事業内容
Chordia Therapeutics株式会社は2017年に設立された創薬ベンチャーで、神奈川県藤沢市の湘南ヘルスイノベーションパークを拠点とする。がん細胞の新たなホールマークである「RNA制御ストレス」に着目し、これまで市販薬が存在しない標的に対するファーストインクラスの低分子抗がん薬の研究開発を行う。
リードパイプラインのrogocekib(CLK阻害薬)を筆頭に、CTX-177(MALT1阻害薬)、CTX-439(CDK12阻害薬)、GCN2阻害薬、新規パイプラインの計5つのパイプラインを保有。2024年6月に東京証券取引所グロース市場に上場した。
主な対象疾患は急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、卵巣がん等のアンメットメディカルニーズが高いがん種である。
ビジネスモデル
当社は自社で大規模研究所や製造施設を持たず、外部委託・アカデミア連携を活用した軽量な研究開発体制を構築する。収益は主にライセンス契約に基づく契約一時金、開発マイルストン収入、販売マイルストン収入、ロイヤリティ収入を想定。
基本戦略として第2相臨床試験成功後のタイミングでパイプラインの海外販売権をグローバル製薬企業に導出する方針を採る。現時点では事業収益の計上実績はなく、資金調達は株式発行・新株予約権行使・AMED等助成金に依存している。
企業の強み
がんの新たなホールマークであるRNA制御ストレスを標的とした抗がん薬は未だ市販薬が存在しない。当社はCLK阻害・CDK12阻害・GCN2阻害・RNA分解標的の4つのRNA制御ストレス関連パイプラインを保有し、同領域において世界に先駆けた研究開発を推進している。
2018年開始の国内第1相臨床試験(60例)において、卵巣がんで奏効率28.6%(4/14例)、AML・MDSで奏効率42.9%(6/14例)を達成。AML奏効例では投与期間300日以上の長期奏効例も確認され、FDAからAML適応でのオーファンドラッグ指定も取得している。
武田薬品工業との包括ライセンス契約により4パイプラインの全世界独占権を保有。京都大学・国立がん研究センター・東京大学等との複数の共同研究契約を締結し、AMED助成金も活用。MD Anderson Cancer Center・Mayo Clinicとの米国第1/2相試験協力体制も構築している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年8月期第3四半期累計(2025年9月~2026年5月)の事業収益は前年同四半期同様ゼロ。研究開発費841百万円(前年同四半期比25.3%減)・販管費229百万円(同22.3%減)の削減により、営業損失は1,070百万円(前年同四半期1,420百万円)、四半期純損失は1,047百万円(同1,399百万円)と損失幅が縮小。
助成金収入は51百万円(前年同四半期23百万円)と増加。通期営業損失予想は2,008百万円で変更なし。
過去実績は2024期営業損失1,801百万円、2025期同1,790百万円と推移しており、費用コントロールによる損失縮小傾向が継続している。外部環境として、バイオ・医薬品業界では研究開発投資は継続される一方、投資判断の慎重化が見られる状況が続いている。
成長戦略
rogocekib米国試験の早期完了とライセンス導出、前臨床パイプラインの早期パートナリングを並行推進
FDAのProject Optimusガイダンスに基づくIE(30症例程度)・AEの2段階拡大コホートを実施し、RP2Dおよび対象がん種を決定。第2相臨床試験の開始は2027年中頃を見込む。IEの安全性・有効性データが次の重要マイルストン。
小野薬品との契約終了後、全世界での全権利を再取得。データ移管完了済みで、新たなパートナーとのライセンス契約締結を選択肢の一つとして鋭意パートナー探索中。契約締結により一時金・マイルストン収入の獲得を目指す。
研究開発リソースをrogocekibに集中させる方針のもと、CTX-439(CDK12阻害薬)およびGCN2阻害薬については早期パートナリングを含む幅広い選択肢を検討。AMED等の助成金を活用した自社研究も継続中。
2025年9月発行の第9回(行使価額修正条項付)・第10回・第11回新株予約権のうち、第9回の行使が進捗。当第3四半期累計で資本金・資本剰余金各469百万円が増加。将来の開発資金需要に対して柔軟に対応可能な体制を維持。
最終更新: 2026年7月17日

