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株式会社テノックス

1905東証スタンダード建設業

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株式会社テノックス1905

事業内容

株式会社テノックスは1970年設立の基礎工事専門建設会社。杭工事(鋼管杭・既製コンクリート杭等)と地盤改良工事(テノコラム工法等)を中核に、官公庁・民間双方の建設需要を取り込む。

連結子会社4社(テノックス技研・広島組・複合技術研究所・TENOX ASIA)を擁し、国内全域に営業拠点を展開するほか、ベトナムで海外事業を推進。2026年1月にはジャパンホームシールド㈱と資本業務提携し、地盤調査・解析分野との連携を強化。

主要顧客はゼネコン(大成建設㈱が売上高の13.7%を占める)を中心とした建設業者。売上高21,093百万円(2026年3月期)のうち97%超を建設事業が占める。

ビジネスモデル

テノコラム工法・TN-X工法・ガンテツパイル工法など複数の国土交通大臣認定・技術審査証明取得工法を保有し、技術差別化を図る。ゼネコン等から基礎工事を受注し、自社施工機械・技術者を投入して施工する請負モデルが基本。

契約条件の最適化と施工効率向上により工事収益率を改善(売上原価率81.0%、2026年3月期)。研究開発費68百万円を継続投入し、工法の高付加価値化と新工法商品化で競争優位を維持する。

企業の強み

テノコラム工法(1984年特許取得)、TN-X工法(国土交通大臣認定)、ガンテツパイル工法(建設大臣認定)、CP-X工法(2024年技術評定取得)、テノキューブ工法(2025年建設技術審査証明取得)など、複数の公的認定工法を保有。日本製鉄・日本ヒューム等との共同開発実績も蓄積しており、短期模倣が困難な技術基盤を構築している。

2026年3月期は売上高が前期比11.1%減の21,093百万円に落ち込む中、契約条件の最適化と施工効率向上により売上原価率を3.7ポイント改善(81.0%)。営業利益は1,289百万円(前期比15.6%増)、営業利益率6.1%(前期比1.4ポイント増)を達成。

減収下での増益実現は施工管理能力の高さを示す。

北海道から九州まで全国に営業拠点・機材センターを展開し、テノックス技研・広島組等の子会社を含む施工体制を構築。杭工事・地盤改良工事の両工種を自社施工できる体制により、官公庁(完成工事高の58.1%)・民間双方の多様な需要に対応可能。2026年3月期の手持工事高は6,229百万円を確保している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は大型杭工事の減少により売上高が21,093百万円(前期比11.1%減)と落ち込んだが、営業利益1,289百万円(同15.6%増)・純利益939百万円(同25.4%増)と利益は過去最高水準に迫る。売上総利益率が15.3%→19.0%へ急改善しており、単なる工事量の増減ではなく、契約条件最適化・施工効率向上という自社努力による収益体質の転換が進んでいると評価できる。

建設事業の受注残高は2025年3月期末9,743百万円から2026年3月期末6,568百万円へ約32%減少しており、2027年3月期の売上高予想23,000百万円(前期比9.0%増)の達成には新規受注の積み上げが不可欠。一方、市場環境として公共投資(防災・減災・国土強靭化)は底堅く、民間投資も企業収益改善を背景に堅調が期待されるが、原油問題に起因する建設資材価格高騰や人手不足による投資計画延期リスクも存在する。

受注動向を注視する必要がある。

2026年1月に取得したジャパンホームシールド㈱(持分法適用関連会社)との資本・業務提携は、地盤調査・解析分野との連携による技術的付加価値の向上を狙うもの。ただし、みなし取得日が2026年2月28日であり当期への業績寄与は軽微。

取得原価の配分も未完了で暫定的な会計処理中であり、のれん等の確定値や持分法損益の本格寄与は2027年3月期以降となる見込み。提携効果の具体化には時間を要するため、中長期視点での評価が適切。

成長戦略

中期経営計画「未来を拓く、新たな一歩」(2024〜2026年度)で5つの重要戦略を推進。

契約条件の最適化と施工効率の向上を通じた工事収益率の改善を推進。2026年3月期に売上高営業利益率6.1%(前期4.7%)を達成し、減収下でも増益を実現。工場・物流施設向け大型地盤改良工事の需要取り込みを継続する。

独自工法の継続的な開発・認定取得により技術的参入障壁を維持・強化。ジャパンホームシールド㈱との資本・業務提携(2026年1月株式取得)により地盤調査・解析分野との技術連携を深め、単独では実現できない付加価値の創出を目指す。

デジタル技術の活用による施工効率の向上と環境負荷低減を推進。100年企業を目指したサステナビリティ経営の実現を掲げ、社会・環境・労働・経営における事業課題に対応する。

現場従事者の高齢化・人手不足・時間外労働上限規制という構造的課題に対応するため、人材確保・育成と協力会社との関係強化を推進。譲渡制限付株式報酬制度(2026年3月期に28百万円計上)等を通じた人材定着・インセンティブ付与も実施。

資本効率経営の推進の一環として、DOE(純資産配当率)を基準とした配当政策を採用。2026年3月期の年間配当金は60.5円(DOE3.0%、配当性向42.9%)、2027年3月期予想は62.0円(配当性向41.3%予想)と増配基調を維持。

自己資本比率63.7%と財務健全性を保ちながら株主還元を拡充する。

最終更新: 2026年7月19日