9回・第10回・第11回新株予約権を発行し資金確保を図っているが、導出活動や資金調達が想定通りに進まない場合、事業継続に重大な懸念が生じる可能性がある。
薬事規制への対応リスク
医薬品の研究・開発・製造・販売はGLP・GMP・GCPをはじめとする各国薬事法規制に準拠する必要があり、規制改定やガイドライン追加により追加的な体制整備・変更が求められる可能性がある。規制対応が適切に行えない場合や多額の費用を要する場合、薬事承認の遅延・不取得につながり業績に重大な影響を及ぼす可能性がある。当社はPMDA等の規制当局や専門家への事前相談を通じてリスク対応を図っている。
知的財産権の喪失・侵害リスク
CLK阻害薬の物質特許(PCT/JP2017/016717)については出願時に特許明細書の一部に不具合が存在しており、将来的にその不具合を根拠とした異議申立や特許無効審判が請求される可能性が否定できない。また出願中の特許が全て登録される保証はなく、特許権の無効化により独占性が失われる可能性がある。第三者による特許侵害訴訟や権利主張が発生した場合、多大な労力・時間・費用を要し業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性がある。
株式希薄化と資本政策リスク
2025年8月末時点の発行済株式総数68,988,800株に対し、新株予約権による潜在株式数は5,727,000株(潜在希薄化率7.7%)であり、権利行使時に1株当たり株式価値が希薄化する。さらに2025年9月に行使価額修正条項付を含む新株予約権を追加発行しており、今後も資金調達のための増資が見込まれる。加えてVCが発行済株式の38.6%を保有しており、ファンド償還時期に応じた売却により株価下落リスクが存在する。
医療費抑制策による薬価リスク
米国では2022年のインフレ抑制法(IRA)によりメディケアの薬価設定権限が連邦政府に付与され、2025年5月には最恵国待遇(MFN)価格導入に関する大統領令が発出された。日本でも定期的な薬価引き下げと後発医薬品使用促進策が継続されており、当社が想定する販売価格・薬価が認められない可能性がある。これらの医療保険制度の変化により、将来のロイヤリティ収入や事業性が大きく毀損される可能性がある。
小規模組織・特定人材への依存
2025年8月末時点で取締役6名・従業員20名の小規模組織であり、創業者兼代表取締役の三宅洋および各部門責任者への事業依存度が高い。重要な役職員の職務遂行が困難となった場合、事業継続計画(BCP)や引継ぎ体制を整備しているものの完全な補完は困難であり、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性がある。また優秀な研究開発人材・専門家の確保・維持が計画通りに進まない場合も事業に影響を及ぼす可能性がある。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月21日

