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株式会社カウリス

153A東証グロース情報通信業

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株式会社カウリス153A

事業内容

株式会社カウリスは「情報インフラを共創し、世界をより良くする」をミッションに掲げ、2016年より法人向けクラウド型不正アクセス検知サービス「Fraud Alert」を提供する専業SaaS企業。主要顧客は銀行・証券会社・クレジットカード事業者等の金融機関で、メガバンク・地方銀行25行、証券会社9社を含む48社(2025年12月末時点)と取引。

月間約6.0億件のログインをモニタリングし、約3.64%を不正疑いとして検知。2025年9月には全国10社の送配電事業者と連携した新規KYCサービス「Grid Data KYC」を開始し、収益源の多様化を図っている。

2024年3月に東京証券取引所グロース市場に上場。

ビジネスモデル

主収益はエンドユーザーのインプレッション数・ユニークユーザー数を基に契約金額を決定するサブスクリプション型(ストック型)。トラフィック増加に伴うアップセルでARPUが自然成長する構造で、2025年12月末ARPUは2,498千円(前年同期比+11.2%)。

これに加え、モニタリング運用支援コンサルティング(平均価格50万円~)のフロー型収益を組み合わせる。代理店を介さない直販モデルにより変動費率を低く抑え、月次グロスレベニューチャーンレートは0.6%と低水準を維持。

企業の強み

顧客間でブラックリスト(不審者データベース)を共有する第三者提供型ビジネスモデルを採用。顧客が増えるほど不正利用者情報が蓄積・共有され検知率が向上するネットワーク外部性を持つ。警視庁・各県警からの凍結依頼口座情報もデータベースに登録し、月間約6.0億件のモニタリング実績を誇る。

メガバンク・ネット系銀行・地方銀行25行、大手証券会社を含む証券会社9社等と直接取引。金融機関は社内オペレーション上サービスのリプレイスが極めて困難であり、直近12ヶ月の平均月次グロスレベニューチャーンレートは0.6%と低水準を維持。

ARR(年間経常収益)は2025年12月末時点で1,439,312千円(前年同期比13.6%増)と堅調に拡大。

2019年に金融・電力データ活用分野で第一号となる規制のサンドボックス制度認定を取得。2024年4月にはグレーゾーン解消制度により適法性が確認され、全国10社の送配電事業者と業務提携(2025年9月締結、2030年9月まで)し「Grid Data KYC」をリリース。

金融庁・警察庁・個人情報保護委員会等とのガバメントリレーションが参入障壁を形成している。

エンヴァリスの着眼点

2026年12月期通期予想(売上高1,570百万円、営業利益411百万円)に対し、1Q実績は売上高401百万円(進捗率25.5%)、営業利益130百万円(同31.5%)と利益面で特に高い進捗を示した。インフラ再構築開発の計画前倒し完了(3月)による費用削減効果が1Qに集中した面があり、残余3四半期での費用増加を考慮しても、通期予想の達成確度は高いと判断される。

契約社数が前年同期比増減なし(48社)の中、MRR・ARR・ARPUがいずれも+24.3%成長を達成した。これは新規顧客獲得ではなく既存顧客(特に証券会社)へのアップセルが主因であり、トラフィック増加に連動した単価上昇の持続性が今後の成長の鍵となる。

外部要因として、SNS型投資詐欺等の被害拡大が証券会社の取引モニタリング強化需要を押し上げている点は追い風だが、契約社数の純増鈍化は中長期の成長余地を制約するリスクとして注視が必要。

2026年3月に自己株式129,900株(152,302千円)を取得し、2026年12月期の期末配当予想は5.50円(前期4.80円から+0.70円増配)。一方、現金及び預金は前期末比377,660千円減少し1,109,412千円となった。

自己資本比率は77.7%と財務健全性は維持されているものの、成長投資(福岡拠点開設、Grid Data KYC展開)と株主還元の両立における資本配分の優先順位は引き続き確認が必要。

成長戦略

Fraud Alert深耕とGrid Data KYC本格展開による二軸成長戦略

証券会社等の既存顧客に対するトラフィック増加連動型アップセルを推進。2026年12月期1Q末時点でARPUが前年同期比+24.3%増の2,691千円に達し、MRRは129,170千円(同+24.3%)と拡大。取引モニタリングの利用シーン拡大が商談進展を後押ししている。

全国10社の送配電事業者と連携した電力契約情報活用KYCサービス。2026年12月期1Qに新規1社のPoC開始を達成し、それ以外の企業ともPoC実施に向けた協議を継続中。本格商用化による収益源多様化が中長期の成長ドライバーとして期待される。

九州・中国・四国エリアの地方金融機関への迅速なサポート体制構築を目的に、2026年3月に福岡県に営業・採用拠点を新設。地方銀行・信用金庫等の新規顧客獲得による契約社数純増を目指す。現時点では採用・営業活動が進展中の段階。

サーバー費用削減を目的としたインフラ再構築開発が計画より前倒しの2026年3月に完了。削減されたコストを不正取引検知率向上・品質向上開発に再投資する方針。1Q営業利益率32.4%の改善に寄与しており、中長期的なサービス競争力強化につながる。

最終更新: 2026年7月17日