事業内容
清水建設は1804年創業、1948年に現社名へ改称した日本を代表する総合建設企業。当社グループは子会社142社・関連会社23社で構成され、国内外の建築・土木工事請負を核とする建設事業、不動産開発・賃貸を担う投資開発事業、日本道路㈱が担う道路舗装事業、エンジニアリング・グリーンエネルギー開発・建物ライフサイクル等の多角化事業を展開する。
主要顧客は民間デベロッパー・製造業・官公庁等に広がり、TOKYO TORCH Torch Towerや大型再開発案件など超大型プロジェクトの施工実績を持つ。2026年3月期の連結売上高は2,057,802百万円。
ビジネスモデル
収益の大部分は建設事業(建築・土木)の工事請負契約に基づく完成工事高で構成される。受注から施工・引渡しまでの進捗度に応じて収益を認識する。
これに加え、投資開発事業では自社開発不動産の賃貸・売却により高利益率(セグメント利益率31.5%)の安定収益を積み上げ、エンジニアリング・グリーンエネルギー開発等の非建設事業が収益の多様化と安定化に寄与する構造を目指している。
企業の強み
2026年3月末時点の個別次期繰越高は2,568,757百万円(前期比+14.0%)に達し、TOKYO TORCH Torch Tower・日本橋一丁目中地区・豊海地区等の超大型再開発案件を含む。この高水準の受注残は向こう複数年の売上を可視化し、業績の安定性を裏付ける自社固有の競争優位である。
受注前審査の厳格化・フロントローディング推進等の生産プロセス改革により、個別建築完成工事総利益率は前期7.3%から当期10.8%へ大幅改善。2026年3月期の連結営業利益は前期比67.1%増の118,669百万円を達成し、高収益体質への転換が数値として確認できる。
自社保有の世界最大級自航式SEP船「BLUE WIND」を活用し、富山県入善沖・北海道石狩湾新港の国内洋上風車建設工事に加え台湾で3案件の傭船を実施。大型風車施工の実績を蓄積しており、洋上風力EPCのトップランナーとしての地位を確立しつつある自社固有の技術・設備資産である。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期連結売上高は2,057,802百万円(前期比+5.8%)、営業利益は118,669百万円(前期比+67.1%)、親会社株主帰属当期純利益は126,617百万円(前期比+91.8%)と大幅増益。2024期の営業損失(△24,685百万円)からの回復が完全に定着し、収益性は明確な改善局面にある。
外部要因として公共投資の底堅い推移と民間設備投資の持ち直しが追い風となった一方、建設資材・エネルギー価格の高止まりや労務費上昇が引き続きコスト圧力となった。2027年3月期は売上高2,310,000百万円(+12.3%)、営業利益153,000百万円(+28.9%)を予想。
成長戦略
建設事業の高収益化と非建設事業のスケール化を両輪に2030年経常利益200,000百万円以上を目指す
国内建築工事の採算改善を継続しつつ、大型再開発・データセンター・物流施設等の高付加価値案件の受注を強化。個別次期繰越高2,636,969百万円(前期比+13.3%)と高水準を維持し、2027年3月期個別完成工事高16,600億円(前期比+11.4%)を目指す。
2024年11月設定の縮減目標(2027年3月末までに連結純資産の10%以下)の達成に向け、売却合意済み銘柄を含む実質比率は既に9.1%。売却益を株主還元・成長投資に充当し、ROEの持続的改善を図る。年間配当金は2026年3月期72円(前期38円)、2027年3月期予想77円と増配基調。
2026年3月30日に海洋土木・地盤改良工事を主力とするあおみ建設㈱を子会社化(取得原価13,340百万円、議決権69.26%)。土木事業分野での技術融合と、今後市場成長が期待される洋上風力事業分野でのグループ一体でのシナジー実現を目指す。
2025年7月の公開買付け(取得原価55,246百万円)を経て日本道路㈱を完全子会社化。道路舗装事業のグループ統合により、資金調達コスト低減・受注連携強化・アスファルト合材製造販売の垂直統合効果を追求する。道路舗装セグメント利益は当期10,585百万円(前期比+7.0%)と改善中。
エンジニアリング事業でのGX・先端製造施設分野の受注拡大、グリーンエネルギー開発事業のスケール化、建物ライフサイクル事業でのDX対応を推進。「その他」セグメント利益は当期30,527百万円(前期比+22.4%)と改善しているが、非建設事業の収益拡大は道半ばであり、2030年目標達成に向けた加速が求められる。
最終更新: 2026年7月19日

