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株式会社アストロスケールホールディングス

186A東証グロースサービス業

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株式会社アストロスケールホールディングス186A

事業内容

アストロスケールホールディングスは、宇宙空間における軌道上サービス(On-Orbit Servicing)を専業とする日本発のグローバル企業。コア技術である非協力物体へのRPO(ランデブ・近傍運用)技術を自社開発し、故障機・物体の観測・点検(ISSA)、寿命延長・燃料補給(LEX)、既存デブリ除去(ADR)、衛星運用終了時のデブリ化防止(EOL)の4サービスを展開する。

日本・英国・米国・フランス・イスラエルに拠点を構え、JAXA・ESA・米国宇宙軍・英国防衛省・防衛省など主要国の政府機関・防衛機関を主要顧客とする。2024年6月に東京証券取引所グロース市場に上場。

従業員の約7割がエンジニアで構成される技術集約型企業。

ビジネスモデル

収益の大半は、政府機関・防衛機関との研究開発・実証プロジェクト契約に基づくマイルストーン収入。技術開発の進捗に応じた審査通過を条件に対価が支払われる構造で、売上収益に政府補助金収入を加算したプロジェクト収益を実態指標として管理する。

中長期的には、民間コンステレーション事業者向けEOLサービスや静止衛星向けLEXサービスへの展開により、サービスフィー型の民間収益を積み上げる戦略を描く。

企業の強み

ELSA-dによるデブリ捕獲実証(2021年)、ADRAS-Jによる実デブリへの約15m近接実証(2024〜2025年)を民間企業として世界初で達成。2025年6月時点で、非協力物体へのRPO技術の宇宙実証に成功した競合事業者の存在を認識していないと有報に明記されており、技術的先行優位が確立されている。

2025年4月期の受注総額は30,704百万円(前年同期比452.0%増)、受注残総額は29,695百万円(同545.6%増)。JAXA・米国宇宙軍・英国防衛省・防衛省・ESAなど複数国の政府・防衛機関から同時並行で受注を積み上げており、想定受注残を含む合算額は44,413百万円に達する。

Eutelsat OneWeb社・Astro Digital社・Airbus Constellations Satellites SAS社(100個以上受注)など複数の衛星事業者とドッキングプレートの搭載契約を締結。本書提出日現在、軌道上に571機のドッキングプレート搭載衛星が存在し、EOLサービスの商業化に向けたエコシステムが先行して構築されている。

エンヴァリスの着眼点

2026年4月期の売上収益は5,940百万円(前期比141.8%増)、営業損失は9,975百万円(前期18,755百万円から大幅縮小)、当期損失は7,115百万円(前期21,552百万円)と損益構造が顕著に改善。売上総利益も初の黒字転換を達成。

外部要因として為替差益3,651百万円が税引前損失の縮小に寄与した点は留意が必要だが、売上収益の実質的な拡大は事業進捗を反映している。

期末現金及び現金同等物は10,022百万円(前期21,301百万円から11,279百万円減少)。2027年4月期も当期損失9,600百万円〜10,600百万円を見込んでおり、資金消費が続く。

後発事象として2026年6月にヒューリック向け転換社債16,300百万円・海外CB10,000百万円・第三者割当増資計4,300百万円超を実施し流動性は確保したが、転換価額2,208円での最大11,911,231株の潜在希薄化が株価に対する上値抑制要因となりうる。

市場環境として、米宇宙軍FOE2040・英SDR2025・欧州8,000億ユーロ規模戦略文書・フランス国家宇宙戦略等、主要国全てが宇宙防衛戦略を見直しており中長期的な需要拡大は期待できる。一方、2026年4月末の受注残高は37,938百万円(前年比△14.6%)と減少しており、当期受注高8,445百万円も前年比△72.5%と大幅減。

2027年4月期業績予想は受注済案件のみで構成されており、新規受注の獲得ペースが業績予想の上方修正可否を左右する。

成長戦略

継続受注案件モデルへの移行と防衛・民間需要取り込みによる早期黒字化

既開発プラットフォームを大幅改変なく再利用する「継続受注案件」を通じ、案件ごとの新規開発コストを抑制。売上総利益率30%台半ば・営業利益率20%台半ばを長期目標に掲げ、全額拠出案件比率向上とプロジェクトミックス改善を推進。2026年4月期に売上総利益が初黒字転換し初期成果を確認。

米空軍研究所・防衛省・米MDA SHIELD IDIQ候補選定等、防衛機関との契約を複数獲得。主要国の宇宙防衛戦略見直しを背景に、防衛案件は継続受注案件創出の主要経路と位置づけ。2026年以降の案件受注加速を期待。

ELSA-M(CDR完了・Isar Aerospaceとの打上げ契約締結)、APS-R(2027年4月期中打上げ予定)、Orpheus(CDR完了・2027〜2028年4月期打上げ予定)、ISSA-J1(PSLV打上げ契約締結)等を並行進捗。各ミッションの打上げ・実証成功が次フェーズ受注と継続受注モデル確立の鍵。

2026年6月にヒューリック向け転換社債16,300百万円・海外CB10,000百万円・ヒューリック向け第三者割当3,500百万円・スカパーJSAT向け第三者割当800百万円を実施。調達資金は生産設備拡大・衛星製造投資・運転資金に充当予定。

有形固定資産は前期6,025百万円から11,063百万円へ急増し製造能力増強が進行中。

Xona Space Systems等から第2世代ドッキングプレートの商業契約を複数獲得し、打上げ予定累計1,000個超を達成。フランスExotrail社との戦略的パートナーシップ締結・衛星軌道離脱ミッション開発契約締結(2030年までに初回商用ミッション目標)により欧州民間市場への展開も加速。

最終更新: 2026年7月17日