株式会社三東工業社 logo

株式会社三東工業社

1788東証スタンダード建設業

株式会社三東工業社 logo
株式会社三東工業社1788

事業内容

株式会社三東工業社は昭和29年創業、滋賀県栗東市に本拠を置く中堅建設グループ(東証スタンダード上場)。土木事業(治山・治水・上下水道・道路・地盤改良等)、建築事業(工場・店舗・福祉施設等の一般建築)、環境開発事業(環境関連企画・不動産売買)の3セグメントで構成される。

子会社2社(㈱古澤建設・草津栗東火葬サービス㈱)と関連会社1社(㈱アンビエンタ)を含むグループ体制。主要顧客は滋賀県(第71期売上高の23.3%)をはじめとする官公庁および民間企業。

独自工法(TRD工法・JST工法)を保有し、地下技術分野での差別化を図る。

ビジネスモデル

収益の大半は土木・建築工事の請負契約に基づく完成工事高。土木事業は官公庁向け元請・下請を組み合わせ、建築事業は民間元請が主体。

期中受注工事高を積み上げ次期繰越工事高として翌期売上を先行確保する構造が特徴。環境開発事業は不動産売買・賃貸等で売上高営業利益率49.3%の高収益を補完。

自己資金を主軸とし、短期借入を機動的に活用する財務運営を採用。

企業の強み

TRD工法(ソイルセメント地中連続壁)およびJST工法(2液瞬結地盤改良)を自社保有。平成9年・昭和57年からそれぞれ施工実績を積み上げており、同業他社との技術差別化を実現。地下技術部署として専門組織を設置し、工法研究開発・設備改良も継続実施している。

第71期末の次期繰越工事高は7,621百万円(前期末4,614百万円比65.2%増)。土木事業2,889百万円・建築事業4,732百万円と両セグメントで積み上がっており、令和8年6月期の売上基盤を先行確保している。期中受注工事高も10,713百万円と前期6,554百万円から大幅拡大。

第71期末の自己資本比率は66.5%、純資産3,429百万円。有利子負債依存度が低く、短期借入は期末までに返済する方針を堅持。総資産5,086百万円に対し負債合計1,656百万円と財務健全性が高く、受注変動リスクへの耐性を備えている。

エンヴァリスの着眼点

令和8年6月期第3四半期累計(9か月)の営業利益は547百万円に達しているが、通期業績予想(修正後)は490百万円にとどまる。第3四半期累計実績が通期予想を既に57百万円上回っており、第4四半期に損失が発生しない限り通期予想は保守的とみられる。

配当予想も期末130円(前期100円比30%増)へ引き上げ済みであり、さらなる上振れ・増配の可能性を投資家は注視すべきである。

建築事業の完成工事高は前年同四半期比74.3%増の4,024百万円と急拡大し、セグメント利益も133.3%増の123百万円と回復。一方、第3四半期末貸借対照表には工事損失引当金59百万円が新たに計上されており、一部工事での採算悪化が示唆される。

急拡大局面における工事品質・採算管理の巧拙が今後の利益率を左右する重要な観察点である。

環境開発事業の売上高は前年同四半期比24.0%減の34百万円、セグメント利益も44.0%減の15百万円と縮小。また、総資産は前期末比1,376百万円増の6,463百万円へ急増(主因は受取手形・完成工事未収入金等の806百万円増)しており、自己資本比率は66.5%から58.7%へ低下。

売上拡大に伴う運転資本増加が資本効率を押し下げており、回収サイクルの管理が課題となる。

成長戦略

大型・高付加価値工事の受注強化と建設DX推進で利益率の持続改善を目指す。

建設DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進と、BIM/CIMを活用した工程管理効率化により現場生産性を向上。施工コスト上昇環境下での利益率維持・改善を図る。令和8年6月期第3四半期累計で土木事業利益率10.1%を実現しており、取り組みの効果が数値に表れている。

建築事業において大型工事・利益率の高い工事の受注を優先する方針を継続。次期繰越工事高4,732百万円(前期比77.5%増)の積み上げにより、次期以降の売上基盤を確保。工場・発電所カテゴリ等の民間設備投資需要を積極的に取り込む。

施工コスト上昇局面において、工事内容変更に伴う請負金額変更交渉を積極推進し、原価上昇分の価格転嫁を図る。建築事業のセグメント利益率は前年同四半期の2.3%から3.1%へ改善しており、取り組みの効果が確認されている。

令和8年5月13日付で通期連結業績予想を修正(売上高10,800百万円・営業利益490百万円)。同時に期末配当予想を130円(普通配当70円+特別配当60円)へ引き上げ。3Q累計実績が通期予想を既に上回る水準にあり、株主還元の更なる拡充が期待される。

最終更新: 2026年7月17日