事業内容
株式会社INPEXは、2006年に国際石油開発と帝国石油の経営統合により設立された日本最大の石油・天然ガス開発会社(E&P企業)。子会社88社・関連会社等30社から構成されるグループで、日本国内の天然ガス・ヨウ素生産から、豪州イクシスLNGプロジェクト(オペレーター)、アゼルバイジャンACG油田、カザフスタンカシャガン油田、アブダビ油田群など世界各地の大型プロジェクトに権益を保有する。
2025年12月末時点の確認埋蔵量は合計3,115百万BOEに達し、日本のエネルギー安定供給の中核企業として経済産業大臣保有の甲種類株式による政策的位置づけも有する。
ビジネスモデル
INPEXの収益は、保有する油ガス田権益から生産した原油・天然ガス・LNGの販売が中心。売上収益2,011,351百万円のうち原油が1,530,291百万円(76.1%)、天然ガスが448,053百万円(22.3%)を占める。
収益水準は国際原油価格(ブレント)と円ドル為替レートに大きく左右される構造で、2025期は平均油価70.69米ドル/バレル・平均為替149.60円/米ドルで推移した。イクシスLNGプロジェクトはオペレーターとして運営し、持分法投資利益も収益に貢献する。
企業の強み
2025年12月末時点の確認埋蔵量は原油・コンデンセート・LPG合計2,441百万バレル、天然ガス3,562十億立方フィート、合計3,115百万BOE。豪州・東南アジア、欧州・アブダビ等に分散保有し、将来の純キャッシュフロー割引現在価値は2,455,924百万円(SEC基準)に達する。
豪州イクシスLNGプロジェクトはINPEXがオペレーターを務め、2025期のセグメント利益(親会社帰属当期利益)は270,801百万円と全セグメント中最高水準。探鉱費が前期42,790百万円から62百万円へ大幅削減され、コスト構造が改善。持分法投資利益60,501百万円も計上した。
2025期の営業活動によるキャッシュフローは693,800百万円(前期比391億円増)。資産合計7,735,100百万円に対し親会社帰属持分4,747,100百万円を有し、財務健全性を維持。複数金融機関とのコミットメントライン契約やJOGMEC保証制度の活用により多様な資金調達手段を確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上収益は2022期2,324,660百万円をピークに、2023期2,164,516百万円、2024期2,265,837百万円、2025期2,011,351百万円と調整局面が続く。2026年12月期第1四半期は売上収益501,803百万円(前年同期比6.5%減)、営業利益278,215百万円(同14.1%減)、親会社帰属四半期利益109,414百万円(同13.4%減)。
外部要因として海外原油平均販売価格が1バレル67.39米ドルと前年同期比10.7%下落したことが主因。一方、為替は1米ドル157円00銭と前年同期比3.0%の円安が部分的に下支えした。
通期業績予想は上方修正されたが、中東情勢の不確実性を反映したレンジ形式での開示となっている。
成長戦略
天然ガス・LNG安定供給を基盤にエネルギートランジション事業を並行推進
豪州イクシスLNGプロジェクトにおける安定操業を継続し、2026年12月期第1四半期の天然ガス生産量は97,059百万CF(前年同期比6.3%増)、原油販売量は3,547千バレル(同20.6%増)を達成。アジア向けLNG需要の中長期的な堅調見通しを背景に、オペレーターとしての高収益性を維持する。
ACG油田・カシャガン油田等の大型プロジェクトでの安定生産を継続しつつ、アブダビ等における新規権益取得を推進。2026年12月期第1四半期の同セグメント天然ガス販売量は16,525百万CF(前年同期比13.1%増)と数量面での成長が確認されている。
INPEX Vision 2035に基づくエネルギートランジション戦略の一環として、再生可能エネルギー発電量を拡大(2026年12月期第1四半期865百万kWh、前年同期比45.4%増)。CCS・水素事業への先行投資を継続しており、現時点では同セグメントは損失(1,481百万円)計上の先行投資フェーズ。
2026年12月期の年間配当予想を108円(前期100円から8%増)に設定。2026年12月期第1四半期に自己株式9,975百万円を取得しており、継続的な株主還元を実施。親会社所有者帰属持分比率61.0%の強固な財務基盤を背景に、利益還元と成長投資の両立を図る。
最終更新: 2026年7月17日

