事業内容
株式会社Will Smartは2012年に株式会社ゼンリンデータコムの社内ベンチャーとして設立され、2024年4月に東京証券取引所グロース市場に上場。「アイデア」と「テクノロジー」を活用し、交通・物流などモビリティ業界および国・自治体の課題解決を行う。
コンサルティングからソフトウェア開発、ハードウェア提供、納品後サポートまでのトータルサービスを提供。主要ソリューションは総合情報配信サービス、クラウド化支援サービス、モビリティシステムサービス、AI・データサイエンスサービスの4領域。
主要顧客は交通事業者、カーシェア事業者、地方自治体など。2025年12月期の売上高は805百万円。
ビジネスモデル
システム開発・ハードウェア納品による一時的なショット売上(2025年12月期:483百万円)と、納品後の保守・運用・システム利用料によるストック売上(同321百万円)の二本柱で収益を構成する。ストック売上は顧客基盤の拡大とともに積み上がる安定収益源であり、前事業年度(9か月)の190百万円から321百万円へ大幅増加。
プラットフォームのパッケージ化により販売パートナー経由の汎用展開も可能とし、スケーラビリティを確保している。
企業の強み
創業以来、モビリティ業界顧客との直接対話にこだわり、カーシェア・鉄道・バスターミナル等の多様な案件を通じて業界特有の業務フロー・法規制への深い理解を蓄積。大阪・関西万博「夢洲第1交通ターミナル」向け統合管理システム提供など大型案件実績を有する。
車載デバイス・屋外設置等のIoT技術と、モビリティ業界特有のシーズナリティ対応・予約管理・法規制対応が可能なWeb開発技術を併せ持つ。ハードウェアからソフトウェア、保守まで一貫提供できる体制が他社との差別化要因となっている。
2025年12月期にNTTドコモとのカーシェア領域業務提携、ゼンリンとの協業開始、地域金融機関ネットワーク拡充を実施。また九州旅客鉄道・ENEOS・四国電力等の大手企業を資本業務提携先として持ち、販売ネットワークと信用力を補完している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2024期売上高1,086百万円・営業利益36百万円から、2025期は売上高805百万円・営業損失283百万円へ急悪化。2026年12月期第1四半期(2026年1月〜3月)は売上高206百万円(前年同期比2.9%減)と減収が続くが、売上原価・販管費の圧縮により営業損失は52百万円(前年同期68百万円)へ縮小した。
外部要因として補助金・助成金収入が前年同期14百万円から0.2百万円へ激減した影響を吸収しての改善であり、コスト構造改革の効果が表れている。一方、四半期純損失54百万円の計上により純資産は△51百万円と債務超過に転落。
通期予想は売上高1,150百万円・営業利益50百万円(前期比42.8%増収・黒字転換)を据え置いているが、第1四半期進捗率は売上高18%・営業利益段階では依然損失であり、後半への偏重が前提となっている。
成長戦略
地方モビリティ社会の実現に向け、公共交通・物流・パートナーエコシステムの3軸で拡大。
ゼンリン(520,800株)・泉陽興業(148,800株)を割当先とする第三者割当増資を2026年5月15日に決議。調達資金は受託開発システム構築(244百万円)・自社プラットフォーム開発(200百万円)に充当予定。債務超過解消と成長投資原資の確保を同時に図る。
2025年12月に日本初のOBDⅡ型デジタコの型式指定を国土交通省より取得し、2026年4月に販売開始。2025年4月施行の物流関連2法改正に伴う運行管理デジタル化需要を取り込み、物流市場を新たな収益柱として育成する。
ゼンリンの地域公共交通分析ノウハウ・全国調査網と当社のモビリティシステム基盤を組み合わせ、交通空白の把握・解消に向けたワンストップソリューションを全国自治体に共同提供。国土交通省の「交通空白解消・集中対策期間」政策を追い風に共同提案・共同受注を推進する。
泉陽興業が企画・建設・運営に関与する観覧車・遊園施設・複合型レジャー施設等に対し、デジタルサイネージ・予約発券システム・来場者向けモビリティサービスを提供。地方観光地と交通拠点をシームレスに接続する周遊ルート設計等の新規事業領域を開拓する。
2030年度に売上高3,000百万円・営業利益350百万円・営業利益率12%の達成を目標に掲げる。コンパクト・プラス・ネットワーク型まちづくりの中核プレーヤーとして、地域モビリティ課題解決ソリューションを全国展開するとともに、大企業・多様なパートナーとの共創を通じて新たなモビリティサービスを社会実装する。
最終更新: 2026年7月17日

