事業内容
鹿島建設は1840年創業、1961年上場の総合建設企業。当社本体が担う土木事業・建築事業・開発事業等に加え、国内関係会社(鹿島道路、大興物産等)および北米・欧州・アジア・大洋州の海外関係会社(カジマUSA、カジマヨーロッパ等)を含む子会社219社・関連会社106社で構成される。
国内建設需要の高水準継続と海外建設・不動産開発事業の拡大を背景に、2026年3月期連結売上高は3,067,275百万円と5期連続増収を達成。半導体・データセンター・都市再開発・インフラ更新など多様な分野で施工実績を積み上げている。
ビジネスモデル
主収益源は土木・建築工事の請負(売上高の約53%)で、受注から施工・竣工までの工程管理と原価低減により利益を創出する。これに加え、国内外の不動産開発物件を保有・賃貸・売却することで安定賃貸収益と売却益を積み上げる。
国内関係会社による専門工事・資機材販売・リース事業、海外関係会社による建設・開発事業が収益を補完。繰越工事高(建設事業3,071,954百万円)が将来売上の可視性を高める構造となっている。
企業の強み
2026年3月期末の建設事業繰越工事高は3,071,954百万円(前期末比22.2%増)。建築工事の特命受注比率は前期45.0%から52.7%に上昇し、土木も27.8%から35.5%に改善。
高い技術力・提案力を背景に競争入札に依存しない受注構造が定着しており、採算性の高い工事を選別受注できる競争優位を示している。
盛土作業の一連工程を自動化するA4CSELをバックホウ・アーティキュレートダンプトラック含む4機種連携で実現し、複数現場に展開。山岳トンネル自動化、鉄筋自動プレファブ工法、AI活用の橋梁健全度診断システム「BMStar_AI」等、施工自動化・省人化技術を実用段階で保有。
研究開発費は当連結会計年度242億円を投じており、技術立社としての競争優位が蓄積されている。
賃貸等不動産の時価656,126百万円に対し帳簿価額369,352百万円と大幅な含み益を保有。国内賃貸物件57棟(貸床面積約12万坪)の入居率95%を確保し安定賃貸収益を創出。期末開発事業繰越高44,139百万円(前期比20.0%増)と開発資産も積み上がっており、将来の売却余力が拡大している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期2,079,695百万円から2026年3月期3,067,275百万円へ5期で47.5%増加。営業利益は同期間に123,382百万円から240,780百万円へほぼ倍増し、営業利益率は5.9%から7.8%へ改善した。
2026年3月期の急拡大は、市場環境として国内建設需要の高水準継続・需給ひっ迫という外部要因に加え、土木事業の大型工事最盛期施工進捗と建築事業の大型竣工工事増加、さらに原価低減・追加変更契約獲得という自社努力が重なった結果。親会社株主帰属純利益177,334百万円(前期比40.9%増)、ROE13.3%(前期10.2%)と収益性指標も大幅改善。
建設事業受注高は3兆2,639億円(前期比24.4%増)と高水準を記録し、次期繰越高も3,116,093百万円(前期比22.2%増)と将来売上の可視性は高い。
成長戦略
国内建設深化・開発事業拡大・海外成長の3本柱で中期経営計画(2024〜2026)を推進
適切な施工体制を確保した工事受注の選別とリスク管理の徹底により、土木24.6%・建築11.8%の高い売上総利益率を実現。2027年3月期も土木20.4%・建築12.0%の高水準維持を予想しており、資材供給不足・建設コスト上昇への対応としてリスク管理体制を一層強化する方針。
国内開発事業資産の積み上げが着実に進展しており、複数の不動産開発物件の計画的売却による業績貢献を継続。賃貸等不動産の帳簿価額369,352百万円に対し時価656,126百万円と大規模な含み益を保有。次期も複数物件売却による業績貢献を見込む。
欧州・東南アジアの建設事業における利益率向上を主因に海外関係会社の営業利益が前期比32.8%増。米国における開発物件の売却は当期から次期以降に変更したが、次期は不安定な国際情勢・金融環境を慎重に見極めつつ売却を進め、海外関係会社純利益を前期比80.3%増の18,000百万円に拡大する計画。
為替前提は1米ドル156.56円。
配当性向40%を目安とした増配を継続(2026年3月期年間146円、前期104円)。2026年5月14日に総数900万株・総額400億円を上限とする自己株式取得を決議。
中期経営計画の経営目標「純利益1,300億円以上」を大幅超過する1,700億円を次期も予想しており、株主還元の原資は確保されている。
最終更新: 2026年7月19日

