原油・天然ガス価格変動リスク
国内外のE&P事業およびインフラ・ユーティリティ事業の売上高・営業利益は原油・天然ガス等の価格変動に大きく左右され、油価1米ドル/バレルの変動で2027年3月期営業利益が760百万円増減すると試算されている。中長期的な想定販売価格の引き下げにより事業用資産の減損損失が発生する可能性もある。デリバティブ取引の一部活用や事業ポートフォリオの見直しにより対応しているが、完全な回避は困難である。
為替変動リスク
国内生産の原油・天然ガスは円建て販売価格が米ドル・円レートに連動するため、為替変動が売上高・営業利益に直接影響し、1円/米ドルの円安(円高)で2027年3月期営業利益が470百万円増加(減少)すると試算されている。輸入LNGを原料とした天然ガス・電力の販売価格にも影響するが、仕入れ価格も同様に変動するため一定の相殺効果がある。為替動向の継続的モニタリングとデリバティブ取引の一部活用により影響低減を図っている。
カントリーリスク
イラクやロシア等カントリーリスクの相対的に高い地域での海外E&P事業において、政治・経済・社会的混乱や法制・税制の変更が事業の円滑な遂行や経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。中東情勢の緊迫化によりイラクのガラフ油田は操業再開時期の見通しが立たず通年の生産・出荷停止を前提としており、LNG代替調達コストの増加も見込まれる。LNG調達先の多様化強化や現地情報の継続的収集により対応しているが、不確実性は高い。
気候変動・脱炭素移行リスク
パリ協定を背景とした脱炭素社会への移行により、石油・天然ガス需要の減少や販売価格の低迷を通じて事業価値が毀損される可能性がある。また、国際的な脱炭素の潮流により金融機関等からのE&P事業向け資金調達や損害保険契約の締結が困難となるリスクも存在する。TCFD提言に基づくリスク・機会の特定と必要な取り組みを進めているが、移行の速度・規模によっては事業モデルへの影響が大きい。
天然ガス需要変動リスク
国内インフラ・ユーティリティ事業において、少子高齢化に伴う人口減少、需要家の設備稼働率低下、競合激化等を要因とする天然ガス取扱数量の減少が経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。パイプライン延伸やLNGサテライト供給による新規需要開拓、工業団地等への面的エネルギー供給、カーボン・オフセット商材等のソリューション提供により対応している。ただし、構造的な人口減少トレンドの中で需要維持・拡大には継続的な取り組みが必要である。
大規模災害・パンデミックリスク
坑井の掘削、原油・天然ガスの生産・輸送、LNGの貯蔵・気化・輸送等の操業において、地震等の大規模災害やパンデミックが発生した場合、人的・物的損害や操業停止に加え、販売中断による収入減少、損害賠償、環境汚染、社会的信用の低下といった副次的損害が生じる可能性がある。BCP整備、定期的な防災訓練、HSEリスク評価に基づく設備設計・運転マニュアル整備、損害保険契約の締結等により対応している。
E&P事業特有の投資リスク
E&P事業は探鉱から生産まで長期間・多額の投資を要し、地質的不確実性による資源量未達、開発段階での資機材高騰・スケジュール遅延、埋蔵量・生産量の減少、廃坑・廃山費用の見積超過等、多岐にわたる投資リスクが存在する。これらのリスクにより投資損失が発生し経営成績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。投資評価委員会での慎重な投資判断、共同事業化によるリスク分散、経営リスク委員会での定期モニタリング、資産の入替・売却を含む機動的な対応により管理している。
新規案件・新規事業成立リスク
「JAPEX経営計画2026-2035」において海外E&PとCCUSへの集中による「コア資産群」構築を掲げているが、新規案件獲得および新規事業成立が進まない場合には経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。米国・ノルウェー・東南アジアへの海外E&P集中、国内CCS専任事業本部の設置、カーボンニュートラル事業推進委員会による進捗管理等の体制を整備している。キーポジション人材の計画的育成と外部人材の登用により実行体制の強化を図っている。
情報セキュリティリスク
サイバー攻撃手法の多様化・高度化により、システム障害や情報漏洩が発生した場合、油・ガス田の生産操業停止、訴訟費用の発生、社会的信用の失墜等の損害が生じ経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。情報セキュリティ委員会による管理体制の構築、多層的防御策・常時監視体制・脆弱性診断の定期実施、CSIRT中心のインシデント対応体制整備、従業員への定期的な教育・標的型攻撃メール訓練等により対応している。
国保有株式の売却リスク
経済産業大臣が2026年3月期末時点で当社株式の37.84%を保有しており、今後の売却時期・方法・数量によっては当社の株価および信用格付に影響を及ぼす可能性がある。積極的なIR・広報活動を通じた長期安定株主の育成、経営計画に基づく企業価値の持続的向上と株主還元の拡充により対応している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

