事業内容
大豊建設株式会社は1949年創業の総合建設会社で、土木・建築・その他(不動産・塗装・建設資材リース)の3セグメントを展開する。最大の特徴は、地下構造物施工に特化したシールド工法およびニューマチックケーソン工法における高い技術力であり、雨水貯留施設・下水道・橋梁基礎・鉄道トンネル立坑等の大深度・大断面地下工事で国内トップクラスの実績を持つ。
主要顧客は国・地方自治体・高速道路会社等の官公庁(完成工事高の約50%)と民間デベロッパー・製造業等(約50%)。子会社11社を含むグループで、タイ・マダガスカル等海外工事も手掛ける。
2022年に麻生グループの連結子会社となり、PPP事業・維持修繕事業への参入を加速している。
ビジネスモデル
受注→施工→完成引渡しの建設請負モデルが収益の根幹。2026年3月期末の手持工事残高は連結ベースで207,864百万円(土木129,434百万円・建築78,430百万円)と売上高の約1.5期分を確保しており、売上の可視性が高い。
利益は工事原価の見積精度と施工管理力に依存し、選別受注・採算重視の受注方針が利益率改善の鍵となる。グループ子会社の不動産・塗装・リース事業が補完的な安定収益を提供する。
企業の強み
1952年に大豊式潜函工法を特許登録して以来、DREAM工法(1993年特許)・New DREAM工法(2002年特許)等を独自開発。New DREAM工法は主要高気圧作業の100%無人化を実現し、10基のニューマチックケーソン工事に適用済み。
中期経営計画では国内事業占有率50%以上を目標に掲げており、競合が短期間で模倣困難な技術的参入障壁を形成している。
2026年3月期末時点の手持工事残高は207,864百万円(土木129,434百万円・建築78,430百万円)で、同期売上高139,818百万円の約1.5倍に相当する。東京外かく環状道路(2028年3月完成予定)・西之山配水場更新工事(2030年3月完成予定)等の大型長期工事を含み、中期的な売上基盤が確保されている。
2022年に麻生株式会社を割当先とする第三者割当増資を実施し、麻生グループの連結子会社となった。PPP事業・維持修繕事業へのノウハウ獲得、首都圏以外での事業機会拡充、建設人材確保等のシナジー実現を目的とし、麻生グループとの協業によるPPP事業の具体化が中期経営計画の重点戦略として位置付けられている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は139,818百万円(前期比2.5%減)と2期連続の減収となったが、営業利益6,895百万円(前期比24.6%増)、経常利益7,332百万円(前期比40.9%増)、親会社株主帰属当期純利益4,557百万円(前期比23.5%増)と利益面は大幅改善。建築事業の採算改善(営業利益154.1%増)が主因。
外部要因として為替差益677百万円の計上も経常利益を押し上げた。2024年3月期の赤字(当期純利益△2,072百万円)から2期での完全回復を達成。
2027年3月期は売上高157,000百万円・経常利益8,000百万円を予想。
成長戦略
利益最優先・得意分野集中・人的資本経営強化で特色あるゼネコンを確立
ニューマチックケーソン・シールド等の得意分野に経営資源を集中し競争優位を強化。下水道リニューアル技術の研究開発を推進し新規市場を開拓する。2026年3月期の土木受注高は51,852百万円(前期比20.0%増)と回復基調。
官公庁工事の受注に注力しつつ選別受注を徹底。2026年3月期に建築事業営業利益が154.1%増と大幅改善を達成しており、方針の有効性が実績で確認された。引き続き利益率の高い案件への集中を継続する。
人材確保を最優先課題と位置付け、働き方改革や賃上げを通じて社員の定着・採用力を強化。得意工法における自律施工技術の実装や施工管理のデジタル化・遠隔化などDX・ICT技術の習得を加速させ、生産性向上と効率化を図る。
既存事業を補完・強化し得る企業を対象に、優れた技術の獲得を通じてグループの持続的成長を目指す。現時点では具体的な案件は開示されていないが、中期経営計画の重点施策として位置付けられている。
最終更新: 2026年7月19日

