事業内容
安藤ハザマは1873年創業の安藤建設と1889年創業の間組が2013年に合併して誕生した総合建設会社。土木事業(トンネル・ダム・地下構造物等)と建築事業(物流施設・工場・病院・商業施設等)を主軸に、グループ会社による建設用資材販売・リース・不動産・海外建設等の周辺事業も展開する。
主要顧客は国土交通省・高速道路会社等の官公庁から三井不動産・東京建物等の大手民間デベロッパーまで幅広く、北米・東南アジア・中南米等の海外工事も手掛ける。東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
顧客から工事を受注し、進捗度に応じて完成工事高を計上する工事請負モデルが収益の根幹。2026年3月期末の手持工事高は688,190百万円(土木273,971百万円・建築414,219百万円)に達し、次期以降の売上計上の可視性が高い。
グループ事業では建設用資材販売・リース・不動産賃貸等のストック型収益も補完的に積み上がっている。
企業の強み
2026年3月期末の手持工事高は688,190百万円(前期比23.3%増)。建築工事単独で414,219百万円(前期比44.5%増)と急増しており、2027年3月期の建築完工高310,000百万円計画の裏付けとなっている。
受注残の積み上がりは短期間で模倣困難な顧客基盤・信頼関係の蓄積を反映している。
2026年3月期の個別完成工事総利益率は土木16.2%(前期比+1.2ポイント)、建築13.7%。土木事業の営業利益率は11.0%に達し、山岳トンネル・ダム等の大型難工事で培った施工技術力と工事管理力が収益性を支えている。
山岳トンネル統合型掘削管理システム「i-NATM®」のAI-ロードヘッダ新型機2種を開発し実現場での長期実証試験を開始。霞ケ浦導水石岡トンネル工事では建機の自動運転を約2ヵ月間安定運用。独自デジタルツインプラットフォームも大規模造成工事で有効性を確認済みであり、生産性向上技術の実用化が進んでいる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の連結業績は売上高439,615百万円(前期比+3.4%)と5期連続増収。一方、営業利益は33,618百万円(△4.6%)、経常利益は33,257百万円(△2.3%)と減益。
販管費が30,341百万円(前期比+18.0%増)と大幅増加したことが主因。親会社株主帰属純利益は29,746百万円(+12.5%)と増益だが、投資有価証券売却益10,388百万円(特別利益)の計上が寄与。
ROEは15.7%(前期16.3%)と若干低下。自己資本比率は50.6%(前期46.0%)に改善し、財務健全性は向上。
過去5期の推移では2024年3月期を底に利益が急回復しており、2025年3月期の大幅改善(営業利益+89.6%)後は高水準を維持している。外部要因として政府・民間建設投資の堅調推移が売上を下支えする一方、労務費・資材価格の高止まりが利益率の上値を抑制している。
成長戦略
中期経営計画2028で5つの価値創造を掲げ、建設事業深化と戦略投資を推進
2026年4月より「中期経営計画2028」を開始。2029年3月期に連結経常利益365百万円、ROE12%以上、1株当たり配当金80円以上(累進配当)を目標に掲げる。
国内土木・建築・LCS・エネルギー・海外・グループ・建設外の7事業戦略を深化させ、人的資本・技術開発・DX・ビジネスパートナー・サステナビリティの5経営基盤を強化する。
2026年1月に完全子会社化したQXY Resources Pte.Ltd.(シンガポール)を通じ、リニューアル建築分野での東南アジア事業基盤を確立。当期は貸借対照表のみ連結(損益未反映)であり、2027年3月期より損益寄与が開始される見込み。
東南アジアを海外事業の重点地域と位置付け、長期的な事業成長を目指す。
中期経営計画2028において1株当たり80円以上/年の累進配当を方針として明示。2026年3月期は年間80円(前期70円から増配)、2027年3月期予想は84円とさらなる増配を計画。配当性向は2026年3月期42.2%。純利益減益予想下でも増配を維持する方針は株主還元への強いコミットメントを示す。
中期経営計画2025の最終年度において、ICT・AIに関する技術開発による施工の自動化・省人化を推進し成果を残した。建設技能労働者の減少・高齢化による担い手不足という業界課題に対応するため、中期経営計画2028においても技術開発戦略・DX戦略として継続推進。
生産性向上による収益性改善と競争優位の維持を目指す。
坂出バイオマス発電所の営業運転開始、太陽光PPA事業への取り組み継続など、フロービジネス(工事請負)からストックビジネスへの事業ポートフォリオ変革を推進。中期経営計画2028においてもエネルギー事業・建設外事業を独立した戦略領域として位置付け、安定的な収益基盤の多様化を図る。
最終更新: 2026年7月19日

