事業内容
株式会社植木組は1885年創業、新潟県を本拠とする総合建設グループである。子会社13社・関連会社3社で構成され、建設事業(土木・建築工事の受注・施工)を中核に、不動産事業(売買・賃貸・宅地開発)、建材製造販売事業、ソフトウェア開発・販売、介護福祉、ゴルフ場運営等の多角的事業を展開する。
主要顧客は官公庁(国土交通省・東京都等)から民間企業(工場・倉庫・ホテル等)まで幅広く、北陸地方を中心に首都圏等でも施工実績を持つ。東京証券取引所スタンダード市場上場。
2026年3月期連結売上高は63,290百万円。
ビジネスモデル
建設事業では土木・建築工事を競争入札・特命方式で受注し、完成工事高として売上計上する。期末繰越工事高(2026年3月期末65,025百万円)が翌期売上の先行指標となる。
不動産事業では宅地開発・賃貸物件を保有・販売し、建設事業との内部連携でコスト競争力を確保する。建材製造販売・ソフトウェア開発等の子会社群がグループ内需要を取り込みながら補完収益を創出する構造である。
企業の強み
2026年3月期末の次期繰越工事高は65,025百万円(前期比2.4%増)に達し、うち民間建築工事が37,403百万円と大宗を占める。ルートイン十日町新築工事・袖ケ浦上泉食品倉庫新築工事等の大型案件が既に手持ちとなっており、翌期売上の相当部分が既受注済みである。
1885年創業以来140年超の歴史を持ち、北陸地方整備局・東京都財務局・東京都水道局等の官公庁工事と、重松製作所・大和証券リアルティ等の大手民間工事を並行して施工する実績を有する。2026年3月期の完成工事高は官公庁20,724百万円・民間34,331百万円と両輪で拡大した。
i-construction等の情報化施工技術やICT機器を現場に導入し、適正な人員配置と組み合わせることで生産性を向上させている。2026年3月期の建設事業セグメント利益率は5.7%(前期比0.6ポイント改善)を達成しており、建設コスト上昇局面においても適正価格での契約推進により収益性を維持・改善している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高推移は2022期47,678百万円→2023期48,936百万円→2024期55,910百万円→2025期50,704百万円→2026期63,290百万円と、2025期に一時的な落ち込みを経て2026期に大幅回復・過去最高を更新した。営業利益も2022期2,293百万円→2026期3,721百万円と着実な改善基調にある。
2026年3月期は建築部門を中心とした大型繰越工事の順調な進捗が売上高を牽引し、適正価格契約推進とICT活用による生産性向上が利益率改善に寄与した。外部環境として建設資材・エネルギー価格の高止まりや労務需給逼迫というコスト上昇圧力が続く中、価格転嫁力の維持が収益性改善の主要ドライバーとなっている。
2027年3月期は資材・労務コスト高騰の影響から減益予想に転じており、増収効果でコスト増を吸収できるかが焦点となる。
成長戦略
中計「営業力・技術力・人財力」3テーマで2027年3月期売上高65,000百万円を目指す
「営業力」「技術力」「人財力」を重点テーマに掲げ、2027年3月期の連結売上高65,000百万円・営業利益3,200百万円を目標とする。2026年3月期は売上高63,290百万円・営業利益3,721百万円を達成し売上目標に対して進捗良好だが、利益は目標を上回った後に減益予想となっており、コスト管理が課題。
省人化に繋がる研究開発やDXを推進し、建設技術者・技能労働者の減少・高齢化に対応する。ICT技術の活用による生産性向上は2026年3月期の利益率改善に貢献しており、継続的な取り組みとして位置づけられている。完成工事原価に含まれる研究開発費は32百万円(前期18百万円)と増加傾向。
不動産事業支出金3,736百万円(前期2,321百万円)の積み上がりを背景に、2027年3月期の不動産事業売上高5,000百万円(2026年3月期実績2,426百万円から2,574百万円増)への大幅回復を計画。建設事業との連携による開発コスト競争力を活かした地域密着型の不動産開発・販売を推進する。
人材育成の強化と働きやすい職場環境づくりにより従業員の活躍を後押しし、建設業従事者の処遇改善と生産性向上を推進する。ESG/SDGsに配慮した企業活動を通じて持続的成長と企業価値の向上を目指す。賞与引当金繰入額の増加(前期189百万円→当期292百万円)は処遇改善の取り組みを反映している。
最終更新: 2026年7月19日

