事業内容
工藤建設株式会社は1971年創業、神奈川・東京を収益基盤とする建設・土木・住宅工事の請負を中核に、不動産管理・賃貸・売買、介護付有料老人ホームを主軸とした高齢者向け介護サービスを展開するグループ企業。2025年6月期の連結売上高は22,497百万円で、建設事業57.2%・介護事業27.2%・不動産事業15.6%の構成。
2024年7月に㈱日建企画を連結子会社化し、2025年7月には㈱松下工商を完全子会社化するなど、グループ体制を拡充。長期ビジョン「未来・環境・幸福をつなぐリーディングカンパニー」のもと、地域住民の全ライフステージを支える「生活舞台創造企業」を標榜している。
東証スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
建設事業では特命受注比率83%(建築工事)の高い顧客密着型受注と手持工事高15,621百万円による売上の先行確保が特徴。不動産事業は建物管理・賃貸の経常収益に加え事業用不動産売却による変動収益を組み合わせる。
介護事業は介護保険収入(国民健康保険団体連合会経由が売上の約39.5%)を基盤とした安定的なストック型収益を確保。3事業の収益特性の違いが全体の収益安定性を補完する構造となっている。
企業の強み
2025年6月期の建築工事における特命受注比率は83.0%(前期73.7%から上昇)。野村不動産・東急・関電不動産開発・日鉄興和不動産など大手デベロッパーとの継続的な取引関係が確認でき、競争入札に依存しない安定受注基盤を形成している。
手持工事高は15,621百万円と次期売上の先行確保が図られている。
売上高22,497百万円のうち建設事業12,871百万円(57.2%)、介護事業6,116百万円(27.2%)、不動産事業3,512百万円(15.6%)と3事業に分散。介護事業は国民健康保険団体連合会経由の介護保険収入が売上の約39.5%を占め、景気変動の影響を受けにくい安定収益源として機能している。
介護事業の売上高は前期5,947百万円から当期6,116百万円へ増加。有料老人ホーム(特定施設)が売上の96.2%を占め、入居率向上とサービス強化・料金見直しにより営業利益312百万円を計上。2003年の介護事業参入以来、神奈川・東京都内に複数施設を展開し、施設運営ノウハウを蓄積している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年6月期第3四半期累計(9ヶ月)は売上高18,574百万円(前年同期比+15.6%)、営業利益824百万円(同+84.4%)、経常利益799百万円(同+89.6%)、親会社株主帰属四半期純利益461百万円(同+44.0%)と全指標で大幅改善。建設事業が完成工事増加(松下工商子会社化効果含む)で牽引し、不動産・介護も増益。
過去5期の営業利益推移(2022期240百万円→2025期647百万円)と比較しても収益改善モメンタムは明確に加速している。外部環境として公共投資・建設投資の底堅い推移と都市部地価上昇が追い風として機能。
一方、修正後通期予想(売上高24,400百万円、営業利益770百万円)は3Q累計実績を下回る営業利益水準に設定されており、第4四半期の工事完成・計上タイミングが通期着地の鍵となる。
成長戦略
中期経営計画3本柱と松下工商統合によるグループ収益力・規模の拡大
特命受注比率の維持・向上と大型民間建築工事の受注拡大を推進。建設部門の売上高は前年同期比39.4%増の7,442百万円と大幅拡大しており、完成工事総利益率も改善傾向にある。原価管理の徹底と採算性の高い案件選別が継続課題。
2025年7月に松下工商を完全子会社化し、土木工事ノウハウ・技術者をグループに取り込む。建設事業セグメントにのれん680百万円(千円単位:680,916千円)が発生し、3Q累計で72百万円(千円単位:72,955千円)を償却。建設部門の大幅増収に寄与しており、統合効果は本格化している。
入居率の向上により介護事業売上高は前年同期比2.4%増の4,685百万円、営業利益は14.4%増の264百万円を達成。ICT導入・次世代介護機器活用による業務効率化と、継続的な人材確保・定着率向上が課題。介護DXの推進が中期的な収益改善の鍵。
建設・介護両事業で慢性的な人手不足が課題。新卒採用強化・賃上げ・処遇改善を通じた人材確保と定着率向上を推進。労務費上昇は収益圧迫要因となる一方、人材基盤の強化は中長期的な受注・稼働能力の維持に不可欠。
中期経営計画の第3の柱として環境・社会・ガバナンスへの取り組みを推進。具体的な数値目標・進捗は短信では開示されていないが、建設・介護・不動産の各事業における持続可能な事業運営の基盤整備を継続。
最終更新: 2026年7月17日

