事業内容
株式会社ヤマウラは1920年創業、長野県駒ヶ根市に本社を置く東証プライム・名証プレミア上場の総合建設会社。建設事業(建築・土木)、エンジニアリング事業(電気・工機)、開発事業等(不動産・再生エネルギー)の3セグメントを展開する。
主要顧客は食品・精密・輸送用機器等の製造業、運輸業、官公庁など。連結売上高40,527百万円(2026年3月期)のうち建設事業が87.5%を占め、設計施工一括請負(約7割)を強みとする提案型営業で長野県内工場建築施工実績3年連続ナンバーワンを達成している。
ビジネスモデル
建設事業では設計施工一括請負(デザイン&ビルド)が受注の約7割を占め、提案段階から関与することで原価管理と付加価値向上を両立する。エンジニアリング事業は水力発電設備・橋梁・制御システム等を設計から製造・据付・メンテナンスまで一貫提供。
開発事業等は不動産売買・賃貸・リノベーションで補完的収益を確保。3事業の部門間連携による総合提案が差別化の核となっている。
企業の強み
建設事業における設計施工一括請負比率は約7割に達し、提案段階からの関与により原価低減と高付加価値受注を実現。工場建築では3年連続長野県内施工実績ナンバーワンを達成しており、食品・精密・輸送用機器等の製造業顧客から継続的な受注を獲得している。
2026年3月期末の自己資本比率は72.7%、借入金残高ゼロ、現金及び現金同等物残高7,699百万円を維持。ROEは12.8%と自社認識の資本コスト(約9%)を上回る水準で推移しており、財務健全性と資本効率を両立している。
BIM・CIM・マシンコントロール・マシンガイダンス・3Dレーザースキャナー・VR・ARを実務に導入し、建設DXのアーリーアダプターとして原価削減・工数削減・働き方改革を推進。自社開発の仮設資材軽量化・省力化や土木用断熱型枠の特許取得など独自技術の蓄積も進んでいる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期27,946百万円→2026期40,526百万円と5期間で45%成長。2025期に一時減収(35,614百万円)となったが2026期は13.8%増収で過去最高を更新した。
営業利益は2024期4,328百万円をピークに2025期3,892百万円へ低下後、2026期4,259百万円に回復したが2024期水準には届かず。外部要因としてナフサ価格高騰に由来する建設資材価格の高止まりと建設技能人材不足が利益率を抑制(売上高営業利益率10.5%、前期10.9%から低下)。
2027年3月期は売上高41,126百万円(1.5%増)に対し営業利益3,694百万円(13.3%減)と減益予想であり、資材・労務費コスト上昇の継続が収益圧迫要因として織り込まれている。
成長戦略
Vision2030の3本柱(改善・差別化・積極戦略)でROE14%以上・企業価値向上を目指す
工場建築3ブランド体制と設計施工一括請負による高付加価値受注を継続。山梨県等への営業エリア拡大と積極的なマーケティング戦略により新規企業顧客を獲得。2026年3月期の建設事業受注高は36,915百万円(前期比21.0%増)と加速しており、次期繰越工事高(建築27,742百万円)も積み上がっている。
水力発電所の設備建設工事を建設事業と連携して受注するなど、部門間シナジーを実現。小水力発電見学会等の顧客指向営業展開で新規取引先を開拓。次期繰越工事高(エンジニアリング)は5,233百万円と前期比371百万円増加し、翌期以降の売上余力を確保している。
BIM・CIM・3Dレーザースキャナー等ICT活用による提案型営業の競争優位を強化。DX推進により施工品質・生産性を向上させ、建設技能人材不足という外部環境への対応を図る。2026年3月期は概ね計画通りに推移しており、翌期も継続的な取り組みを推進する方針。
2026年3月期の年間配当は30.00円(前期24.00円から25%増配)、配当性向17.9%。2027年3月期予想は36.00円(配当性向25.1%)とさらに増配を計画。
後発事象として自己株式取得(上限1,000,000株・1,600百万円)を決議し、資本効率向上と機動的な資本政策を推進する姿勢を明確化した。
2026年4月の取締役会決議に基づき、長野県東御市の「東御市宿泊交流拠点整備運営事業」の維持管理・運営を担う100%子会社(株式会社FTTマネジメント、資本金200百万円)を2026年5月設立予定。翌連結会計年度第1四半期より連結決算に移行するが、財務諸表への影響は軽微とされている。
最終更新: 2026年7月19日

