株式会社マサル logo

株式会社マサル

1795東証スタンダード建設業

株式会社マサル logo
株式会社マサル1795

事業内容

株式会社マサルは1957年創業の建設専門工事会社で、建物の新築防水工事・改修工事・直接受注工事を中核とする建設工事業(売上高の約86%)と、空調・給排水等の設備工事および産業用機械の組立・メンテナンスを担う設備工事業の2セグメントで構成される。子会社は株式会社イノベイト(2024年1月設立)、株式会社マサルファシリティーズ、空気設備工業株式会社の3社。

主要顧客は鹿島建設(売上高の17.6%)・大成建設(同10.2%)をはじめとする大手ゼネコンで、東京都心5区の大規模再開発・オフィス改修市場を主戦場とする。東京証券取引所スタンダード市場上場。

ビジネスモデル

鹿島建設・大成建設等の大手ゼネコン上位10社からの下請け受注を主軸に、新築防水・改修・直接受注の3工種で売上を構成する。2025年9月期の連結売上高10,648百万円のうち建設工事業が9,165百万円を占める。

設備工事業では大型案件の受注残高3,602百万円を抱え、工事進行基準による売上計上が進む。直接受注市場の開拓により収益性の高い案件比率向上を図るとともに、建設・設備のワンストップ提案によるセット受注でグループ全体の受注拡大を目指す。

企業の強み

2025年9月期において鹿島建設向け売上高1,879百万円(構成比17.6%)、大成建設向け1,086百万円(同10.2%)と、上位2社だけで売上高の27.8%を占める。麻布台ヒルズ・Shibuya Sakura Stage・三田ガーデンヒルズ等の大型再開発案件を継続的に受注しており、大手ゼネコンとの深い取引関係が安定受注基盤を形成している。

1968年に日本初の超高層ビル「三井霞が関ビル」のシーリング防水工事を施工し、他社に先がけてノウハウを取得。以来60年超にわたり防水・シーリング工事に特化した研究開発を継続し、2025年9月期の研究開発費は32,971千円。

新規シーリング材の耐久性研究・ウレタン塗膜新工法・外壁調査診断技法開発など35テーマの研究を推進している。

2025年9月期に設備工事業の受注高が前年同期比522.9%増の4,449百万円と急拡大し、受注残高は3,602百万円(前年同期比442.9%増)に達した。連結全体の受注残高8,680百万円のうち41.5%を設備工事業が占め、次期以降の売上計上が見込まれる確度の高い工事バックログとして機能している。

エンヴァリスの着眼点

2026年9月期中間期は売上高が前年同期比10.0%減と落ち込む中、利益は全項目で増加するという質の高い決算となった。しかし受注高は4,659百万円(前年同期比41.6%減)と大幅に落ち込んでおり、特に設備工事業の受注高355百万円(同89.7%減)は前期大型公共工事の反動とはいえ、下期以降の売上積み上げに対する不透明感を高める要因となっている。

通期業績予想(売上高10,700百万円)の達成には下期での挽回が必要な状況だ。

通期業績予想(売上高10,700百万円・営業利益450百万円・経常利益480百万円・当期純利益280百万円)に対し、中間期時点の進捗率は売上高48.1%、営業利益98.6%、経常利益94.3%、純利益104.3%。利益面では中間期だけで通期予想をほぼ達成しており、下期の利益水準次第では通期予想の上振れ余地もある。

会社側は2025年11月14日公表の業績予想から変更なしとしており、保守的な見通しを維持している。

外部要因として、東京ビジネス地区の平均空室率2.22%(低水準)・平均賃料坪当たり22,302円(上昇基調)というオフィス市場環境は改修需要を下支えしており、建設工事業の受注環境は引き続き良好といえる。一方、労務費の上昇や原材料価格の高止まりは会社自身が継続リスクとして言及しており、採算管理の巧拙が利益水準を左右する構図が続く。

年間配当予想は110円(前期160円から減配)であり、株主還元の観点では前期比で後退している点も留意が必要だ。

成長戦略

2030年9月期に向けゼネコン上位10社シェアNo.1・ROE15%・成長分野開拓の3テーマを推進

鹿島建設・大成建設等の大手ゼネコンとの関係深化を軸に、上位10社全体でのシェアNo.1を目指す。2026年9月期中間期の建設工事業受注高は4,304百万円(前年同期比5.0%減)と小幅減にとどまり、主要顧客との関係は維持されている。

ゼネコン経由の下請け依存から脱却し、エンドユーザーへの直接受注比率を高めることで収益性の向上を図る。成長領域と位置づけ継続投資中。株式会社イノベイトとの連携による受注領域拡大も推進している。

空気設備工業株式会社の連結子会社化(2024年4月)を活用し、建設工事業とのワンストップ提案によるセット受注を推進。2026年9月期中間期の設備工事業セグメント利益は52百万円(前年同期比87.0%増)と大幅増益を達成し、収益貢献が顕在化しつつある。

長期計画の財務目標としてROE15%を掲げる。2026年9月期中間期時点で自己資本比率62.9%・純資産5,481百万円と財務基盤は健全。利益剰余金の積み上げ(3,261百万円)が続いており、資本効率の向上が今後の課題となる。

最終更新: 2026年7月17日